鹿児島県出水市 『出水の大楠』
国道447号線と米津ノ川を挟んだ位置に立つ、クスノキの巨樹。市指定文化財・天然記念物に指定されている。樹高12m、根回り15.2m、推定樹齢は1300年。道路の方に少し傾くようにして立っており、台風の被害に遭ったことで大きな枝を失い、樹高よりも根回り、幹回りの方が大きくなっている。根元には大きな空洞ができており、コンクリートで養生されている。クスノキにまつわる悲恋物語があり、かつてこの地に幸媛という綺麗な女性がおり、鴨雅彦という青年と恋に落ちるが、それを妬んだ沖田の稲置という役人に雅彦は罪人に仕立て上げられ、大隅に追放されることになってしまう。恋仲を引き裂かれた2人は別れを悲しみ、別れの時、幸媛は雅彦に楠の実を1つ渡す。雅彦のまいたその実が姶良市の蒲生の大楠になり、幸媛のまいた実がこの出水の大楠になったという伝えがある。国道沿いにある出水の大楠。幹はかなり大きいことが遠くから見ても分かるが、樹高は並のクスノキより低い。見ての通り周辺はコンクリートに挟まれているため、生育状態はあまり良くない模様。反対側の歩道から見たクスノキ。全体像を見て取れ、木の根は少し道路にも出ているのが分かる。向こう側に米津ノ川が流れ、川をまたぐように九州新幹線が通っている。幹。根の下の方は既に空洞ができており、幹の空洞になった部分もコンクリートで養生されている。生育環境にめげず、朽ちているのが目に見えても大地に根を張り続ける様子は生命の力強さを感じずにはいられない。それとも実を植えた幸媛の思いが根強く残っているのか…下から見上げて見たクスノキ。幹から伸びた枝。地面から伸びているものもあるが、これも同じクスノキのものだろうか?大井手堰改築記念碑。戸崎消防司令補慰霊碑。1971年(昭和46年)に中学生が米津ノ川で行方不明になったと通報を受け、大雨で濁流になった川を果敢に捜索するも、大渦に引き込まれ殉職した戸崎消防司令補の功績を称え建立された慰霊碑。すぐそばを流れる米津ノ川。↓ランキング参加中。この記事が良いと思った方はクリックしてねにほんブログ村