桑名藩戊辰戦記
桑名藩戊辰戦記その名の通り桑名藩士たちの辿った戊辰戦争の顛末。慶喜が逃げ帰った後から奥州での戦い、降伏と蝦夷へ渡ったところまで。桑名藩士は全員が一緒に行動したわけじゃなくて、色々複雑。江戸→彰義隊→福島→仙台→蝦夷(森常吉)鴻之台→宇都宮→今市→柏崎→鯨波→朝日山→加茂→会津→庄内(立見鑑三郎)とかいろいろ。その行動を追うだけで途中からしんどくなるほど。でもこの藩主松平定敬候と藩士は仲が良いのよみんなアツイしねすごく強いしねvvそして土方さんともビミョーにシンクロしながら転戦していく桑名隊が強かったのは鳥羽伏見の後、軍政を改正して若手をどんどん起用したからだってナルホドと思う反面、やっぱり京都で所司代をしていたことも大きく影響してるだろうと思う。会津藩と共に京都を帝を守ったのは自分たち、それが賊軍なんて冗談じゃない!!っていう気持ちが強かったと思うのよ。著者は後に箱館新選組になった関川代次郎さんの係累だそうで、そのせいかすごく熱心だしあちこち行ってるし複雑で難しい東北の戦を知るには絶対良い本です。ついでにもう一つ。定敬候が箱館に渡るとき変名した名前がちゃんと載ってる!「一色三千太郎」「いっしきみちたろう」と読むのか?なんで何の意味でこんな名前にしたんだろう?残念ながら蝦夷へ渡るところで本が終わっているのでその後の彼らはどうなったのかこの本ではわからないが、いつか続きを書いてくれないかな郡義武 ¥2900 新人物往来社ついでにこことこことここも。