カナダの医療の実態
日本の友人から「Sicko」を観たけど、カナダの医療は無料なの?という質問がありました。はい、その通りです。カナダの医療費は無料です。それだけ聞くとすごいですけどね、全体のシステムとしては不満がいっぱいです。まず、カナダで病気・ケガをするとオプションが3つあります。1.かかりつけのホームドクターにアポを取って診てもらう。アポなしは絶対だめ。大体、2,3日は待たされる。(ホームドクターの数が全体的に足りていないため、どのドクターも超多忙)2.Walk-inクリニックに行く。アポなしでOK、でも、ここのドクターは患者に親身になるということはありえません。3.病院のEmergencyに行く。ドクターに診てもらうまでに2~3時間待ちはザラ。更に専門医はホームドクターもしくはEmergencyからのリファレンスがないとアポは取れず、この専門医にアポを取るのが至難の業。同僚が心臓関係のチェックをしてもらうのに半年待ち。膝のじん帯を切った知り合いは、2ヶ月待った。日本のように、総合病院のXX科に突然行って診てもらうなんていうことは不可能。更に、患者からお金が取れないため、病院の患者への態度は悪い。例えば6年前にアキレス腱を切ってEmergencyに行ったときの話。日曜の午前中で空いていたので待ち時間はミニマム。私は車椅子。1.ラッキーにも30分くらいでナースが問診。まずレントゲンを指示される。2.レントゲンを撮る。レントゲン技師は撮影が終わったら、さようなら。車椅子を押してくれることは決してありえない。それは彼の仕事ではないから。3.30分くらい待ってやっと医者の登場。レントゲンを見ながら「骨折はしていない。アキレス腱の損傷と見られるが、私は専門ではないので、専門医のアポを取ってあげた。2日後の火曜日、8時半にXX病院のクリニックにいってくれ。と、簡易ギブスをしてくれ、痛み止めをくれただけ…。その間に悪化したらどうするの??4.松葉杖は有料。$25。ラッキーにもその数年前に怪我した際の松葉杖があったので、ダンナに持ってきてもらった。5.病院のクリニック。ここでの診察は可もなく不可もなく。ギブスをするという際「昔ながらの石膏の重いギブスは無料。もし軽くてファイバーグラスのギブスにするなら$XX個人負担。(いくらだったか忘れた)色も選べるよ。どうする?」って。(紫のギブスを選んだのは私)入院は、本当に必要でない限り、させてくれません。急性腎炎で水すらも自力では取れず、5時間も点滴を受けたときも、しっかり帰されました。Open Heart Surgeryの患者も、手術後3日くらいで帰されるのが普通。確かに医療が無料で受けられるというのはありがたいですけどね、このサービスの悪さを思ったら、お金払うから早く診て頂戴、って思うことも多いですよ。まあ、アメリカに比べれば、恵まれているんだろうけど。あ、でも、歯科はこれに含まれません。歯科は一切、国(州)からの補助はありませんので。