緑と清流

[詩・歌・小説] カテゴリの記事

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  俳諧

  　　「俳諧」とは、「俳諧の連歌」の略で、中世に栄えた連歌から派生したもので、中でも即興と機知をもとにした自由で庶民的なものが、貴族的和歌的な連歌から独立したもの。俳諧という言葉はこっけいを意味し、室町時代末期の俳諧は、その奔放なこっけいを生命にしていた。そうした流れを受けて近世俳諧の幕開けに位置し、以後の俳諧流行の地ならしをしたのが、松永貞徳で、古典的な教養も深かった貞徳は京都の住人で、温厚な人柄が人望を集め、新興文学の俳諧の指導者として、この様式の整備と確立に尽力した。貞徳に率いられた一門を、貞門といい、全国的な大勢力となった。最初の俳諧集は「犬子集」といい、貞徳は俳諧を分かり易く解説し、普及に努めた。　　　花よりも団子がありて帰雁　貞徳談林は、貞門が飽きられ始めた頃、新しい勢力として興った、西山宗因を中心とした談林派である。貞門が連歌によって俳諧を文学として認知させようとしたのに対し、談林は権威から徹底して自由であろうとした。奔放奇抜さが好まれ、門下の西鶴や菅野谷高政などが活躍した。西鶴は、限られた時間内に俳句をよりたくさん作るのを競う矢数俳諧を得意とし、俳諧の遊戯化を促進した。松尾芭蕉　　　古池や　かわず飛び込む水の音伊賀上野に生まれた芭蕉は、藩主の一族藤堂義忠に仕え、主君共々北村季吟の門人とし貞門の俳諧を学んだ。主君の没後、故郷を捨て江戸へやってきた。江戸では談林俳諧の影響を強く受け、日本橋で俳諧宗匠として暮し始めたが、喧騒を嫌って深川に庵を構え、風雅に沈潜した日々を送った。弟子が芭蕉の木を庭に植えると、その木がすくすく育ったので、芭蕉庵と名付け、自らも芭蕉を名乗るようになった。芭蕉の俳風は蕉風と呼ばれ、寂び、しおり、ほそみなどの言葉で説明されるように、閑寂、高雅な句境を実現しようとした。しかし、芭蕉の俳風は生涯一定していたのではなく、初期には談林調の遊戯的句や、「虚栗（みなしぐり」」にみられる顕著な漢詩文調の句を喜んだ時期もあり、晩年には「炭俵（すみだわら）」に見られる軽みの句を目指した。　　　　旅に病んで夢は枯野をかけめぐる　　

  2010.04.25

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  日本人の心３

  　　日本人は、十五夜も愛でるが、それ以上に十三夜や三日月を好み、はっきりした月よりも、朧月夜を好んだ。欧米人は、逆に冴え渡ったくっきりした満月を最も美しいと感じる。絵画にしても、日本画は色を塗りこめず、空間を生かすことによって、無言の意味を込めようとした。墨絵なども、黒の濃淡によって繊細な心を表現する。しかし欧米では、絵の具を厚く塗りこめて、自分の意識をはっきり表現する。どちらが良いかは各人の好みだが、どうしてこのように異いができたのか。それはそれぞれの心の原点に、宗教的な発想の異いがあるからではないか。欧米人は一神教であり、日本人の心の基幹には、多神教の仏教や神道があるからなのだ。一神教は一人の神が正しいと信じ、正しいものは一つであり、他を信じるものは間違っているから排除するという考えであり、反対に神や仏は一人ではないという意識には、正しいものは一つとは限らないという考えが生まれる。人には人の考えがあると考え、相手の立場に立とうとする。デパートなどでは「お客様の立場になって考えなさい」などと躾けられるので、自然とサービスが良くなるが、外国ではサービスなんかしてもらおうと思うのが間違いなのだ。だから、日本人は即答しない、相手を傷つけまいとするから即答できない、自分だけの判断に偏ろうとしない、普遍不覚、不即不離、優柔不断なのだ。

  2010.04.10

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  日本人の心 ２

  　　イエスかノーかのどちらかで返事をしないと、日本人は優柔不断だと決め付けられてしまう。しかし人間にはイエスかノーかの二つだけでは表現しれきない複雑な心の動きがある。単に自分の判断だけで返事が出来る場合は簡単でも、日本人の心には他人への思いやり、あるいは自然あっての人間という思いがある。それゆえ、簡単にイエスとかノーとか言えない場合があるのだ。そういう微妙さを欧米人は理解できないから、微妙な心の動きを気遣うことなく、相手が傷ついても関係なく、イエスかノーか、はっきり言えよと迫る。日本人はその中間で揺れ動く心を大切にしているのだ。欧米人が二つの選択肢で簡単に意思表示するのは、キリスト教の影響を受けた西洋論理学の、排中律という思考原理に支配されているからだ。この原理は、同一主語については、同一客語を肯定するか否定するか、どちらか一つでなければならない、その中間に立つことは許されない。中途半端は彼らにとっては正義ではないのだ。それは言語、文化、芸術、生活などあらゆる面に影響を及ぼしている。彼らは日本人が、「行間を読め」とか、「以心伝心」、「目は口ほどにものを言い」、「不立文字」、「心の最も深いところは、言葉や文字では表せない」、「察する」、「悟る」などと言うことを信じられない。欧米人は、明確な言葉によって言い表さなければならない。日本人の微妙さ、奥ゆかしさなどは不正確であるとされ、信用されないのだ。しかし最近の日本人は、日本人の心を失くした人間が増殖しているようにも思う。　　

  2010.04.09

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  日本人の心　１

  　　最近はメールが主流で、手紙など書く機会がなくなったが、少し前までは電話が主だった。電話は即答しなければならないので、うっかりすると無意識に相手を傷つける場合もある。若者たちの言葉は単純になり、繊細な言葉遣いや表現が出来ない人が多くなった。それに「思いやり」とか「気配り」などの言葉は死後になったらしい。恋人同士でも、しっとりと愛を深めるような言葉は取り交わしていないように見える。昔はラヴレターを書いた。電話で感情的になってけんかをしても、その手紙一通でそれ以前より愛が深まったりした。そういうことも今はなくなっってしまって、すぐに別れてしまう。交際を断る時にも、面と向かっては言えないようなことを、何度も書き直したりして、上手に言い繕った手紙を出せば、恨まれてストーカーされることなど無かった。そういうのが「日本人の心」だったような気がする。欧米人からは、日本人は曖昧だとか、優柔不断だとか、はっきり言わないから卑怯だなんて言われているが、ストレートに言えば相手が傷つくと考えて、言葉を選び、それとなく、さりげなく、時には嘘も方便で、相手を傷つけないような言い方をする、そうした繊細さを欧米人は理解できない、いや、最近の日本人もそうなってきたんではないか。人間関係ばかりか、自然に対する気持ちも変わってきた。日本人は自然に生えている木々の心を聞き分け、庭園を造る場合でも、昔の庭師は樹木の希望と自分の希望の中間の場で庭の形を決めた。自然物の心を汲み取り、自然と一体になったところに名園が生まれたのだ。欧米人は、自分の好みオンリーで、木の枝を丸や四角に切りそろえ、道は真っ直ぐに作る。だから日本人が作った庭園は均整が取れてないと言う。しかし、自然の心が全てになり、己の心が無になった時、小さな庭を無限の宇宙に変え、真の美を出現させる、それが「日本人の心」だった。グローバル化が進んだ今日、日本人のコミュニケーションの方法がすっかり変わり、庭園も欧米風が好まれるようになって、「日本人の心」は失われつつある。　　

