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目を背けてはいけない

　竹善さんのブログで書いておられたタイトルをいただいちゃいましたが、ここ数日で松たか子さん、鈴木杏さんの舞台「ＳＩＳＴＥＲＳ」を、そして、梁石日原作、阪本順二監督の映画「闇の子供たち」を観てきました。ネタばれになるといけないので内容については控えますが、「ＳＩＳＴＥＲＳ」・・・竹善さんが目を背けてはいけない、と書いておられた意味がとてもよくわかりました。どういった内容かをあまり知らず観に行ったので、（というか、ネットで調べてもストーリーなどは掲載されていないようだったので）ショックで終った後言葉になりませんでした。一緒に行った、いつも元気120パーセントの先輩も口数少なく、2人とも重い気持ちで席をたちましたが、観て本当によかった。自分の知らない怒りと苦しみの世界が身の周りそこらじゅうに渦巻いていること、たとえば、夜回り先生の水谷先生の著書や講演でも知ることができたので、そのことと重なって、この舞台が作りごとの世界ではないことをひしひし感じながら観ていました。いつの間に2時間半も立っていたのか気づかないほど、松たか子さん達の演技もそれはそれは圧倒されるものでした。そして、「闇の子供たち」。これも、あまりに重い映画のようだけど観ておかないといけないな・・とずっと思っていました。実際にタイで行われている幼児売買春、人身売買の現実を描いたものです。原作を読んでいないのですが、あまりに衝撃的でページをめくることさえ躊躇させるほどの衝撃的な内容なので映画化は不可能と考えられていたそうです。映画を観てみてその意味がとてもよくわかります。ネットの解説でも記載されていますが、本当に「人の命はお金で買えない」などと言う言葉はまったく説得力を持たない闇の世界。これがフィクションでなく現実であることがあまりにも残酷過ぎ、まったく信じられないショックな内容、映像がどんどんと襲いかかってきます。日本と言う国に生まれたことがどれだけ幸せなことなのか・・と映画の後友達と話しながら、そんな言葉を口にすることすら、子ども達に申し訳ない、言ってはいけない言葉のような気持ちに包まれました・・・。演じているのはタイ駐在の新聞記者に江口洋介、ＮＧＯ活動に身を投じる女性に宮崎あおい、人身売買の実態を撮影するフリーカメラマンに妻夫木聡、その他、佐藤浩市・・と豪華な面々です。正義感と自分の内面と戦う葛藤など、本当に繊細な心理描写など、心に深く突き刺さってくる演技は見事でした。そして、そこにはとても細やかな配慮がされながら撮影が進められたということですが、タイの子役たちのあまりに惨い実態を演じる姿・・。ありえない残酷な社会に対する怒りとか辛さとか・・でもその原因にはあまりに貧困過ぎる社会背景がありそれらを変えていかない限り、この地獄のような闇は止めることができずずっと続いていく・・・いろいろなことが頭の中を渦巻いて、涙が溢れて止まりません。でも涙を流して観ている自分がまた、甘ったれすぎている人間に思えたり。この映画は内容からすると、大きな映画館で上映していることが珍しいように思いましたが、それでも、上映回数は少ない。いつも思いますが、こういう映画こそもっともっとＰＲをしてより多くの人に世界の現実を知らせるべきだと思います。辛いけど、心が重く暗くもなるけど、現実である限り知らないといけないです。原作を読もうと思います。まさに「ＳＩＳＴＥＲＳ」もそうですし、「闇の子供たち」も目を背けてはいけないです。

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予想以上の感動～

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