オリオンを 見上げてひとつ 深呼吸
あぁ、今日も…
今夜は居合の一門合同忘年会である。
我が家からは遥か遠い東京の下町の古い割烹が会場だ。
最初は同じ会の人たちと当たり障りのないバカ話ばかりしていたが、段々と席が入り乱れて、他の会の指導者の方と話すうちに…
名前こそ覚えてくれてはいないようだが、しっかり見てるんだよなぁ。
「あなたの振りの欠点は…」「こういう稽古をするといい」
目からウロコである。
ありがたや。
とはいえ、頭で理解したとおりに体が動かないから難しい。
はたまた、同じ会の方から、実は会をやめようと思っていると悩みを聞かされたり。
趣味の集まりでは、(高貴な趣味や高い教養が必要なものでなければ)育ってきた文化や生活環境も価値観も年齢も生活水準も千差万別ゆえに、案外なんでもない一言が相手を傷つけることもある。
他人が聞けば笑って済む話が、「悔しくて、眠れなくて、ウツ寸前」まで追い詰めたりもする。
決して悪い人たちではないし、悪意もない。ただ、価値尺度やプロトコルが違うだけだ。
しかし、それを説明しても仕方ない。
「気楽に気長に楽しくやりましょうよ。私は稽古で会えるのを楽しみにしてますから、大変でしょうけど来れるときは来てください」
私に言えるのはそれだけ。
会社勤めをしていると、収入水準は皆わかっているし、学歴も似たり寄ったり。
住環境も社宅暮らしが多く大差ない。
そういう世界に長年いると、世の中が均質であるかのような錯覚に陥ってしまう。
それだけに居合の仲間と付き合うのは新鮮だ。
当たり前のことが、すごく勉強になる。
とはいえ、会社勤めも格差がないわけじゃない。
大卒と高卒、大卒の中でも出身大学格差、総合職・一般職・派遣社員。
さらには、合併したりすると激しい民族紛争が勃発する。
時には民族浄化などという言葉も飛び交う。
実際、様々な場面を見聞きしてきたが、多くを語らないのが賢明だろう。
料理はフツーの宴会料理。
流行りの一人鍋がなく、固形燃料の鼻をつく匂いを嗅がずに済んだのはよかった。
今日の会は楽しく得るものも多かったけど、少し疲れた。
疲れたのは、帰りが遠い道のりゆえかもしれない。
酒を飲んで、それから1時間以上も電車に揺られるのは、さすがにしんどい。
満腹、満腹