榎本武揚シベリア外伝
榎本武揚シベリア外伝五稜郭の一戦に敗れた旧幕臣榎本武揚は新政府の駐露全権行使となり明治11年馬車によるシベリア大陸横断を決行。そのとき残した「シベリア日記」には実は裏の日記が存在したその謎を追った日本人ジャーナリストの失踪と第二のシベリア日記の信憑性の謎に迫る…と言うお話。読んでてフィクションと言うのを忘れたすんごいワクワクしながら読んでしまった。最後の最後の種明かしで「」と言う気持ちと「」と言う気持ちがいっぺんに襲ってきたロシア事情にも明治の日本の情勢もわからず読んでしまったけれど、昨今の日露情勢を思ったら本当に興味深いお話だった。榎本さんの明治以降のことはあまり詳しくない。海外経験も豊富だけれど、オランダへフォールリヒター(開陽丸)を受取に言ったときのお話しか知らなかった後回しにしてきた「榎本さんの明治」をちゃんと読もうと思った。中薗英助 文藝春秋 \1,857