  2010.04.08

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  お兄ちゃん

  　　僕が三歳の時、二十五歳で亡くなった青年がいた。　生前、時々訪ねて来て、その度に僕の大好きなお土産を沢山持ってきてくれ、頬づりして可愛がってくれた。　その青年を、僕はお兄ちゃんと呼んでいた。　お兄ちゃんが亡くなった後も、写真を見ては思い出していた。　小学校四年生ぐらいになってから、あのお兄ちゃんは、僕にとっての何だったのかと思って、写真を持って来て母に尋ねた。「このお兄ちゃんて、誰？」　訊き方が拙かったため、母は怒ったように、「あんなに可愛がってもらったのに、忘れちゃったの？」と言った。　そうじゃない、忘れたわけじゃない、自分とどういう関係なのかが知りたかったんだ。　しかし、それ以上は訊けなかった。　母が亡くなった後、あのお兄ちゃんと歳の近い姉たちが、二人でお兄ちゃんのことを話題にしていた。「ねえ、ねえ、お兄ちゃんて、僕とどんな関係なの？」「あら、知らなかったの？」「うん」「お母さんは、お父さんと再婚だったのよ」「！…　そうだったの？」「だから、あなたとはお父さんの異う兄弟なのよ」　そうだったのか、僕は二十五歳になって、やっと事実を知った。お兄ちゃんが亡くなったのと同じ歳だ。　そういえば、あのお兄ちゃんの写真と、今の僕、顔が似ている。今も大事に持っているお兄ちゃんが描いてくれた風景画、僕の画風と似ている。　母の最初の夫は病死してしまい、母はお兄ちゃんを連れて実家へ戻った。　その後、すぐに父と再婚したが、その時、お兄ちゃんを実家に置いてきたのだった。　早く教えてくれれば良かったのに、お兄ちゃんにとって、僕は歳の離れた弟だったんだ、可愛がってくれたはずだ。　一人息子だと思っていた僕は、これまでどんなに兄が居たら良いと思っていたことか。　姉たちは母の実家へ何度も遊びに行き、お祖母ちゃんからお小遣いをもらったとか、お兄ちゃんに映画を見に連れて行ってもらったとか、羨ましい話を聞かせてくれた。　僕が生まれた時には、もうお祖母ちゃんも、お祖父ちゃんもいなかった。　母の実家は裕福で、お兄ちゃんは後継者として大切に育てられていたというが、でも、お兄ちゃんは、お母さんを恋しく思ってたんだろうなあ…。　僕達と一緒に暮らしたかったんだろうなあ…。　今更ながら、お兄ちゃんを懐かしく、恋しく思った。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おわり

  2010.02.18

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  ＳＦ俺の力

  　　　俺の意思ではなく、俺の力が初めて使われたのは、市役所通りの坂道を愛犬を連れて散歩している時だった。　その通りは、車道は二車線あるのに、歩道は１、２メートルくらいで、そこに銀杏並木があるから、歩けるところは７０センチぐらいしかない、どうしてこんな車優先の道を作るんだろうと思っていると、上から自転車が、キーキーと凄まじいブレーキ音を響かせながら猛スピードで歩道を下って来た。　俺は危ないなと銀杏の陰に愛犬を避けさせ、身を寄せると同時に、その自転車目掛けて指パッチンをした。　すると、自転車はまるで何かにぶち当たったように、後ろへ仰け反って倒れ、乗っていた労働者風の中年男は起き上がれない状態だった。「大丈夫ですか？」と言って駆け寄り、携帯で救急車を呼んだ。　しかし、それが初めてだったので、まさか偶然だろうと思った。　次の日、歩道を片手で携帯のメールを打ちながら自転車をこいで来る高校生が居た。俺のすぐ前を、よちよち歩きの幼児が歩いていた。　俺は危ないなと思うと同時に、その自転車目掛けて指パッチンをした。　すると、自転車は車道側へひっくり返り、携帯電話は３メートルも吹き飛んで、ちょうど通りかかった車に轢かれた。高校生は無事らしかった。　二度目だったので、アレッと思ったが、まだまさか偶然だろうと思った。　三度目は商店街の人ごみを、並んで自転車に乗っておしゃべりしている女子高生だった。　確か今俺は、電動車椅子を追い越した、まだ後ろにいる筈だと思った。　歩行者はどこを安心して歩けば良いんだと思いながら、指パッチンをした。　二台の自転車はお互いにぶつかり合って、反対側に倒れた。「大丈夫かよ、歩道で自転車に乗ったらだめだよ、自転車は乗れば軽車両なんだから、乗りたければ車道で乗れよ、車道はガラガラだぜ、どうしても歩道が良ければ押して歩きな」　三度も続くと確信が持てるようになった。　次の日は、なんと警官だった。警官のくせにすまして歩道を悠々と白い自転車に乗って走っていた。　お前ら、それを注意して取り締まる立場じゃねえのかよと思うと同時に、指パッチンをした。　警官は不恰好な姿で歩道に放り出された。通行人はみんな笑った。俺だってもちろん笑ったさ。　もう間違いない、俺にはその力があるんだ、そう思うとニタリとせずにはいられなかった。　部屋に入るなり、一人でげらげらと大声で笑った。　明日から、歩道を我が物顔で走ってる自転車を毎日１０人づつ、つっ転がしてやろう。　それに駅前に放置してある自転車は、端からぶっ潰してやろう。おわり

  2010.02.17

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  SF　最後の日本人

  　　　　日本の政治を、多国籍軍が司るようになってから半世紀が過ぎた。海外には日系人が大勢いたが、日本語を話せる人間は皆無だった。　古館一郎の子孫が、週に一度の日本人向けの放送を始めた。「日本人の皆さん、悲しいお知らせです。東日本の加藤　誠さんが、今朝老衰のためお亡くなりになりました、これで日本人はちょうど100人になりました。東日本に31人、西日本に62人、沖縄に7人の合計100人です。そのうち32人は病床に伏しています。28人は快復の見込みのない老人です。　皇室の人々が死滅してから、30年が経ちました。子供を生める日本人の若い夫婦は、わずか二組です。10歳未満の子供は、日本中に5人しかいません。女の子は二人だけで、いずれも混血児です。　私は日本人が１００人を切るまでと、ただ一人がんばってこの日本人向け放送を続けてまいりましたが、今日で、この放送で、これでお終いです」　そこまで言うと、古館一郎の子孫は声を詰まらせてしまって、しゃべれなくなった。　多国籍軍が、日本人種存続のためにいろいろ考えているようには見えたが、とても真剣に考えているとは思えなかった。　こうなる前に、日本人自身が考えておけば良かったんだ。

