ニューイヤー駅伝・ダイジェスト
2008年の元旦の朝を迎えた。8時30分。ニューイヤー駅伝のテレビ放送が始まる時間だ。緊張感が高まってくる。番組が始まる前のCMの2分間がやけに長く感じる。群馬県庁前が映される。太鼓の音が響く。いよいよ決戦の始まりだ。天気は快晴だが気温は、0.5度と低い。風が心配だ。レースに大きく影響するかもしれない。号砲が響き、序盤の位置争いが始まった。入りの1キロは、2分50秒と慎重である。しばらくして、トップ集団が二つに割れる。前の集団には、区間賞候補のSUBARUのアセファや優勝候補のコニカミノルタ・太田、Hondaの池上に今季急成長の自衛隊体育学校の室塚、旭化成の大野らがいる。後ろの集団には、念願の初優勝を狙っている日清食品・板山がいる。日清、スタートダッシュに失敗か!板山は、何度もスターターを経験しているが、今回はダメだったようだ。マラソン練習の疲れがあるのか?トップが10キロを28分30秒でクリアしているのに29分50秒はかかりすぎだ。日清に暗雲が立ち込めてきた。結局、アセファが抜け出し、トップで襷渡したが、コニカミノルタも3秒差でリレーを完了。コニカミノルタ、絶好のスタートである。首位に立ったSUBARUは、エースの高橋。快調なスピードで飛ばす。後で松宮が「遅くなかったので抜かずについて行った」と言ったように高橋のペースは悪くなかった。しばらくは、松宮、高橋に、JFEスティールの森脇を加えた3人がトップ集団を形成した。森脇は、神奈川大学出身のルーキーである。最終的には失速してしまったが、かなり長い時間、この集団にとどまった。大健闘である。後ろのほうでは、1区で31位と遅れていたトヨタ自動車九州の三津谷がジャンプアップする。一時期、26人抜いて5位まで浮上。最終的には7位でのリレーとなったが、それでも24人抜き。低迷していたチームを蘇らせた。逆にブレーキとなってしまったのが日清食品の徳本。痙攣を起こしトップと4分以上の差をつけられた。トップは松宮の快走でコニカミノルタ。区間賞の走りで大量リード。2位は高橋がよく粘りSUBARU。中国電力、Honda、トヨタ自動車九州も上位に進出しレースの趨勢が決まった。逃げるコニカに、追う中国電力。Hondaとトヨタ自動車九州がからむという展開である。大きく出遅れた日清食品は、怪物・ゲディオンで詰めていく。今年もすごい走りだったが、1区2区で背負った借金を取り戻すことは出来なかった。以後、コニカは、アレックス-山田-坪田と区間上位で危なげなく逃げていく。そして、池永が区間賞の走りでアンカーの磯松に襷を渡す。大量リードを持って余裕でゴールテープを切った。個々の区間で、見どころは、たくさんあったが、とても書ききれない。ホームページに詳細があるので確認してほしい。佐藤 敦之と今井正人の同郷対決や、藤原正和と油谷繁の意地の対決など、魅せられる場面も多く、絶対に見て損がない駅伝だった。箱根も面白いがニューイヤーも面白い。再認識させるレースだった。