ニュートリノの速度が光速を超えた?
殆ど質量の無い素粒子「ニュートリノ」が光より速く動いたと言う実験結果が、欧州合同原子核研究所(CERN)から発表され波紋を呼んでいます。1万6000回の測定結果なので、単なる間違いでは無い模様ですが、アインシュタインの特殊相対性理論を揺るがす事象ですので注目に値します。一般生活では、ニュートン力学の世界で何ら支障は無いのですが、高速で地球を回る人工衛星等では、アインシュタインの特殊相対性理論から、時刻が遅れる為その補正をしているからです。特殊相対論において光速 c不変である。光の速度はどのような慣性系から観察しても同じ値を示す。又、質量を持った物体は光速を決して超えることができないことも示された。特殊相対論においては、力学と電磁気学を含むすべての物理法則はローレンツ変換に対して不変であることが要請される。ローレンツ変換は、S系における時空の位置を表すベクトル(t, x, y, z)を、速度vでx方向に移動するS'系で見た時のベクトル(t', x', y', z')は、 光速cと速度vを用いて次の様に表される。 速度vが光速cを越えてしまいますと、上記変換では平方根内の数値がマイナスとなって、実数から虚数又は複素数になってしまい、意味を再吟味する必要が生じてしまうのです。スーパーカミオカンデ実験を率いる専門家からは「1987年超新星爆発で放出されたニュートリノを捉えた際は、爆発による光もほぼ同時に観測した。両者の間に今回の結果の様な違いがあるとすると、ニュートリノは光より1年は早く地球に到達していなければおかしいことになる」と、別の機関による検証実験で結果を確かめることが大事だと指摘しています。