「こどもの医療が危ない」
人生の大先輩にお借りしている本。日中になかなかゆっくり本を読む時間がないので、電車で移動中などは専ら読書タイム。この本は、以前読売新聞で連載していた「医療ルネサンス」をまとめたもの。連載は2000年4月から始まり、翌年11月まで続いた。全部ではないが、子どもの医療に対して関心があるので、毎日記事を読んでいた。心に残っているエピソードもある。子どもをめぐる医療体制は、危機的状況にあるといえる。小児科医の当直を探して、右往左往する親たち。そうかと思えば、日中は診察室が込むからと、急病でもないのに夜の診療に来る親。過酷な勤務のため、過労ぎみの小児科医。なり手がなく、ますます不足する小児科医。悪循環になる。私の子どもも4度ほど、救急車のお世話になったことがある。そのうちの3回はたいした怪我や病気ではなかった。母親の私の気が動転してしまい、震える手で119を押してしまった。救急車が我が家に到着する頃には、だいたい症状が治まっていることが多く、申し訳ない気持ちになる。しかし、もし何かの病気が隠れていたら・・・と不安があり、やはり救急車に頼ってしまう。子どものための、しっかりとした救急体制を整え、親たちの育児不安を解消する方法があれば、少子化問題も少しは解決に向かうかもしれない・・・。