  2010.02.14

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  ススキの原の少女

  「限界なんて言葉はない。限界と言うから限界ができるんだ（アントニオ猪木）」　限界は自分で作っている。ムスカリその朝は三日ぶりに爽やかに晴れていた。　私は小さなカメラをぶら下げて、いつもの散歩より遠くまで行った。　堤防の上へ登ると、河原は夏草が枯れ始めて、ススキの穂が風に揺れていた。　石段を降りながら、ススキの写真を何枚か撮った。　その時、まるで天から舞い降りて来たかのように、ふいにあの少女が現れた。「おばちゃん、水に触れる所、無い？」「そうねえ、この辺は去年護岸工事をしたから、水に触れるところは無いわよ」「なーんだ、川なのに水に触れないなんて、つーまんない！」　どういう子なんだろうと思った。「ねえ、一人で来たの？」「一人で来たのよ」「お家、近いの？」「うーん、分かんない」「分かんないって、お父さんやお母さんは？」「居ない」「じゃあ、誰と暮してるの？」「一人！」　なんか、大変な出来事に遭遇したような気がした。どうしよう。「おばちゃん、もっとあっちへ行けば、水に触れそうだよ」「あ、危ないから…」　少女はススキの間を走って行ってしまった。慌てて後を追ってみたが、私はススキの間へは入れなかった。　土手を登って下を見下ろしたが、誰も見えなかった。　ジョギング中のおじさんが来たので訊ねると、おじさんは「ああ、あんた、ススキの精を見たんだよ、僕も見たことがある」と言った。おわり

  2010.02.05

• 夏目漱石と幽体離脱

  夏目漱石と幽体離脱　漱石は1867年、東京の新宿区喜久井町に生まれ、東京帝国大学卒業後、英語教師となり、イギリスに留学し、帰国後は朝日新聞社に入社、「三四郎」や「それから」などを連載した。　彼の「思い出すこと」という随筆集に、「余は一度死んだ」という奇妙な体験談が書かれている。　1910年、４3歳だった漱石は、胃潰瘍の療養のために静岡県の修善寺温泉で湯治をしていた。　だが病状は悪化し、滞在先の菊屋旅館で吐血し、意識不明の重態に陥った。　その時、不可解な体験をしたのだった。　吐血から数日後、病状は安定していた。「床の下に水が廻って、自然と畳が浮き出すように、余の心は己の宿る身体と共に、蒲団から浮き上がった」　漱石は元々、生死の境で起きる現象や、死後の世界のことに興味を持っていて、その種の本を海外から取り寄せて読んでいた。「霊妙なる心力」、「死後の生」などを読み耽っていた彼にとって、幽体離脱は、体験したいと望んでいた不思議な現象であった。　漱石のこの体験を科学的、医学的に解明しようとした研究者は少なくない。　幽体離脱は、臨死体験時の人間が陥る恍惚状態の一つであるという説がある。　しかし、漱石の記述には、手がかりとなる記録はなく、科学的な根拠は記されていない。　私が胃潰瘍で入院していた時、担当の医師が夏目漱石も胃潰瘍だったと言っていたが、１００年前の大文豪漱石が、私と同じ病気で死去したことと、私と同じ心理学的ことに興味があったことは、なんとなく嬉しい。

  2009.05.29

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  ヨコハマメリー

  写真は「横浜」　　　年越し蕎麦を食べる習慣は、江戸時代に始まりました。年越し蕎麦には、細く、長く、家運や寿命が延びますようにという願いがこめられています。夜の12時まで、つまり年内に食べ終えないと縁起が悪いと言われています。　　　ヨコハマ・メリー　あの頃、日本橋や銀座のデパートに勤めていた人なら、誰でも見たことがある一人の奇妙な老婆がいた。　私も銀座のデパートに勤めていた時、柱の角で危うくぶつかりそうになって、ギクッとしたその人は、白いロングドレスに白い靴、いずれも薄汚れていた。　真っ白く塗った顔、歌舞伎の隈取のようなアイメーク、白い手袋に白い帽子の彼女が、ハマのメリーさんである。　そんな彼女に興味を持って、その身の上を調査した人が居た。　本名も年齢も明かさず、戦後の５０年間、横浜で娼婦としての生き方を貫いた一人の女。　若い頃は、絶世の美人娼婦として名を馳せた。　貴族のような立ち居振る舞い、いつか横浜の街の風景の一部分となったハマのメリーさん。　１９９５年冬、メリーさんが姿を消してしまった。　何一つ語らなかった彼女についての噂話が膨らみ、街のストーリーのヒロインになった。　メリーさんを見守り続けていた人たちが居た。　病に侵され、余命いくばくもないシャンソン歌手の永登元次郎さんもその一人だった。　消えてしまったメリーさんとの思い出を語るうち、もう一度メリーさんに会いたい、メリーさんの前で唄いたいと彼は思った。　ただ一度だけ、彼の店の紫色のピアノに凭れて、メリーさんが歌ったという。　今は亡き元次郎さんと、メリーさんとの間に、他人には分からない心の交流があったに違いない。　中村高寛さんは、メリーさんが消えた後、彼女の面影を追って様々な人にインタビューして回った。　そして、メリーさんを通して見えてきたものは、人間の営み、人間の感情、人生の機微だった。　一人の男をひたすら待ち続けていたというメリーさん、娼婦という偏見の中で、ひたすら美を愛し、芸術を愛していたというメリーさん。　私が柱の角でぶつかりそうになったあの老女に、そんな愛と哀しみがあったとは・・・、彼女の人生がそんなにキラキラ輝いていたとは・・・　メリーさんに声を掛けられた男性は、物凄く光栄に思ったそうだ。　あの頃は、老女とはいえ長身の背筋をぴんと伸ばし、凛とした眼差しで優雅に歩いていた。　　　今年のブログは今日で終了します。この一年、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。どうぞ、良いお年をお迎えくださいますように。

  2008.12.30

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  宮沢賢治

  写真の花は「キバナコスモス」　　　宮沢賢治　宮沢賢治は、１８９６年に岩手県の大きな質屋に生まれ、裕福で恵まれた環境に育った。　しかし彼は、その地位に負い目を感じていた。　農林学校を卒業したが、研究科に残って農業改革の指導に従事した。　大正１０年に農学校の教師になり、同じ頃、初めての詩集を発表した。　五年後には教師を辞めて、農業改良の活動を本格化し、羅須地人協会を設立した。　昭和初期の凶作の折、風雨の中を奔走し、過労で倒れ、肋膜炎を患い、以後病弱な身体になってしまった。　そんな中で、有名な「雨にも負けず」を書いた。それは生まれ変わったら、来世はこんな人になりたいという賢治の願望であり、遺言でもあった。　病床にあって、「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」を遺し、１９３３年の秋、３７歳で亡くなった。　　　雨にも負けず　　風にも負けず　　　雪にも夏の暑さにも負けぬ　　丈夫な身体を持ち　　　欲は無く　　決して怒らず　　　いつも静かに笑っている　　　一日に玄米四合と　　味噌と少しの野菜を食べ　　　あらゆることを　　自分を勘定に入れず　　　よく見聞きし解り　　そして忘れず　　　野原の松の林の蔭の　　小さな萱葺きの小屋に居て　　　東に病気の子あれば　　行って看病してやり　　　西に疲れた母あれば　　行ってその稲の束を負い　　　南に死にそうな人あれば　　行って怖がらなくても良いと言い　　　北に喧嘩や訴訟があれば　　つまらないから止めろと言い　　　日照りの時は涙を流し　　寒さの夏はおろおろ歩き　　　皆にデクノボウと呼ばれ　　　誉められもせず　　苦にもされず　　　そういう者に　　私はなりたい＊　デクノボウのでくは木偶、つまり木彫りの人形のことで、何も出来ない役立たずという意味。

