野沢尚 『リミット』
リミット評価:★★★★☆ ミステリー長編。--- 梗概 -------------連続幼児誘拐事件の謎を追う警視庁捜査一課・特殊犯捜査係勤務の有働公子。婦人警官でなく、一人の母親として事件の当事者となってしまった彼女は、わが子を取り戻すため、犯人のみならず警視庁4万人を敵にまわすことに...。驚愕の展開、そして誰も予想だにしなかった戦慄の結末。ミステリーの到達点。(「BOOK」データベースより)-----------------------屑だよ、人間なんて屑だよ、そう思うだろ、なあ思うだろ(P352より) この著者、7年も前に亡くなっていたんですね。今初めて知りました。さて、内容ですが。とてもおもしろいです。一見すると非現実っぽい設定ですが、意外と未解決事件の裏にはこういう真実があってもおかしくない。それだけに怖い。母は強し、なんてありふれた言葉で言うと安っぽいけれど、すごいなーーと思う。母性を逆手に取った犯罪計画にも脱帽。手に汗握る展開と、心臓を締め付けられるほどの緊迫感・臨場感。後半の犯人との攻防は、恐ろしすぎて読んでるだけで吐きそうになりました(;´∀`)思わずページから目をそむけながら頑張って読んだ。人間の狂気・犯罪・金、そして愛。色んな感情や思惑が重なりあって絡み合ってできた一冊。おもしろいです。=== 99冊目 読了 ===