艶やかな色気が足りない「千年の恋」
TVで放送していた「千年の恋~ひかる源氏物語~」ビデオをレンタルしようか迷っていたので、TVでタダで見られるなら・・・と早速TVのスイッチを入れる。結論から言えば、「ビデオを借りなくて良かった~」あまりの退屈さに、途中で見るのを止めてしまったホド。(忍耐強い私にしては、すごいことなのだ)まず感じたのは、光源氏を天海祐希にしたのが失敗。映画を見るまでは、光源氏役を元宝塚の男役がする配役に期待していた。天海祐希という女優もけっこう好きだし。しかし今年の夏、劇団新☆感線の舞台「阿修羅城の瞳」に出ていた天海さんを見て感じたことが、そのまま光源氏にもあてはまった。ルックス的には、光源氏のイメージに近いのだが、いかんせん色気がない。女たちを次々と陥落する源氏なのに、色も匂いも感じられない。何も男のフェロモンぷんぷんにしなくてもいいのだ。女だろうと色香にあふれた人には、同性でも惹かれるものだから。光源氏に色気が感じられないものだから、たくさんの抱擁シーンが、お人形遊びにしか見えなかったよ。光源氏に抱かれた紫の上(常盤貴子)が、頬を紅潮させる表情の方がよほど色っぽかった。それぞれのお姫様とのエピソードもほとんどなく、駆け足でストーリーが展開するのに、ついていけない。それに物語は端折るのに、なぜ松田聖子がでてくるのだ?予告を見たとき、炎をバックに立つ聖子を見て『彼女はどの姫君の役なんだろう?炎に巻かれるお姫様っていたっけ?』などと考えていた自分がバカみたい。急に出てきて歌いだす松田聖子は、ギャグ以外のナニモノでもない。この映画を外国の人が見たら、どう思うのだろう?これが日本人が千年も読みついできた、日本のベストセラーだとは思って欲しくないなあ。大和和紀のまんが「あさきゆめみし」のほうが、ずっとおもしろい。「千年の恋」HP:http://www.toei-group.co.jp/sennennokoi/index.htm