自分は酔ってないと言う人はたいてい酔っている
あぁ、今日も食った飲んだ。今日は忙しかった。午前中の会議が12時半を回っても終わらず、午後も1時から別の会議。昼食に費やすことのできる時間は10分ほど。やむなく社食へ。が、しかし、である。いつもならこういうシチュエーションではそばでお茶を濁すところだが、昨日の成富のそばの余韻が残っていて、社食のそばを思い浮かべただけで胸焼けがしてきた。とても食べる気にならない。定食コーナーのメニューを見たが、これまた胸焼けのするもの。ラーメンコーナーもやや躊躇するものだったが、これが一番マシなようだ。いかんなぁ。人間、口が奢ってくるとあまり良いことにはならない。とはいえ、不味いものを食べたら1日憂鬱だ。困ったものである。1日バタバタと出たり入ったりしながら、夜になってようやく落ち着いて自分の机に座ることができた。すると、お腹がすいてきた。でも我慢。家に帰れば食事が待っている。私は、飲みにいく場合を除いて、残業で遅くなってもたいていは家に帰って食事をする。最近はそんなに遅くなることもないが、かつては12時過ぎに帰宅してそれから食べていたこともあった。そんなにしてまで妻の料理が食べたいというのではない。まだ独身の頃の話だ。その頃の職場は毎晩早くても10時半頃までは全員が残業しているような忙しい職場だった。だから夕方になると皆で食事に出かけた。食事といっても休憩も入れて30分程度で、すぐにまた仕事に戻ったものである。ある日、新しい上役がやってきた。夕方になって、その上役が「メシ食いに行こうよ」というので、皆で付き合った。「ビール1杯ぐらい大丈夫だろ?」とその上役。当時のメンバーは酒好きが揃っていたので、すぐにビールが注文された。1杯飲み終わると、「もう1杯飲もうか?」そして、2杯が3杯。気付いたらお調子が何本も並んでいた。異動してきたばかりだし歓迎会みたいなものだとそのときは思ったのだが…それから毎日この調子である。皆、暇を持て余して会社に残っているわけではない。片付けなければならない仕事があるから残業しているのだ。それなのに毎晩6時から8時まで2時間、しかも「ちょっと1杯」ではない量を飲んだのじゃ、まったく仕事になりゃしない。そんなわけで、1週間もすると誰も付き合わなくなった。皆、夕食に誘われても「帰って食べます」と答える。それでもその上役、悪びれもせずに毎晩他の職場の誰かを誘っては2時間飲んで職場に戻ってくる。それどころか、「俺は酒を飲んでもまったく仕事に影響しないんだ」なんてうそぶく始末だ。真っ赤な顔に虚ろな目をしてをして、フゥフゥと酒臭い息を吐きながら。まぁ飲んでなくても能無しの役立たずだったから、酒を飲んでも仕事に影響がないというのは事実だったけど。というような若い頃の経験を通して、遅くまで残業するときでも途中で夕食をとらない習慣がついたのだ、という話(ずいぶんと長ったらしい話になってしまった)。帰宅して家のドアを開けると、ニラの匂いが充満していた。餃子だ。昨晩、妻に餃子が食べたいと言ったのだった。妻の作る餃子は美味しい。満腹、満腹