しなの鉄道 上田駅の待合室が素敵です
昨年の6月はじめに長野県の上田を旅して、その帰路でしなの鉄道に乗るために上田駅に入りました。電車の時間までまだだいぶあったので待合室に入ったところ、左手の壁一面に美しい壁画を見ました。こちらです。壁の左右がミラーになっているので、さらに奥行きが広がった感じになります。これは影絵作家の藤城清治氏の作品です。この影絵は、上田城、上田合戦の様子、信濃国分寺、安楽寺の八角三重塔、北向観音、四季の花、鳥、祭りなどが題材になっています。上の画像の反対側を見たところです。PCの画像処理で中間トーンを下げてみたら、雰囲気が変わりました。壁画の中央部です。こちらは画像処理で中間トーンを上げてみました。上田の名所や名物がこんなにも美しく表現されています。ずっと見ていても飽きない世界です。藤城氏の作品には他にも、東日本大震災後の被災地を描いたものがあります。私はネットで作品の画像を見ましたが、そこには芸術の美しさの中にも、誰もがけっして忘れてはいけないあの時の出来事がありました。さて、栃木県の那須町役場湯本支所近くには藤城清治美術館があり、他所と同様に入場料ではシニア割引があるのですが、その年齢設定がちょっとびっくりです。一般(高校生以上) ¥1,600 に対してシニア割引が適応されるのがナント、94歳以上 で¥1,200 。これは藤城氏の年齢にあわせて設定されているためで、「藤城氏と同年代以下の人は社会においてすべて現役」という心意気だと私は解釈いたしました。それにしてもスゴイと思うけど。六文銭の穴から漏れ出づる光の表現。こうした感性をいくつになっても、ずっと持ち合わせていたいものです。