おおさか・元気・能・狂言
25日は、今年3回目の生萬斎さん鑑賞日だった。NHK大阪ホールでの「おおさか・元気シリーズ」は、親子ペアチケットが安価で手に入るのがうれしい。一流の演者が出演するにもかかわらず、親子ペアでなんと¥2500ポッキリ。チケ1枚が¥2000なので、子どもは¥500ってこと?うれし~。この「おおさか・元気シリーズ」は2003年秋から毎年、いつも親子ペアで見に行っている。まず「能・狂言への招待」葛西聖司アナと生稲晃子さん二人による、能・狂言の解説。概略を解説したビデオをみた後は、待ってましたの萬斎さん登場。いつもながら飄々とした風貌。葛西アナや生稲嬢の“営業用”スマイルに比べ、彼の周りだけ違う空気が漂っているよ。(笑)少々お髭が気になり、つい染五郎さんと比べてしまった。染五郎さんも“髭が濃い”私の好みは、つるつるのお肌の人なのだが、なぜか古典芸能系で好きになる人は髭が濃い。ま、歌舞伎の場合は隈取などで髭の濃さは消えてしまうが。観客に子どもが多く、特に最前列の上手側に小さい(といっても就学児だが)子どもが数人座っていた。萬斎さんは、その子ども達が気になるのか、お話をしながら、チラチラ見ていたなぁ~。葛西アナたちが舞台に出てきたとき、舞台後方にスクリーンがおりてきて、舞台上の人物を映し出していた。もちろん萬斎さんも大写しになり、彼の視線の先がよくわかったので、萬斎さんが誰を見ているのか、気になりチェックしたのだ~。萬斎さんが狂言「附子(ぶす)」の解説を終え、退場。次は能「安達原(あだちがはら)」の解説のため、大西礼久さんが登場。「安達原」の中で使う小道具、枠かせ輪(糸繰り車)の説明をする。大西礼久さんは、ぽっちゃりとして色白のかわいい雰囲気の人。こういう場所で話をするのに慣れていないのか、少々あがっているように見受けられた。萬斎さんとは正反対。(笑)いよいよ狂言「附子」がはじまる。主が外出する前、太郎冠者と次郎冠者を呼んで言い聞かせる。あそこにあるのは附子(毒)なので気をつけるように・・・と。主が外出した後、太郎冠者はその附子が気になる。駄目だと言われれば、よけいに気になってしまう。止める次郎冠者をよそに、附子の入っている器のふたをあける。最初はこわごわだった太郎冠者だが、だんだんと大胆になり、附子を舐めてしまう。あまりの美味に、次郎冠者も附子を食べ始め、とうとう附子はなくなってしまう。さて、彼らは主の怒りをどのようにしてかわすのだろうか。狂言はこども達にもわかりやすいのか、大声で笑っていた。その子ども達の大笑いを聞きながら、萬斎さんたち演者はのりにのって演技をしていた。舞台はナマモノ、観客の反応がすぐ舞台上に伝わる。そして演じるほうも、その反応に答えるべく、演技に力が入る。双方向のやりとりが、舞台の醍醐味。まさにその旨みを享受した舞台だった。能「安達原」は・・・。少々疲れていた私は、睡魔に襲われた。やっぱり私にはまだ能ははやいのかな~。同行した娘も「(演者が)全然動いていない!」といって退屈した様子。後半、老婆が鬼女になって戻ってくるあたりから集中して見ていたが、前半は辛かったようだ。