口で文字
勧修寺 随身院 醍醐寺をお参りしてきた2回目か3回目であるがすっかり忘れているところばかりだった 口で文字書かれし尼の冬篭 好幹 くちでもじかかれしあまのふゆごもり大西順教という尼さんがおられた 手を失われ口で書かれた文字である 白塀や見越しの梅のまだ蕾 好幹 しろかべやみこしのうめのまだつぼみ大体私たちは時期を外して行く 人も少なくじっくり見学できるのである 筋塀の壊れて古刹冬篭 好幹 すじべいのこわれてこさつふゆごもりどこのお寺も財政難であろうか 大体塀が壊れているところが多い 古刹の古刹ゆえんである 勅旨門ぴしつと閉めて春隣 好幹 ちょくしもんぴしっとしめてはるとなり皇室や勅旨がこられたときに開けるのであろう 普段はピシッと閉まっている 翡翠の瑠璃の動かぬ枝葉かな 好幹 かわせみのるりのうごかぬえだはかなかわせみなる物を始めてみた 友人が教えてくれたものであるが教えてもらえなかったらそのまま見過ごしていた 綺麗な鳥である 夏の季語であるが…… 燈篭を磯馴が護る冬の寺 好幹 とうろうをそなれがまもるふゆのてら水戸光圀公寄進の燈篭である その周りに樹齢750年といわれるハイビヤクシン(磯馴)が茂っていた 水跡を丸く治めて鴨泳ぐ 好幹 みずあとをまるくおさめてかもおよぐ氷室池という大きな池に鴨 鯉 翡翠 などが遊んでいた 極楽浄土である