「学校って何だろう」(苅谷剛彦、講談社)
けっこう拾い物。中学生向けに書かれたものだが、「どうして勉強するの?」「校則はなぜあるの」「隠れたカリキュラム」など、中学生、いや小学生でも抱く素朴な疑問について、決して一つの答えを出すのではなく、それらが存在している背景を丁寧に語った本。親とすれば、「うるさい、そう決まってるからだ」とか、「へ理屈をこねるんじゃない」と、一蹴してしまいそうな問題を、「そうか、そういう歴史や背景があって成り立ったのか」「必ずしも絶対的なものじゃないんだ」と、わからせてくれる。子供だけじゃなく、親が読んだ方がいいかもしれない。 もともとは、毎日中学生新聞に連載されていたものをまとめたもの。 中学生向けに本当にアタマのいい人が書いたものは、むしろワタシのようなアタマの悪い大人には最適の本だ。