  2008.09.30

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  レオナルド　２

  写真の花は「ポーチュラカ」　　　　　　ことわざ「弱みに付け込む風邪の神」　寝込んでなんかいられないという時に限って風邪をひくという意味。レオナルド　２　スフォルツァ家のモーロは、ミラノをフィレンツェにも優る芸術の都にしたいと願っていた。　その頃、ミラノ大聖堂が建設中で、芸術家達は中央の塔の設計を競っていた。　レオナルドも、その建築設計主任になりたかったが、希望は叶わず、祭壇画「岩窟の聖母」や「白貂を抱く貴婦人」などを描いていたが、絵画以外への関心が高まっていた。　ヴェロッキオの工房へ入った頃から、熱意を込めていたのが様々な機械の考案だった。　自然現象を観察、分析することで知識を得、芸術的感性を磨いたレオナルドにとって、芸術と科学は相通じるものであり、決して矛盾もなく、対立するものでもなかった。　ミラノで研究に没頭し、幾何学を学び、遠近法描写装置や、ヘリコプターを考案した。　また、３０体以上の人体解剖を行ったレオナルドは、科学的視野が多様で、それが芸術的感性と融合し、ルネサンス絵画の傑作「最後の晩餐」を描くことになった。　ヨーロッパは戦争に明け暮れ、ルドヴィーコはミラノに侵攻したフランス軍に捕らえられた。　ミラノを逃れたレオナルドは、各地を転々とし、権謀術数の権化といわれたチェザーレ・ボルジアにも仕えた。　64歳の時、フランソワ一世の招きに応じ、イタリアを去ってフランスのアンボワーズに向かった。携えていたのは三枚の絵、「モナリザ」と「洗礼者ヨハネ」、そして「聖アンナと聖母子」だった。　レオナルドは一生結婚もせず、恋人も持たなかった。全ての財産を養子であるフランチェスコ・メルツィに遺し、1519年5月2日、69歳の生涯を閉じた。墓所ははっきりしない。おわり

  2008.09.20

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  レオナルド

  写真は「ススキ」　　　　　　ことわざ「良いうちから養生」　常日頃からの用心が大切だという意味。健康な時から身体を気遣うのが一番賢い。レオナルド　イタリア中部のヴィンチ村で、公証人セル・アントニオ・ダ・ヴィンチの孫として、1452年4月15日の夜3時に、レオナルドは生まれた。　母親カテリーナは良家の娘とか、田舎娘とか伝えられているが、はっきりとは判らない。カテリーナはその後、別の男と結婚した。　父親のピエロは、裕福な家庭の娘アルビエラと結婚した、ピエロは25歳、アルビエラは16歳だった。　しかしレオナルドは、ダ・ヴィンチ家の長男としてこの世に迎えられ、育てられた。　レオナルドは、僅かな例外を除き、鏡に映さないと読めない左右逆の鏡文字しか書かなかった。ダ・ヴィンチ家の生活は豊かだったが、幼年期に正式な教育を受けずに放置されていたためと言われている。　12歳の時に、深い愛情を注いでくれた継母のアルビエラが死んだ。　レオナルドは彼女を深く慕っていたので、孤独な世界へ浸っていった。　祖父や父親譲りの明晰な頭脳を持っていながら、正しく字が書けないこの長男を、公証人にすることを諦め、絵画の天分を生かそうと、17歳になったレオナルドを、フィレンツェのヴェロッキオ工房へ送り込んだ。　瞬く間に師をも凌ぐ才能を発揮し、また工房でモデルを務めるほどの健康的な美貌にも恵まれていた。　24歳のとき、男色を告発された。有罪なら火あぶりの刑になる。実情は不明であるが、レオナルド自身はそれについて何も語らなかった。　1481年、工房の友人ボッティチェリが、教皇に招かれ、ヴァティカンの壁画制作を始めた。レオナルドは29歳で失意を味わった。　その翌年、ロレンツォ・デ・メディチの使者として、ミラノに赴いたことを契機に、その地に留まることを決めた。

  2008.09.13

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  源　高明

  写真は「パンパスグラス」　　　ことわざ「朝茶は七里帰っても飲め」　お茶は体に良いので、朝は必ずお茶を飲めと言う意味。源 高明（みなもとのたかあきら）　源 高明（914年～983）は、平安時代の公卿。『源氏物語』光源氏のモデルとされている。　醍醐天皇の第10皇子。母は源周子。法名は覚念。京都右京四条に壮麗な豪邸を建設し、「西宮左大臣」と呼ばれた。同母姉妹に勤子内親王、雅子内親王ほか。　　920年7歳で臣籍降下し、源の姓を賜る。929年、従四位上に叙せられる。939年、参議に昇進。中納言、大納言を経て、967年右大臣を拝し、左近衛大将を兼ねた。　一世源氏の尊貴な身分で、学問に優れ朝儀に通じ、また実力者藤原師輔、その娘の中宮安子の後援も得て朝廷で重んじられ、左大臣にまで進んだ。師輔・安子の死後、藤原氏に忌まれて安和の変で失脚し、政界から退いた。　高明は学問を好み、朝儀、有職故実に練達し、『西宮記』（さいきゅうき）を著した。朝廷の実力者でかつ高明と同じく故実に通じた藤原師輔の三女を妻とし、この妻が没すると五女の愛宮を娶って友好関係を結び、師輔は高明の後援者となっていた。また、妻の姉の安子は村上天皇の中宮であり、東宮（皇太子）憲平親王、為平親王、守平親王を産み、高明は安子に信任され中宮大夫を兼ねた。高明は自身の娘を為平親王の妃とした。　康保4年（968年）憲平親王（冷泉天皇）の即位に伴い左大臣に昇る。冷泉天皇は狂気の病があったため、早急に後嗣を立てる必要があり、同母弟であった為平親王は東宮の有力候補だった。だが、冷泉天皇の東宮には為平の弟の守平親王（円融天皇）が立てられ、高明は失望した。これは高明が将来外戚となることを藤原氏が恐れたためで、この時には既に師輔も安子も死去しており、高明は宮中で孤立していた。　969年、源満仲と藤原善時が橘繁延と源連の謀反を密告。右大臣藤原師尹は諸門を閉じて諸公卿と廷議を開き、密告文を関白藤原実頼に送り、検非違使を派遣して関係者を逮捕させた。その中には高明の従者の藤原千晴（藤原秀郷の子）も含まれていた。謀反の容疑は高明にも及び検非違使が邸を取り囲み、大宰権帥に左遷する詔を伝えた。これは事実上の流罪であり、高明は長男の忠賢ともども出家して京に留まることを願うが許されず、大宰府へ流された。これは、師輔の死後、高明と確執を深めていた藤原氏の策謀であったとされる（安和の変）。翌971年、許されて帰京するも、政界に復帰することは無く葛野に隠棲。　982年、69歳で没。　伴廉平という人相を善く見る者がいて、高明の顔を見たところ、これほどの貴相を見たことがなかった。しかし、その背中を見て、恐らくは左遷の禍を受けるだろうと予見したという。『今昔物語』には高明の左遷にまつわる説話がある。高明が桃園の邸宅に居たとき、寝殿の柱の節穴から毎夜、少児の手が出てしきりに差し招く怪異が起きた。柱に経典、仏画を掛けても怪異は止まず、征矢を刺して穴を塞ぐと怪異はようやく止んだが、やがて、左遷の禍が起きたという。　かつて高明が国司を兼ねていた備前国の住民が祠を建てて祭っており、その請いにより、1448年に従一位が追贈された。　長男の忠賢は安和の変で出家したが、俊賢と経房は後に政界で昇進して活躍した。また、娘の明子は藤原道長の妻となった。

