高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査応募
世界で唯一の高レベル放射性廃棄物の最終処分施設は、フィンランド南西部のオルキルオトに位置し、人口は約9,400人の小さな島で、施設の建設が開始されています。又、スウェーデンは「フォルスマルク」という地域が建設予定地となっており、現在安全審査中とされています。半減期が数千年に及ぶ放射性廃棄物ですので、安定した地層の中で地下深くに密閉保管しなければなりませんが、世界各国の状況は、2020年3月時点で、英国やドイツ、韓国等は日本と同様、「調査段階前」で、カナダ、スイス、中国は「概要調査」の段階です。フランスでは、ビュールという地域の近辺が候補地となって、精密調査に入っています。スイスが2008年に開始した地層処分場の候補地の選定計画は、3段階のプロセスの最終期にあって潜在的な場所が3カ所あり、深さ600mにある不浸透性オパリナス粘土の岩盤による理想的な地質特性により、確実で恒久的な貯蔵条件だとされています。既に処分地を選定しているのがスウェーデンとフィンランドで、世界各国もその建設・保管状況を科学的観点からも注意深く見守る必要があります。日本では、北海道の2町村が文献調査に応じることになりました。高レベル放射性廃棄物(核のごみ)最終処分場の建設立地を巡り、北海道寿都(すっつ)町の片岡町長は10月8日、選定手続きの第1段階に当たる文献調査に応募すると表明した。片岡町長は、文献調査で国側から支払われる最大20億円の交付金が「将来の町財政に必要」として応募検討を表明。住民の賛否が割れる中、住民説明会や地元業界団体との意見交換会を通じ、町議会での議論を受け、町としての応募を表明した。道内では神恵内(かもえない)村も同日、調査受け入れを表明している。調査受け入れは、2007年の高知県東洋町(応募後に撤回)以来。2017年に国が建設適地を示した「科学的特性マップ」の公表後初となり、停滞していた選定プロセスは大きく動き出す。