かわいい電車
これはJR御茶ノ水駅のホーム上にある、乗車位置を知らせるものです。中央線がやってくるホームにはこちらのオレンジの電車が並び、総武線の方にはこちらの黄色い電車が並んでいるですが、子供が描いたような、ちょっとおとぼけ顔のこれらの電車のかわいいこと。もっとも本物の電車の方はすっかりステンレス製の味気ない車両になってしまったけれど。うぐいす色一色の山手線や、真っ青な京浜東北線、そしてみかん色と濃い緑に塗り分けられた通称「みかん電車」の東海道線など、車両全体に塗装が施されたゴトゴトと重い音のする一昔前の電車はなかなか味わいのあるものでした。まぁ、実際に重いので現在のステンレス製の車両が普及したのでしょうが、私にはどうも味気なくて。寝台特急でも私は、斬新なステンレス車両のカシオペア号(上野-札幌)よりも、同じくゴトゴトと重い音を立てる昔ながらの深いブルーに乗られた文字通りブルートレインの方に魅力を感じてしまいます。思わず頬ずりしたくなるほど。おっと、青ではないけれど深い緑色に塗られたトワイライトエクスプレス(大阪-札幌)ももちろん大好き。ステンレス製の通勤電車が軽やかに行き交う駅で、これらの見るからに重たい車両を見ると、どこか取り残されたような、そこだけ時間がゆっくりと流れているようで私はいたく旅情をかき立てられてしまうのです。これらの列車が味気ないステンレス車両になってしまわないことを心から祈っておりますが、寝台車はすっかり人気がなくなってしまい毎年廃止になる列車が増えている最近のこと。車両が新しくなるそれより前に、列車が廃止になってしまわないことを祈らなければいけないようです。***列車の連結部分です。私はですね、子供の頃これが怖くて怖くて連結部分を渡ることができなかったのでした。走行中、もにょもにょと動くこれに食われてしまうんじゃないかという恐怖感があったのでしょう。下の板だって私に噛み付かんばかりに動いていたような気がしたし。できることなら車両を移動したくなかったし、移動せざるを得なかった際には決死の覚悟で飛び越えたものです。何でこんなものが怖かったのか。コドモは訳がわかりません。