新堂冬樹 『君が悪い』
君が悪い評価:★★★☆☆ サスペンス長編。--- 梗概 -------------「僕は悪くない...」中学教諭の竹林は、死体を前に呟いた。スナックのホステス桃華を取り合って、他の客ともめたのがすべての始まりだった。自宅に押しかけてきたその男を、はずみで殺してしまったのだ。さらに、発覚を防ぐため、超身勝手な論理で次々と殺人を重ねてゆく彼にふりかかる運命とは!?狂気と黒い笑いに満ちた、戦慄のノンストップ・サスペンス。(「BOOK」データベースより)-----------------------報告忘れてました。ビジネス実務法務検定2級受かりましたよーーー(*´∀`*)さて、次は法学検定あたりを頑張りましょうか。 自分のことしか考えてないろくでなしのくせして、口では尤もらしいことばかりを並べ立てる腐りきった偽善者の集まりだ(P241より) ややもすると単なるグロいだけの刹那的小説ですが。意外と奥が深いと思うのは私だけでしょうか?社会的っていうか。すべてを自分以外のもの、親、友人、社会、環境・・・のせいにして自らを省みることがなくなった現代人を風刺した小説のような気がします。主人公は、自分がうまくいかないことがあるとそれは全て他人のせいにします。君が悪いから僕がこうなった。君がそう言うから僕はこう言わざるを得なくなったetc。こういう人ってめずらしくない。よくいますよね。職場でも、うまくいかないことがあると、上司が悪いとか同僚が悪い。自分を認めてくれないから嫌だとかなんとかかんとか。省みることを忘れた人間をぎゅっと凝縮したのがこの小説の主人公なのです。うまくいかないことがあったら普通はまず何がダメだったのか自省するのです。そして問題解決に向けて日々精進。これ常識ね。確かに、うまくいかないこと、評価されないことを他人や育った環境のせいにするとすごく楽なんだけど、それでどうなるんだと私は思います。確かに、環境が悪いこともあるでしょう。認めてもらえないこともあるでしょう。でもそれをただ攻め立てたり、うまくいかない言い訳にしてるだけじゃ意味がないし、それを周囲のせいにして不平不満垂れ流してるだけで、現状を改善する努力一つしないようじゃあ、結局は自分が悪いだけなんだよなーーー。他のせいにしているうちは進歩も改善もなにもないのです。自分以外のもののせいにして楽になったり、何かを諦めたり、ただ不満を垂れるだけなのはいい加減やめませんか?そういう視点で読むとなかなか奥深く含蓄のある一冊です。君が悪い と言い続けるのは 気味が悪いなーーーんて言ってみたりして(笑)=== 84冊目 読了 ===