金相場1万円時代突入-1998年は1千円時代
金相場1万円時代突入と報じられていて、1998年は1千円時代でしたので、この25年で実に10倍に値上がりしたのは奇異にも見えます。日本も経済リスクヘッジには米国債を大量に保有して、金保有は控え目だったからです。パックスアメリカーナ(Pax Americana)で世界経済を牽引した米国債はリスクヘッジの礎だったのですが、中国への輸出制限、輸入制限を実行しなければならない相対的な国力の衰えで、米ドルへの信頼度が減じたことで、金利を生まない金ですが、リスクヘッジには金保有が欠かせないと言う状況になったと考えられます。1979年イラン革命、第2次石油危機、テヘランの米国大使館占拠事件、ソ連のアフガニスタン侵攻等の事件が勃発、1980年にはイラン・イラク戦争も本格化し、アメリカと旧ソ連との対立が深刻化していた時期であり、金の相場にも大きく影響し、金相場は6,945円/gの高値をつけました。この僅か4ヶ月後の米ソ緊張緩和で3,645円に下落、その後も金価格は下がり1000円台に突入、1998年には865円/ gという史上最低価格を記録してしまいました。しかし2000年代に入ると上昇トレンドへと転化、2001年ITバブル崩壊、世界同時多発テロ、2003年イラク戦争、2007年サブプライムローン問題も金価格上昇要因となり、3000円台を突破しました。2013年金融緩和政策「アベノミクス」にて円安が促進。同時に金価格も1年で4000円台前半から5000円台に迫る急激な値上がり傾向を迎えます。2020年のコロナ禍が与える経済不安、企業破綻連鎖や米国の経済支援策を含めた政治動向などの結果、金相場が40年ぶりに7,700円台まで金相場が上昇しました。2023年はウクライナ有事、米国にて大手銀行破産など様々な要因が金相場に影響を及ぼしていますし、2019年以降はコロナ蔓延等の不安要素から、2023年8月には過去最高値を記録し、現在においても高い水準となっています。我が家でもリスクヘッジの為の多少の金保有があって、その一部は家内用のペンダントとして装身具にしていました。世界一直径の大きなオーストリア金貨を、米国駐在時、貨幣売買するお店でペンダントに加工して貰ったものです!