謎の伝染病チクングンヤ
鳥インフルエンザ対策に追われるフランス政府ですが、もう一つの感染症も大きな問題になっています。 問題となっているのはヤブ蚊が媒介するチクングンヤという感染症。場所はインド洋に浮かぶレウニオン島で、すでに157,000人が感染、77人が死亡したとのこと。ド・ヴィルパン首相も昨日慌しくレユニオンを訪問し「感染の拡大はすでに食い止められている」と対策の遅れに対する批判を取り消そうと必死でした。 レユニオンは行政的にはフランス領海外県(Department d'outre-mer; DOM)の一つとされています。人口は約710,000人。ですから島民の4分の1弱が感染した計算になります。 専門家に聞くと、アジアでも流行しているデング熱に似た症状の感染症のようですが、島民の4分の1が感染するまで放置されていたとはにわかに信じがたい事態です。一人当たりGDPで見ると約1万ドルですから、近隣のマダガスカルやコモロ諸島と比べると30倍も豊かな島です。そんな島でなぜこのようなことが起きてしまったのでしょうか? レユニオンの産業と言えば観光。毎年40万人もの観光客が訪れるようですが、当然、客足は遠のき、経済に大打撃を与えることになってしまいます。 政府は軍隊を投入して、やぶ蚊撲滅対策(おそらく農薬散布)を行っているようですが、やぶ蚊はちょっとした水溜りがあればすぐに繁殖するので、撲滅は容易なことではありません。いずれにしろ初期対策の遅れが被害を拡大させてしまったことは間違いないようです。 朝日新聞にも記事が出ていましたので、こちらもご覧ください。 http://www.asahi.com/international/update/0226/009.html