三が日〆の食事に鴨鍋をつつき明日の英気養う
年末年始の休みも今日で終わる。年末に2日も休みを取ったというのにあっという間だった。それにしても、最近年末年始に休みを取る人間が少ないような気がする。私が年末に休みを取ると言ったときも、何人もから「へぇー、余裕ですね。うらやましい」と皮肉と羨望が入り混じった反応が返ってきた。休むことに対してネガティブな印象が強いのだろうか?実際、そういう男がいた。前の会社が合併した先の人で、私より少し若いぐらいの年齢だったと思う。部署は違ったが同じフロアにいて、仕事の関わりが深いので頻繁に顔を合わせていた。純朴で生真面目だしシュアな仕事をするのだが、彼の上司の彼に対する評価は低かった。「いつもおどおどしていて上司の顔色ばかりうかがっているから、イライラするんだ」と上司は言っていた。そして、上司は続けた。「知ってますか?彼、ここ何年も有給休暇を取ったことがないんです。さすがにまずいから、暇な時期にまとめて休みを取れって言うんですけど、そうすると彼はすごく落ち込むんですよ。休めって言われるのが、お前は要らないって言われているように聞こえるらしい。お陰で上司の私が組合どころか人事からも睨まれてます」同じ不休で働くにしても、高度成長期のモーレツ社員やバブル期の24時間戦う企業戦士たちとはまるでメンタリティが異なる。そして、こういう社員に限って、言われたことはしっかりやるけど、付加価値がない。なんでこんなことを書き始めたのだろうと思って、今日の出来事を振り返ってみて気付いた。ある店で買い物をしたときのことだ。支払金額は8,975円だった。「本日のポイントは8ポイントになります」この店では支払額1千円につき1ポイントを付けてくれる。8,975円だから8ポイントというのはそのとおりである。25円ぐらいまけて、もう1ポイント付けてくれと言うつもりはない。しかし、前に同じようなシチュエーションのときに、別な店員は「あと数10円でもう1ポイント付きますが、いかがなさいますか?そちらの棚にある商品が当店で一番安いもので100円ですので、そちらをお買い上げいただければ、1ポイント追加になります。いかがでしょう?」と言ってくれた。たかが1ポイント、されど1ポイント。そういう風に言われれば、そんなに1ポイントが欲しいわけでなくても、「この店員は気がきくなぁ。それじゃあ、せっかくだから買っていくか」と思ってしまう。店に対する印象も良くなるし、わずかでも売り上げも増える。今日の店員と以前来店したときの店員のどちらのタイプを部下に持ちたいかと問われれば、答えは自明である。前者は成長を期待できないからだ。なぜ期待できないのか?それは自分の仕事に付加価値を加えようという考えがなく、マニュアル通りの作業をするだけの存在だからである。会社を見渡すと、有名大学の出身者でも作業員でしかない連中が大勢いる。作業員としては高い評価を得られても、それだけじゃなぁ。「それはあなたたちが後輩や部下を指導していないからだ」という批判もあるが、私だって手取り足取り仕事を教えられた覚えはない。「上司や先輩の仕事を見て覚えろ」若い頃に言われたのは、それだけだ。私が作成した資料の案は、上司によって跡形もなく改変されて正式な資料となった。そういうことが続けば、自分の案と上司の資料の何が違うか考えざるを得ない。そうして仕事を覚えていったものだ。ああしろこうしろと上司に言われてそのとおりにやっていただけなら、よくてせいぜい上司のコピーにしかなれない。いつかこの上司の鼻を明かしてやろう、どうすればそれができるだろう?振り返ってみれば、そういう気持ちが自分を成長させてくれたように思う。「管理職になっておかしくない年齢で、こんな仕事もできないのじゃ全く話にならない」と、かつて部下を叱ったことがある。そしたら、その部下は、「私は今までこういう仕事をやらせてもらったことはないんです。あなただってこの仕事の仕方を教えてくれませんでした。だからできなくて当たり前です」と開き直った。当然、この部下を左遷した。甘ったれるな!(怒)仕事始めを明日に控えて、なんだかネガティブだな。ウツだろうか?満腹?