  2008.09.10

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  でいご

  写真の花は「くちなし」　　　哲学の言葉「笑いとすすり泣きは、あくびと同様の、しかしいっそう控え目な、いっそう矛盾した解決法である（アラン）」　笑いと涙には治療効果がある。そしてあくびも同じだ。人間には自然に身に具えている方法があるのだ。　　　島唄　　宮沢和史でいごの花が咲き　風を呼び嵐がきたデイゴガ咲き乱れ　風を呼び嵐が来た繰り返す悲しみは　島渡る波のようウージ（さとうきび）の森で　あなたと出会いウージの下で　千代にさよなら島唄よ風に乗り　鳥とともに海を渡れ島唄よ風に乗り　届けておくれ私の涙でいごの花も散り　小波が揺れるだろうささやかな幸せは　うたかたの波の花ウージの森で唄った友よウージの下で　八千代の別れ島唄よ風に乗り　鳥とともに海を渡れ島唄よ風に乗り　届けておくれ私の涙海よ宇宙よ　神よ命よこのまま永久に　夕凪を島唄よ風に乗り　鳥とともに海を渡れ島唄よ風に乗り　届けておくれ私の涙島唄よ風に乗り　鳥とともに海を渡れ島唄よ風に乗り　届けておくれ私の愛を　詩の中でのでいごは戦争を思わせます。沖縄ではでいごがたくさん咲く年は、台風の当たり年になるという話もあります。　インドやマレー半島が原産のマメ科の落葉高木で、日本では沖縄が北限とされています。　昭和４２年に沖縄県の花として選ばれ、街路樹としてもよく見られますが、木の高さが１０ｍにもなるので、一般家庭での庭木などには向かないようです。　でいごは、沖縄では「やしきこーさー（屋敷壊し）」と言う別名があって、根の力がものすごく強いため、庭などに植えると基礎を壊してしまい、家を傾かせてしまうという話もあります。街路樹など見ても、根の部分のアスファルトが盛り上がってしまっていることがありますので、その力はかなりのものなのかもしれません。　でいごの花は、毎年必ず咲くとは限らず、また毎年花の量が違い、木によって満開のものもあれば、花一つ付けていないとうこともあります。

  2008.06.28

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  NASAの反論

  写真は「面白い花」　　　哲学の言葉「感情移入、あるいは共感は、相手の内面的骨格を正確に、しかもあたかもという条件を失うことなく、認識することである（ロジャース）」　相手の感情に巻き込まれることを共感するというが、共感には気をつけなければならないことがあり、それは｢あたかも｣という条件付でなければならない。「あたかも」を失ったら、共感ではなく、相手に同化されてしまうからだ。人に共感することは素晴しいが、「あたかも」を見失ったら、ただ調子を合わせるだけになってしまう。アポロ11号　２　NASAの反論　アポロ月面着陸が捏造だったという説に対して、NASAはこう反論した。１　大気のない月面で、星条旗がはためいていたのは、はためいているように見せるため、星条旗にはワイヤーを入れていた。２　宇宙飛行士や岩などの影がバラバラの方向を向いていたのは、三次元の風景を二次元に落とし込んだのが写真であり、遠近の関係で影が平行にならない。３　地球の周囲を覆っているヴァン・アレン帯を通過する時間は1時間ほどなので、宇宙飛行士の致死量に達するほどの時間ではない。４　月面から見た宇宙に星が写っていないのは、露出時間が短く、光量を絞ったので星は写らなかった。５　着陸船のロケット噴射で出来るはずのクレーターがないのは、着陸船は推力を絞って着陸したので、クレーターはできない。　ところが、アポロ11号の全ミッションを記録した映像を含む磁気データ700個、月面着陸を立証する直接証拠が、なんと不思議なことに全て行方不明になったのだ。自然になくなるだろうか？　直接証拠を出せと言われても、NASAは劣化したコピーしかないと答える。　捏造説支持者たちは、やっぱり捏造だから都合が悪い証拠は隠避したのだと主張している。

  2008.05.10

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  アポロ11号

  写真の花は「アキレギア」　　　哲学の言葉「結論としては、喜びには権威がなく、悲しみは王座にあって、いつも尊敬されすぎている。だから、悲しみには抵抗しなければならない（アラン）」　つまり、今生きている喜びを見落とすなとアランは言う。若い者は、喜びよりも悲しみに注目しがちだからだ。しかし、人生の後半になれば、今生きていることに喜びを見出す。どんな悲しみだって、大した事はないんだ、やがてそれは笑い話になってしまうんだから。アポロ11号　2006年6月のイラン国営テレビは、「アポロ11号の月面着陸の映像はハリウッドが製作した映画だった」と断言した。　それ以前に、1976年に発行された書籍「人類は月に行っていない」を発端として、月面着陸捏造説はあった。　アポロ11号の飛行士達が降り立ったのは、月面ではなく、ラスベガス近くの映画スタジオだと主張した。その根拠は、１　宇宙に星が写っていない。２　飛行士の足跡が残っているにもかかわらず、着陸船のロケット噴射で出来るはずのクレーターが見当たらない。３　大気がないはずの月面で、星条旗がはためいている。４　一枚の写真の中で、飛行士の影、着陸船の影、岩などの影がバラバラの方向を向いている。５　地球の周囲を取り巻いている放射線帯を通過する時、当時の装備では飛行士たちは耐えられない筈。などの疑惑を示した。　1999年、アメリカのギャロップ社は、世論調査の結果として、全米市民の６パーセントは、月面着陸に疑問を持っていると発表した。　2001年、アメリカのFOXテレビは、「我々は月に行ったのか？」という番組を放映し、アメリカ市民の5人に一人は月面着陸を信用していないと提示した。　現在、全米市民の２０パーセントが、捏造説を支持しているという。　1957年、米ソは冷戦の真っただ中、宇宙開発競争も激しかった。最初に人工衛星の打ち上げに成功したのはソ連だった。　アメリカはその遅れを取り戻そうと焦っていたが、1961年、ついにソ連は有人宇宙飛行に成功した。　その年、史上最年少でアメリカ大統領になったケネディは、政策の中心にアメリカの威信回復を置き、５月には世界中を驚愕させる演説を行った。「10年以内に人間を月に着陸させ、そして無事に地球へ帰還させることを目標とする！」　彼は、どうしても目標を達成させなければならなかったのだろう。　　　　私が不思議に思っている事は、１、当時はまだ十分でなかったにもかかわらず、初めての試みで成功したのは何故か。２、それ以後、どうしてただの一度も月面着陸を試みてないのか。　３、どうして、改めて月に行って、この前も本当に来たんだという証拠〈星条旗など〉を映さないのか。

