命もやして 佐々木静子
命もやして
佐々木静子
潮出版社
副題に「87歳現役女性弁護士の回想」とある。
「女に教養は必要ない」と言われていた時代に、主婦で子持ちの筆者は、一度で司法試験に合格する。
最初からレールがひかれていたわけではない。まず大学入学資格試験を受験し合格。次に私立大学を受験。幼子を抱えての受験は大変だった。
受験の日、娘を待合室のベンチに寝かせて試験を受け、大急ぎで答案を書いて戻ると、娘はまだスヤスヤと眠っていて胸をなでおろしたというエピソードには驚く。そんな努力をして晴れて弁護士になり、主に冤罪事件を担当する。また自身の経験から、女性の地位の低さを感じ、国会議員になり男女平等に向けた法整備にも手をつける。
そのバイタリティと情熱には頭がさがる。
先日、元社会党党首の土井たか子さんが亡くなられたが、新聞記事に筆者のコメントが載っていたのには驚いた。