『真田丸』 第27回 感想(1)~恐かったけど勇気を振り絞って意見して、秀次さんが一回り大きくなりました
NHK大河ドラマ 『真田丸』 。第27回は、能を舞うという出来事を通じて人々の心が激しく揺らぎ、でもいったんは良い形で収まった前半でした。茶々(竹内結子さん)に再び男子が生まれ、大坂城では真田源次郎信繁(堺雅人さん)は豊臣秀吉(小日向文世さん)から「孫七郎は可愛い甥っ子だから頼む」と言われ、関白の秀次(新納慎也さん)に付くことになりました。でも秀次のほうは、叔父上が自分をどう思っているかが気になって落ち着きません。そこで秀次は、秀吉と話をするために大坂城に入りました。赤子の「拾」を囲んで茶々と秀吉と寧(鈴木京香さん)が談笑しています。秀吉は以前にも増して親馬鹿になってて、その姿に秀次は、ますます不安を覚えるのでした。さて、寧さま付きの侍女となったきり(長澤まさみさん)は、自分が秀次の側室になることを源次郎がどう思うか聞きたくて、二人で話す機会を待っていました。その源次郎は迷うことなく「めでたい、おめでとう」と。きりちゃんの頭の中では「自分は源次郎さまの初恋の女子。(←実際は違う)絶対に私を引き留めてくれるわ!」ってあったのでしょう。源次郎の前から去るときに、自分を追いかけてくれることを期待して「振り返りチラッ、×3」でした。(でも源次郎はまったく動かず)そして場面は京の真田屋敷に。父・真田昌幸(草刈正雄さん)に会いに、叔父の真田信尹(栗原英雄さん)が来ていました。信尹は徳川家に仕えていたけど、徳川を離れて諸国を廻り、見聞を広めるとのことでした。「世の中、もう一度乱れるぞ。それもそう遠くないうちにな。」と兄・昌幸が言うと、弟・信尹は「わしが要り様となったら、また声をかけてください。」と。兄弟はそう語らいながら酒を酌み交わしていました。一方、京の聚楽第には、きりが使いで来ていました。秀次が湯治で不在のため、娘のたか(岸井ゆきのさん)が応対しました。たかは父・秀次のことを「父は弱いお人なのです。自分がどう思っているかより、人にどう思われているか、大事なお人。悪い人ではないのですが、波があります。」と案じていました。この人を見ぬく力のある姫が、やがて源次郎の側室になるということは、まもなくやってくる一族の悲劇から逃げのびたということなのですね。この後、秀次の姫を拾に嫁がせると秀吉が一方的に決めてしまい、秀次は強く腹立ちしながらも困惑します。そこで弟の秀俊(浅利陽介さん)が秀次に、太閤殿下は能が好きだから能を習ったらどうかと勧めます。能の名人である宇喜多秀家(高橋和也さん)に指南を受け、秀次兄弟たちは能の稽古に励みます。でも秀俊が小早川家に養子に出されると不安がり、秀次は「厄介払いが始まった」と考えてしまい、3人とも稽古に身が入らなくなりました。そんな気弱三兄弟に、熱血漢の宇喜多秀家が「それがしは殿下のために生き、殿下のために死に、殿下のために舞うのみ! 稽古は続けるのか、続けないのか!」と喝を入れ、稽古は再開しました。そして迎えた春の宴…なのですが、秀保(三津谷亮さん)が本番直前に病に倒れ、源次郎が急遽代役で出ることに。でも「万一のときは代役」なんて心づもりがなかったので、源次郎は本番で歌詞を忘れてトチりまくりでした。寧さまは微笑ましく観ていてくれたけど、秀吉は超不機嫌に。舞の後で自分の前に並んだ秀次らに、秀吉はお褒めの言葉どころか激怒で、皆をおもいっきり叱りました。源次郎には「下手くそ!」って。(小日向さんの顔に笑えた)すっかり気落ちした秀次を、寧が「うちの人はね、あんたにしっかりしてほしいんだにぃ。」と慰めてくれました。そして夜の宴になり、豊臣の一族が会しました。秀吉は源次郎を呼び、従五位下の官位を授けると言います。しかし源次郎は「自分には父・安房守の命をひたすら守り、これまで真田のために尽くしてきた一つ違いの兄がいる、兄を差し置いて位を頂けない。」と辞退を申し出ます。でも酔っぱらった秀吉は源次郎の言葉を悪く解釈し、自分だけでなく兄にも位をくれということか、あさましい、と源次郎をなじります。場に重い空気が流れたそのとき、「お待ちください!」と秀次が意見を述べました。「太閤殿下は、何か思い違いをされているようでございます。 官位を与えるのは、関白のつとめ。 誰に、いつ、いかなる位を授けるか。 これ全て関白がいたすべきこと。 源次郎に官位を与えるかどうかは、私が決めることです。 源次郎。そなたには従五位下の位を授ける。」そして秀次は源次郎の、「兄は全てにおいて私を上回っております。」という言葉を受け、「よく調べ、支障がなければ兄にも従五位下を授けよう。」と言ってくれました。秀次が勇気を振り絞って秀吉に訴え、これでよいかと尋ねたとき、秀次に厳しい表情を向けていた秀吉が笑って「よくぞ申した。それでこそ関白じゃ!」と、ようやく関白の仕事ぶりを褒めてくれました。拾が生まれて以来、秀吉が恐くてしかたがなかった秀次はやっと安堵し、また秀次を励まし助言して事の成り行きを見守っていた寧の目にも、喜びの涙がにじんでいました。(長くなったので、ここでいったん分けます)大坂城や聚楽第のセットは、華やかで綺麗ですね。(画像は、名古屋城本丸御殿の襖です)秀次さんは、戦はニガテみたいだけど(小牧・長久手の戦いでの失態)近江八幡の城下などでは善き統治者だったようです。