  2008.05.03

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  昭和の日

  写真の花は「フタリシズカ」　　　今日は昭和の日、昭和天皇のお誕生日です。　　昭和天皇の御歌　　　身はいかに　なるともいくさ　とどめけり　　　　　ただたふれゆく　民をおもひて　　（終戦　昭和20年）　昭和は、昭和恐慌に始まり、太平洋戦争、戦後の混乱期を経て、経済復興から高度成長へと、波乱に満ちた時代でした。　昭和天皇のご生涯もまた、昭和の時代と重なり、昭和20年の終戦は大きな転換期でした。　昭和天皇は、上に紹介させていただいた御歌の通り、国民の幸せのために、我が身がどうなっても構わないと覚悟の上で、戦争の終結をご決心なさいました。　戦後の混乱の中、地方巡行を行われ、人々をお励ましになりました。　　　わざはひを　わすれてわれを　出むかふる　　　　　民の心を　うれしとぞ思ふ　　（戦災地視察　昭和21年）　戦争で、国民に怨まれているのではないかと、密かにお心を痛めていたが、皆が日の丸の小旗を振って迎えてくれたことが、嬉しかったのでしょう。　新しい平和憲法のもとで、日本国及び日本国民統合の象徴として、国民とともに歩まれることを示されたのでした。　昭和天皇は、ご公務優先にお忙しい日々をお過ごしになりながら、天皇として、初めてヨーロッパ諸国、アメリカをご訪問になるなど、国際親善にも努められました。　　昭和記念公園に併設されている昭和天皇記念館には、陛下が植物のご研究に励んでいた生物学御研究所が、窓までそのままの形で復元されています。　机の上の文鎮の置いてある位置まで、実際に陛下がお座りになっている写真の通りになっています。　ニュースで見たことのあるパナマ帽や、白い編み上げ靴まで展示してあります。　昭和天皇は、12歳の夏に塩原で昆虫と植物を組み合わせた標本をお作りになるなど、ご幼少時から動植物に興味をお持ちになり、その後、本格的にご研究を始められ、ご公務の合間に皇居の吹上御苑に開設された研究所や、那須の御用邸などで、動植物全般にわたる自然史学研究をライフワークとされ、生物学の発展に多大な貢献をなさいました。　　　武蔵野の　草のさまざま　わが庭の　　　　　土やはらげて　おほしたてきつ　　（土　　昭和37年）

  2008.04.29

• 徒然草　３１

  徒然草　31「人に勝らん事を思はば、ただ、学問して、その智を人にまさらんと思うべし。　道を学ぶとならば、善にほこらず、ともがらに争ふべからず、といふことを知るべき故なり。　大きなる職をも辞し、利をもすつるは、ただ学問の力なり」訳「この世に生まれた以上は、いずれかの方面で他人より少しでも優れた者になりたいと望むのが人間として自然である。　その希望を叶えたいと思うなら、先ず学問に励んで、知識と思考力を他人以上に身につけることだ。　とはいえ、学問とは、人間としての生きる道を体験する努力であるから、自分に才能があるなどと自惚れたり、自分は頭が良いなどと鼻に掛けたりせず、他人と競うことはあっても、争うべきではないと知るべきだ。　見分不相応の大きな仕事は辞退して、自分の身の安全を保ち、必要以上の利益を享受せずにいるのは、学問によって培われた人間としての教養を、実社会に活かす術である」　世間で立派な人だとか、人格者と言われるのは、その人が自分を抑える習慣を身に着けているからです。人格者は生まれつきではありません。　常に自分を前面へ押し出すような人は、良い評価は得られません。　自分にはこんなに力があるのに、世間はどうして認めないんだと憤慨する前に、自分の性格を見詰めてみると良いです。　人間は本能的に他人に勝ちたいと思っていますが、それを全面的に出してしまうと反感もかいます。　他人から尊敬され、好かれ愛されるのは、自分を抑えることができるように、努力して、そうなった人なのでしょう。　年寄りになって、依怙地になってしまう人、先日お亡くなりになった大先生、自分の作詞した歌は、あの歌手には歌わせないなどと言ったのは、それまで自分を抑えて、人格者といわれ続けてきたのが、ある年齢で、何かのきっかけでプッツンしてしまったのでしょう。　人格とは、ただの自制心だと知れば、ほんの少しの努力で身に着けられます。

  2008.04.13

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  オカリナ

  　　　　　　写真の花は「木瓜」オカリナ　先週、日比谷公園の野外ステージで、陶製の笛オカリナの第一人者である宗次郎さんが演奏していました。宗次郎さんのオカリナは大好きで、ＣＤを何枚か持っています。　宗次郎さんは1975年に群馬県館林市で生まれました。　彼は、初めて聞いたオカリナの音色、響きに魅せられて、その年から自分の目指した音のため、本格的にオカリナ作りを始め、1985年までの10年間に 約一万個のオカリナを作りました。　その中から自分の曲にあう、自分だけの音を求めて選りすぐった10数個のオカリナを使って、現在も演奏を行っているのです。　1985年にレコードデビューし、1986年のNHK特集「大黄河」の音楽で一躍脚光を浴び、人気 アーティストとしての地位を得ました。　その後、現在までに毎年オリジナル・アルバムをリリースし、数えきれない程のコンサートやイベントを実施しています。　1993年には、アルバム『木道』『風人』 『水心』の3部作で、第35回日本レコード大賞＜企画賞＞を受賞しました。　　常に自然や土との関わりの中で、コンサート、作曲、創作活動を続けたいと考え、現在茨城県の 山村に暮らし、土とのふれ合いを大切にしているそうです。　そんな大自然に根差した宗次郎のオカリナは、 世代や国境を越えて多くの人の共感と高い評価を得ています。

