年の神
年が明けると「明けましておめでとう」と挨拶を交わし、新年を祝います。その挨拶には、どういう意味があるのですょうか。そもそもお正月は、明治のころまでは単に年が改まるというだけではなく、家に「年の神」を迎える特別の日とされていました。年の神とは、五穀を守る神。旧暦1月の満月の日に、年の神を迎えて旧年の豊作を感謝し、新しい年の豊穣と平和を祈念するというのが、元旦の祝い方でした。年の神はみずみずしい活力に満ち、人間を新たな息吹で復活させ、再生産の力を与えるといわれており、その神に対して、祝福の意を込め「あけましておめでとう」という言葉をささげてきたのです。このように年始の挨拶には、新たに迎えられた年に感謝し、讃えるという、伝統に根づいた意味があるのです。元旦は、人生の、年の流れの尊い節目です、ただ漠然と迎えることなく、行く年、くる年とともに感謝の気持ちを注ぎたいものです。