渡る世間は鬼ばかり
諺には、人間関係の正しいあり方や思いやりの心の大切など、日常生活の指針ともなるようなエッセンスが込められています。昔の人の生活体験から生まれた知恵を教えとして、その多くが今も親しまれています。しかし世の変遷につれ、意味を勘違いしてしまう人もいるようです。テレビ番組の『渡る世間は鬼ばかり』というタイトルは、諺の「渡る世間に鬼はなし」をもじってシャレしたものです。しかし「世の中には情け容赦のない人ばかりでなく、情の深い人も多く居るものだ」という本来の意味が通用しなくなれば、それこそシャレになりません。諺は、言葉遊びとはあくまで分けて考え、正しい意味を理解するのが第一でしょう。諺のみならず、言葉を正しく覚えることは、正しく使うことに通じます。ビジネスの世界であれば、思い込みによって言葉の誤用をしていれば、自分だけではなく会社の信用にもかかわります。言葉を正しく使うことは、最低限のビジネスルールと心得たいものです。