天上の音楽 モーツァルト
モーツァルトの音楽を「天上の音楽」と形容することがありますよね。モーツァルト = Mozart 分解すると → Mo + zartこのzart はドイツ語で、柔らかい、感じやすい、繊細な、きゃしゃな・・・という意味を表すときに使う単語なんですね。音や色についてこの単語を使うときは、優しい、淡い、ほのかな・・・そんな意味合いも加わるようです。彼の音楽から受けるイメージとマッチしていると思われませんか?私にとってモーツァルトの音楽は、いつも寄りそっていてほしい・・・まさに「天上の音楽」です。そして子供のころの私は「誰の曲が好き?」と聞かれると「モーツァルト!」といつも即答していました。ある小学校のレクチャーコンサートで、僕は子供のころね・・・とこの話をしたことがあります。すると、「なんで子どものころモーツァルトが1番好きだったんですか?」と元気に、しかし思索的な面持ちで質問してくれたお子様がいました。私は「モーツァルトはね、大人になってもみんなと同じようなきれいで澄んだ心をずっと持っていた人なんだよ。僕もみんなと同じように素直に感動できる子供だったんだよ。だから。」 と答えました。無垢でけがれのないきれいな心、(時には難しいときもありますが)いつまでも持ち続けていたいですよね。さて、モーツァルトにあこがれる子供だった私を天はご覧になっていたのでしょうか?大人になった私は、モーツァルト生誕の地、ザルツブルグに留学し、その後やはり彼とゆかりのある街、プラハに住むことになりました。モーツァルトの音楽、「天上の音楽」に導かれたのかも知れない。そんな風にこれまでの人生を振り返ってみると感慨深いものがあります。PS,zartという単語をオーストリア人はいつ使うのか?ザルツブルグに住んでいたころは、いつも気にとめていました。お料理の味や布地の質感、話す声のトーン・・・私には上品に感じられること。そうしたことがzart の概念のようです。それから「zartなキスをしてもらった」とうっとりされていた方もおられました。ロマンチックな人ですね!