  2008.03.29

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  アイヌの話

  　　　写真の花は「ユキノシタ」哲学の言葉「集合的無意識とは、心全体の中で個人的体験に由来するのではなく、個人的に獲得されたものではなく、個人的無意識から区別され得る部分のことである（ユング）」　ユングとフロイトの異いは、第一にユングは集合的無意識を主張することである。集合的無意識とは、フロイトの「無意識は個人のコンプレックスに基づく」という理論に対して、ユングは「個人的無意識の他にも人類共通の無意識の世界がある」と主張する。　つまり個人的無意識を越えて、集団的無意識が人類に遺伝されていくという。アイヌの話　アイヌという言葉は、カムイ（神）に対する人間という意味で、民族の呼称として使用されています。　しかし歴史の中でその言葉が正しく理解されず、侮辱の意味を込めて使われたりしたことから、アイヌ語で同胞という意味のウタリという言葉が使われるようになりました。　かつてアイヌ語は、東北地方でも使われていましたが、現在ではアイヌの人々でもアイヌ語が話せない人がいます。　アイヌの人々は古くから北海道などに住み、自然と共生しながら平和な暮らしを送っていました。　アイヌは独自の言語を持ち、口承文芸や伝統的儀礼などに代表される豊かな文化を育んでいました。　しかし同化政策などでアイヌの伝統や文化は危機的状況になり、それと同時に貧困を余儀なくされてきました。　アイヌの人々は日本列島の先住民族で、記紀にも記録されています。　明治時代になり、少数民族となったアイヌの生活領域は極めて狭められ、独自の風習まで禁止され、日本語を使うことを強制され、民族の文化は失われていきました。　戦後になると、生活環境の改善や教育の充実などが進められるようになりました。　アイヌ語を起源とた日本語と思われるものに、トナカイ、ラッコ、シシャモ、登別、稚内、などの他多数あります。　アイヌの衣装は様々な素材や文様のつけかたがあり、晴れ着や普段着があって、現在、博物館や写真などで目にする美しい衣服の多くは、儀式の際に着た晴れ着です。　狩猟採集を主にしたアイヌは、野山の動物や植物を食料としていました。　その食物は、神が与えてくれた恵みとして感謝し、必要な分だけ採取して食べていました。　住居は、アイヌ語でチセと呼ばれ、材料は木や草など自然にある物が使われていました。　伝統的な建築技術は現在へも伝えられ、北海道各地では、復元された伝統的チセを見ることが出来ます。　イオマンテという祭りがあり、熊やシマフクロウなど、アイヌにとって位の高い動物神を、カムイモシリ（神の国）ね送り帰す儀式です。　その動物達は、神の国では人間と同じ姿をしているのですが、人間の国へ来る時には、熊やシマフクロウの衣装をまとってくると考えられていました。　イオマンテは、人間の国へ訪れた熊やシマフクロウの神を歓迎し、人間の国の良さを知ってもらい、また訪れてくれるように願いを込めた儀式です。　このように、アイヌは自然、動物、植物、川や山、そして道具にもすべてに魂が宿っていると考えていました。　そして、神の護りと恵みがあればこそ、はじめて人間の暮らしがあると考えていました。その暮らしがいつまでも続くことを願い、神への祈りを行っていました。

  2008.03.29

• 嘘つきオバサン

  嘘つきオバサンの話　去年からグループに参加してきた人で、悪い人じゃないのですが、つい、つい口から出まかせを言ってしまうオバサンがいます。　初めは「私は占い師で、生年月日だけで何でも判る」と言いました。　皆が「私も占って」とお願いしましたが、結局誰も占ってもらえませんでした。　　　　次に「私はジャズシンガーで、作詞作曲も出来て、昨夜は5曲も作った」と言いました。　皆が「お気に入りの一曲を聞かせて」とリクエストしましたが、結局一曲も歌ってくれませんでした。　　　　次に「私はアメリカ大使館のパーティーに招待された」と言いました。　皆が「じゃあ、着ていく服を買うの？」と訊くと、普段着で良いのだと言いました。大使館のパーティーに普段着で行くなんて・・・　次に他のガーデニングが趣味の人が、「私の庭を雑誌が取材に来て、お庭の写真が載った」と、写真を見せてくれました。　すると嘘つきオバサンが、「私もガーデニングが趣味で、コンクールで優勝した」と言いました。　皆が「お庭の写真を見せて」とお願いしましたが、結局一枚もありませんでした。「ムッ、コンクールに出品するにはお金が掛かるでしょ？」「大丈夫よ、レンガなんか自分で買ってくるから」「ムッ、そういうことじゃなくってェ、出品料が10万円ぐらい掛かるでしょ、だから、私は出品しないのよ！」「あらそう、私はそんなの掛からなかったわよ」とか。　まあ、傍で聞いてると面白いけどね。

  2008.03.08

• モーターパラグライダー

  字源を知ろう　「春」はる・しゅん　春とは草に日が照り、少しずつ芽が伸びていく状態を示している。この時期が春で、草の芽が伸びきっていないので、若いという意味もある。それが青春である。春季全国火災予防運動　今年は火災のニュースが非常に多いようですね。火事になると命が助かっても、思い出も何もかも失ってしまいます。火の用心には特に気を使いましょう。　今日は晴れていますが、風が強いです。モーターパラグライダー　　　　もしも、こういうことをやっている友人でもいたら、私もやってみたいけど、残念ながら縁がないなあ。　モーターパラグライダーとは、普通のパラグライダーにエンジンをつけたもので、モーターパラグライダーとか、パワードパラグライダーと呼びます。　山からフライトする従来のパラグライダーとは異なって、平地から離着陸できます。動力飛行ですが、航空機のような規制は受けない自由さと手軽さが魅力で、人気急上昇です。　南房総の海岸で、安定した海風を使って講習も出来るそうです。ライセンス　一つは「マイクロライト（超軽量動力機）協会」の「フットランチ部門」の統括する「パワードパラグライダー（PPG）」　もう一つは通常のパラ、ハングと同じJHF（ハング連盟）の統括する「モーターパラグライダー（MPG）」で「補助動力」という定義付けをしています。　それぞれに日本選手権がありますが内容はそれぞれの特徴を生かしたようなタスクになっていて、PPGの方はアクセルワークを重視したタスクに、MPGの方はエンジンカットて滑空するなどのキャノピーワークを重視したタスクになっているようです。　また、PPGには世界選手権もあり、海外ではPPGは航空機であると規定する国が多いです。スクールに関してはどちらの団体に加盟しているかで講習内容も違ってきますので、講習期間や料金にはばらつきがあるでしょう。　基本的にはどちらのライセンスを使用してもパイロットになることは可能ですが、現状では、日本国内のスクールでは、ほとんどマイクロライト協会のフットランチのライセンスを発行しているところが多くなっています。　それよりもスクールの雰囲気や活動内容をよく吟味して、ホームエリアのしっかりしたところを選ぶように心掛けた方が良いでしょう。　エンジンで飛ぶモーターパラグライダーは手軽で自由でありながら一般の人に迷惑をかけてしまう要因を多く抱えたものです。　騒音はもとより、地域住民の理解なくして成り立たないスポーツです。スクールやクラブが地域とどのように関わっているかが今後のこのスポーツの明暗をわけることをお忘れなく。　そういった努力に労を惜しまないようなスクール/クラブに所属することがこのスポーツを長く楽しむためには必要なことです。

