お好み焼きと演奏会
忙しい一日だった。午前中から料理教室で同じ班の奥様方が遊びにいらした。元々は、パン教室から一緒だったミジョンさんが、手作り石けんを作ってみたいというので、じゃ、金曜日にでも、と言ったところ、料理教室で「金曜日、奥さんちに行くんだ~。」と口走り、他のお二人が「いいな~、あたしも~。」「あたしも~。お好み焼き食べたい~。」と、芋づる式にもれなくついてくるということになり、しかも、お昼はお好み焼きということになってしまったので、前日に、かつお節やらソースやら買いに走ってから、デザートも無いとな・・・と、栗のロールケーキを焼いた。今朝になって、お昼にお好み焼きだけじゃ、寂しいかなと思い、太巻きも巻いてみた。なんでこんな気遣ってんの、あたし?だが、好評だったのはお好み焼きだった。ちっ。食後もロールケーキ食べながら、コーヒーを入れ、おしゃべりに花が咲いて一息つくのに、お茶を入れてると、奥様方が「奥さん、ちょっと落ち着いて座ってなさいよ~。」と言うのだけど、なんだかちょこまか動いてしまうわたし。ご存知の通り、わたしはものすごいズボラで、腰も重い。でも、お客様が来られると、やっぱりおもてなしはしたい。そして、はたと気づいた。わたしが韓国アジュンマんちに遊びに行っても、アジュンマはこんなにまめまめしく動いたりはしない。なぜか?なぜかというと、客のほうが勝手に冷蔵庫開けてごくごくお茶飲んだり、適当にくつろぎ、小腹が減れば、これまた適当に「○○さん~、なんか出前取ろうか~?」ってなことになるからだ。そう考えると、日本というのは、招くほうも招かれるほうも、ほぼ同じくらい気を遣い合うもののように思う。韓国は、わたしは気を遣いませんから、あなたも遣わないでね。みたいなスタンスかしらね?まあ、それは置いといて、今回もまたうわ~、違うよな~。と新たな発見があった。韓国にもチヂミとかピンデトックという、お好み焼きみたいなおやつはある。が、一番違うのはソースだ。お好み焼きソースとかつお節、青のり、紅しょうが。これが無いといかんだろう。ソースはウースターソースにケチャップ、醤油を混ぜておいた。これでも結構いける。韓国アジュンマたちがレシピを教えてくれ、と言うので、「小麦粉とキャベツと水と卵、 これに好きなお肉とか魚介類を入れればいいよ。」と言うと、一同蜂の子をつついたように騒ぎ出した。「奥、玉ねぎは?玉ねぎ入れないの?」「入れません。」「入れちゃだめなの?」「いや、ダメではないけれど・・・」「じゃ、入れるわ!」「あたしも入れるわ!入れたほうが絶対美味しいと思う!」「玉ねぎは入れないとね~!!!」「あ、にんじんとかピーマンとかは?」「うちの子、野菜食べないからいいかも~~~」・・・・・奥様方が作りたいのは本当にお好み焼きなのか?玉ねぎ入れた時点で、それはもうお好み焼きじゃないのだが??ここで、再度気づいた。そうだよ、確か、この人たち、料理教室でも先生のレシピや説明聞かずに勝手に醤油や塩足したり引いたりしてるよ・・・習う意味ないじゃないのよ。。。聞け!まずは、ちゃんと聞け!!結論:ウリナラの人は、6割がた習ったところであ~、わかった!わかった!と、なり、全て習い終わると同時に自分勝手にアレンジしてしまう。一度も元のレシピで作ることもなく。これじゃ、街中でまともな日本料理や洋食、中華を望むのは、それは無理という話だろうよ。。。と、妙に納得してしまった。さて、奥様方が帰られた後は子パンダと一緒に市民会館へ。音楽教室の定期演奏会に、知り合いのご夫婦が参加されるのだ。ギターの演奏会なんて学生の時以来だわ。幕があがって、まず小学校4年生の子が登場。あら、上手いわ~。天才少年ってやつ??4年生でも、もうこんなに弾けるもんなんだね~!え?次は中学生?さすが、違うわ~~~!!!高校生の子もいる!コーちゃんかと思ったよ!うわ!コーちゃん、上手すぎ!プロかと思ったよ!!!え?プロ?プロもいるの?あ、違う、大学生なの?いや~~~~素敵~~~~~~と、ソロ、カルテットまでは大絶賛の奥さん。と、と、ところが・・・最後の合奏になったとたん、天才少年やらプロもどきが20人集まってるのに、何のハーモニーも生まれていない、なんとも残念な演奏なのだ。ちなみに、韓国のこの手の塾や教室というのは、週に1、2回じゃなくて平日毎日通うものなので、多分合奏の練習もほぼ毎日あったと思う。ちょうど、日本でクラス対抗の合唱コンクールがあるので、朝や放課後練習しましょうね、ってくらいには練習したと思うのよ。でも、全然なんだよね。ソロではあんなに上手なのに。日本て反対じゃない?一人一人はたいしたことないけど、合わさると下手な人はそこそこ上手になるし上手な人も全体に合わせるから、調和が生まれて、そこになんとなく感動がある。韓国は一人一人のレベルは高いのに、大勢集まっても、自分が回りに合わせるということがない。ソロだろうが合奏だろうが、自分をどんだけ主張するかしか考えられないのだろうと思う。他人の音など聞いてないのかもしれない。聞け!聞くんだジョー!!!正直に言おう。日本の公民館で週1で習ってるおばあちゃんたちの、大正琴の発表会のほうが、お上手だよ。結論:20人の天才が好き勝手 < 20人の凡人のハーモニー