聖霊の続唱
《352 聖霊の続唱》【解説】 聖霊の続唱の基本構造は、A 先唱~1の終わり B 2+3=繰り返し=4+5 A 6 B 7+8=繰り返し=9+10の前半A’ 10の後半 です。 復活の続唱が、教会旋法(第7旋法)で書かれていたのと同様に、この聖霊の続唱も教会旋法の第2旋法に近い書式で書かれています。Bの部分では、ことばを生かすために、八分音符が効果的に用いられています。また、拍子もかなり変わりますが、これも、ことばを生かす手法で、204 栄光の賛歌 同様に、歌っていて全く違和感がありません。また、Bの部分は、作曲者も『典礼聖歌を作曲して』の132ページで「”Veni Sancte Spiritus"の旋律的特徴を遠く思い起こして作曲されています」と書いていますが、その冒頭の部分や中間の高音部も思い起こさせるものです。 この続唱も、聖霊降臨の祭日だけではなく、堅信式・叙階式・請願式等のミサでも聖霊祈願の賛歌として歌うことができます。復活の続唱と同じように、四旬節に歌う場合は「アーメン。アレルヤ。」を「アーメン。アーメン。」と歌うようにしてください。【祈りの注意】 冒頭の先唱者の先唱句は目には見えませんが、わたくしたちにいつも働きかけてくださる、聖霊に向かって力強く呼びかけましょう。その後、一同は、復活の続唱と同様に間髪を入れずに続けて祈ってゆきます。 冒頭も、その後も、四分音符=66~69くらいと比較的ゆっくりです。作曲者も書いているように(『典礼聖歌を作曲して』132ページ)「聖霊のさまざまな働きを、この歌の流れにのって、一つひとつ味わい、心に確かめ」かみしめながら歌ってゆきましょう。そして、その、一つひとつの働きを、いつも大切にしてゆけるようにとも願いましょう。 2=「貧しい人の*父」「心のー*光」「さわやかな*いこい」など「*」で表した八分音符のところは、ことばを生かすための八分音符です。この八分音符の部分では、決して祈りの流れ=音楽の流れを止めないようにしてください。このような、というよりも、休符というのは「音がない」のではなく「ない音が存在する」部分なのです。英語で言えば no body no man という表現と同じと考えてください。日本語では「誰も~ない」と訳しますが、厳密に直訳すれば「ない人が」となるでしょう。この、八分休符のところは祈りも音楽も音符の部分よりも、さらに緊張感を持って継続し、流れて行く部分であることを、しっかりとこころにとめておいてください。 復活の続唱と同じように、歌詞も音楽も長いですから、歌詞=祈りのことばをしっかりと覚えること、歌いなれて祈りなれることが肝心です。聖霊の働きを願って、こころに染み渡らせることができるまで何度でも歌い、口ずさむことができるようにしたいものです。そして、全体の祈りが身についてくると、自然と rit. をどこでするとことばと祈りが深まるかがわかるようになるでしょう。【オルガン】 基本的には復活の続唱と同じで、最初の先唱の部分は補助鍵盤だけで弾き、一同で歌うところは主鍵盤+ペダルで弾けるとよいかもしれません。ストップは、基本的にフルート系だけでよいと思います。人数が多い場合には弱い、プリンチパル系を加えてもよいかもしれませんが、あまり、派手なストップは避けたほうが祈りを深められると思います。バスとソプラノがかなり離れていますので、ペダルを使うとかなり楽に弾けると思います。