  2008.03.01

• 不思議な塩の話

  字源を知ろう　「忘」わすれる・ぼう　心と亡からなる形声文字。覚えていたことを思い出せなくなること。菊田一夫の「忘却とは忘れ去ることなり」という言葉は、この字を言い得て妙。　　　不思議な塩の話し　その塩は不思議な力を持っていました。初めは私も信じていなかったのですが、気安めのお守りとして持ち歩いていました。　まだデパートに勤めていた頃、その日は台風か何かでお客が少なく、5時ごろになっても全く売り上げがなくて、このままでは売り上げノートにお団子を書かなければならないと焦っていました。　ふと塩のことを思い出し、売り場の周囲にパラパラと蒔いてみました。するとどうでしょう、エスカレーターからまっすぐにこちらの売り場を目指して男の人が吸い寄せられるように歩いてきました。　お得意様ではなく初めてのお客様で、8万円ぐらいのカバンと、2万円ぐらいの財布を買って行ってくれたのです。　一度だけなら偶然だと思いますが、似たようなことが二度、三度と繰り返されると、やはりこの塩には不思議な力があるに違いないと信じずにはいられなくなりました。　娘が歯医者と結婚し、二つ目の病院をオープンさせた時、小皿に塩を盛って病院の玄関、トイレ、水回りなどに置きました。　患者さんはどんどん来て、また来たよと言うぐらいワンサカやってきて、　最初の病院の赤字をフォローできるまでになりました。　上手くいって良かったねという話から、「○○塩様様だね」と私が言うと、院長が、「ああ、俺の腕が良いからじゃなくて、塩のお蔭だったのか」と、バカにしたように言ったので、私は頭にきて、すぐに病院へ行って塩をすべて片付けてしまいました。　その途端に患者さんが減りはじめ、今月の支払いができなかったらどうしようというまでになってしまいました。　娘が塩を復活させたので、それ以後は順調です。　不思議な塩なのですが、ところがなぜか、その塩の会社が倒産したらしいのです。自分の会社の周囲には蒔かなかったようで・・・。　　　　今日は暖かいですね。でも夕方から急に冬が戻ってくるらしいので、風邪をひかないように注意しましょうね。

  2008.02.23

• 和菓子の歴史

  ことわざ「小事にかかわりて大事を忘れるな」　先の細かいことにとらわれて、今の重要なことを見失うな。常に自分の目的は何か、今、何のために行動しているかを確認せよ。　目先の儲けに捉われて違反すれば、やがて容疑者と呼ばれるようになってしまう。誇りや自尊心や理性があれば、先のことまで考えられる。　　　和菓子の歴史　金平糖は、江戸っ子の作品だと思っていた私ですが、実はポルトガルの菓子で、織田信長も食べていたんですね。　和菓子の神様は、兵庫県豊岡市三宅の中嶋神社に祀られている田道間守命（たじまもりのみこと）と言われています。　田道間は、第十一代垂仁天皇の時代の人で、記紀によると、天皇の命を受け、不老不死の理想郷である『常世の国』（とこよのくに）へ非時香菓（ときじくのかぐのこのみ）を求めて旅立ったとされています。　『常世の国』とは、今日の中国南部からインドにかけてのことで、田道間守は十年の歳月を経てようやく求める品を手に入れて帰国したのですが、天皇はすでに崩御しており、持ち帰った非時香菓を御陵にささげ、悲しみのあまり、自ら生命を絶ったのでした。　この非時香菓とは、現在の橘（たちばな）であるとされています。つまり、和菓子の起源は、果物だったのです。　鎌倉時代になって、貴族社会から武家社会へ急激に変化し、災害・飢饉の発生が重なり、それにより、民衆を救う仏教の各宗派が生まれてきました。　様々な宗派の中で、和菓子に一番影響を与えたのは禅宗でした。禅僧は食事の前後に、麺類を食べ、また、菓子を食べながらお茶を飲んでいました。　これを点心といい、この習慣が禅宗の普及とともに、民衆に伝わり、菓子という文化が広く普及したと考えられます。　　　　室町時代の１５４３年に、ポルトガルの船が種子島に漂着し、鉄砲が伝来しました。　同時に南蛮菓子も伝来しました。カステーラ、カルメール、ボール、アルヘイなどが伝わりました。　当時はあまり食用とされていなかった卵や、貴重な砂糖をお菓子に使用している点では、新しい文化で、キリスト教の布教などに利用されたため、これらの菓子は、わが国に急速に普及していくのでした。　豊臣秀吉の時代、千利休によって茶道が完成され、その頃、お茶に添えられたお菓子は、茶の子と呼ばれ、点心とは区別されていました。茶の子はとても質素なものだったのですが、この時から和菓子は、お茶と共に洗練の道を歩み始めました。　茶道の出現は和菓子にとって重要な分岐点となり、現在の茶道の綺麗な和菓子と、点心の流れを引く饅頭や団子などに受け継がれてきました。　江戸時代の太平の世では、庶民文化が花開き、菓子の需要は高まり、また、求肥（ぎゅうひ）や落雁、寒天など、和菓子の原材料の多様化と、技術の向上とともに、質もよくなり、多様化していきました。　道路や水路が発達し、各地方の名物菓子などを食べる機会も増え、この時代に和菓子は成熟、完成したのでした。　　　

  2008.02.02

• 元旦

  明けましておめでとうございます。今年一年の皆様のご多幸と、ご健康をお祈りします。今年もどうぞよろしくお願いします。○　元旦　明治5年に、旧暦（大陰暦）を廃止して、12月3日を新暦（太陽暦）1月１日としたのが、暦法改正。　旧暦と新暦には、約４０日の差がある。同時に時刻制度も一日を２４時間とする現在のものになった。○　年男　武家で新年の行事を行う時の役の事で、門松を立て、注連縄（しめなわ）を飾り、神棚にお神酒、鏡餅などを供える役。　最近では、その年の干支の人を指し、節分の豆まきなどをする。○　お屠蘇　最近は正月の祝い酒とされているが、本来は病魔撃退の正月行事で、漢方薬を清酒に入れて飲むものだった。

  2008.01.01

• ボーヴォワール

  「人は女に生まれるのではない、女になるのだ（ボーヴォワール）」　フランスの作家、哲学者。この言葉はフェミニズムの原点となった。子供達は、女は女らしく、男は男らしくと躾けられるので、女は女になる。　今の日本人は、その躾がなってない。安いレストランであぐらをかいて、男らしい言葉遣いで、それでいて女の服を着て、口紅を塗っていたのでは、男か女かわかりゃあしない。

  2007.08.17

• パスカル

  「時は苦しみと争いを癒す。なぜなら、人は変わるからである。人はもう、同じ人ではない（パスカル）」　10年後、あなたはもうあなたではない。

  2007.08.05

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