『おんな城主 直虎』第27回~個人的に面白かった場面の切り取りです
NHK大河ドラマ 『おんな城主 直虎』 。第27回の部分的な感想です。物語に面白味がなくても演ずる役者さんたちの演技力で、それなりに見どころができると実感しました。またドラマの中で印象深いセリフもありました。船の上で井伊直虎(柴咲コウさん)が龍雲丸(柳楽優弥さん)と語り合った中であったこれです。「心の奥深いところでは、ずっと、奪われてきたものを 取り戻したいと、望んでおったのではないか?」私自身にも覚えのある感情です。ただ自分や周りの、いろいろな人の人生を見てきた中で思ったことは、自分が意識的であろうが、気がつかずについやってしまったことであろうが、ちゃんと因果は巡ってくるのだよなあ、と。その因果は、どこかで自分に巡ってくるかもしれないし、自分の大事な存在に巡ってくるかもしれないのです。それが良いことでも悪いことでも。そしてふと、このドラマの中では、ふつうの女性として生きることを許されなかった直虎は、心の奥深いところではふつうの女性として生きたい思いもあって、これは自分に向けての言葉でもあるのかなと。関口氏経を演じる矢島健一さん。この方は他のドラマでもたぶん固い表情を変えることが少ないと思うのですが、今回はいつもの厳しい顔、ご機嫌に笑った顔、氏真の不機嫌を恐れる顔など、いろいろな表情を見せてくれました。中村与太夫を演ずる本田博太郎さん。今回も突然、思いもよらぬ動きをしてくれるので、つい画面に見入ってしまいました。龍雲丸の少年時代を演ずる能浦航汰(のうらこうた)くん。でも私はこの少年よりも、彼がいる巨石の場所が気になりました。テロップで紹介される撮影協力の場所に「巨石」で調べたら、もしかしたら茨城県笠間市にある笠間城址かな?と。楽しそうな今川家・・・じゃなくて氏真くん、ついにヤケクソ。でもこの今川氏真を演ずる尾上松也さんにしろ、『のぼうの城』での野村萬斎さんにしろ、歌舞伎や狂言で舞台に出ている方の楽しそうな踊りには本当に魅せられてしまいます 。人前では決して態度に出さないけど、愛する とわ(井伊直虎:柴咲コウさん)が頑張って輝いているのが何より嬉しい小野政次(高橋一生さん)は、亡き直親に密かに報告をします。そして、そんな政次をただ黙って見守る南渓和尚(小林 薫さん)です。龍雲丸が直虎に城のプランについて説明する場面では、木で作った城や船の模型だけでなく、木の小さな馬や削って形にした陸地まで。小道具さん、頑張りましたね。そしてCGで「こんな感じ」というのを出してもらえると、TVを観ていてもイメージがつかめて助かります。湖の上に建つ堀川城を模したセットで、このドラマの中では大掛かりなセットだと思います。ただスタジオの照明がいくつも水に映り込んでしまうのが唯一残念ですが。(太陽光だったらこんな光の入り方はしないので)