等角写像とSchwarz-Christoffel変換公式-地中埋設管の放熱検討
30才代から40才までは、業務に応用数学適用に情熱を注ぎ、ガスタービン性能解析、天然ガスパイプライン計画等に適用して、汎用コンピュータでFortran4プログラムを作成したこと等は良き思い出です。37才にて家族帯同の米国駐在を3~5年することとなりセールスエンジニアとして役割が増えましたし、又管理職として業務が少し変質することとなりましたが、良かったのか否かは何とも言えません。導管内ガスから熱伝達を経て地中熱伝導にて地表面に達し、地表面自然対流熱伝達によって放熱される仕組みを計算するのは、なかなか難しい問題である。地中の熱伝導が、ガス熱伝達および地表面熱伝達に比べ十分小さいことを想定して問題をより単純化することで検討する。この問題は1920年代、埋設電線からの放熱問題として解決されているもので、上記図形をSchwarz-Christoffel式による写像にて矩形に変換しての簡単な一次元熱伝導問題に置き換えることが出来る。命題を複素平面(z=x+iy)で定義し、下記の関数にて他の複素平面(t=u+iv)に写像する。t = i * ln((z+c)/(z-c)) 即ち u+iv = i * ln((x+c+iy)/(x-c+iy))ここで、c2 = d2 - a2で設定する。数学的な意味はz平面の(-c, 0)及び(+c, 0)から対象点への各々の距離をr、r’、角度をθ、θ’とすると次の様に定義される。v = ln(r/r’)、u =θ'-θcの値を設定したので、z平面の円はt平面にv一定の水平線分で写像される。地中埋設の円筒部分はv = cosh-1(d/a) , u = 0-2πの線分に、地表面部分はv = 0 , u = 0-2πの線分に写像される。即ち矩形で、表面積が2π、温度傾斜が(Ta - Tg)/ cosh-1(d/a)とした極めて簡単な準一次元熱伝導問題に転換された。その結果、放熱量Qは次の様に導かれる。Q = 2*π*λ*(Ta - Tg) /cosh-1d/a = 2*π*λ*(Ta - Tg) /ln((d + √(d2 - a2))/a)ここで、π: 円周率(3.14159…)