箱根駅伝への道標・出雲駅伝を振り返る-7
【東洋大学】 6位 2時間10分18秒(優勝校との差★3分4秒★)近年、ダークホース的存在で注目されている東洋大学。昨年は、主力を欠きながら3位に入り周囲を驚かせた。今年も同じような状況でスタートしたが、昨年のようにうまくはいかず、評価通りの6位で終えた。市川の復活が待たれる。1区 大西智也(3年) 23分21秒(区間8位・区間トップとの差31秒)飛び出した中央・上野にぴったりついたのは、やはりこの男であった。生来の負けん気の強さから強い選手に付くことが多い大西。箱根では、唯一、佐藤悠基についていったのは記憶に新しい。しかし、今回は、わりと早く上野から離れてしまった。後方集団からもこぼれ、大西らしくない走りとなった。区間8位で、トップと31秒差。本人にとってもチームにとっても不本意な結果であろう。彼の力なら20秒以内でつないでほしかった。 ☆☆☆ 通過順位8位 1位校との差31秒2区 千葉 優(1年) 16分57秒(区間10位・区間トップとの差35秒)1区の思わぬつまずきで襷を受けたのは駅伝初登場の1年生。はじめてにしてはまあまあの走りと言っていいかもしれない。どちらにしても3大駅伝を経験したことが本人の財産となるだろう。今後に期待したい。 ☆☆☆ 通過順位9位 1位校との差43秒3区 山本浩之(3年) 25分2秒(区間5位・区間トップとの差34秒)すっかり東洋の主力選手として定着した山本。エース区間で区間5位は十分及第点を与えられる。順位も上げ、トップとの差も詰まり、今年も上位進出かと思わせた。チームが予選落ちしているので全日本で姿を見ることはできないが、箱根での活躍を期待したい。 ☆☆☆ 通過順位7位 1位校との差33秒4区 宮田 越(4年) 18分44秒(区間3位・区間トップとの差40秒)昨年同様4区を走った宮田。2年続けての好走となった。区間トップの伊達が速すぎたため、1位校との差は開いたが、3位と17秒差の5位につける。良い走りだった。 ☆☆☆ 通過順位5位 1位校との差56秒5区 黒岩優大(1年) 15分10秒(区間8位・区間トップとの差36秒)期待の1年生の登場だ。区間8位と、まずまずのデビューだった。ただし、チームとしては、優勝が絶望的なことはもちろん、昨年並みの3位も無理な位置に落ちてしまった。川島監督も、経験させることが主眼だと思うので、とりあえず、目的は果たしたと言っていいだろう。 ☆☆☆ 通過順位6位 1位校との差1分32秒6区 黒崎拓克(4年) 31分4秒(区間9位・区間トップとの差2分9秒)箱根の2区では、2年続けて驚愕の走りを見せている黒崎だが、この区間では、他校のエースに対抗することはできなかった。しかし、彼の持ち味は、やはり、箱根の2区だ。ここならば、他校の大エース相手に戦える。正月を楽しみにしたい。 ☆☆☆ 通過順位6位 1位校との差3分4秒今年の東洋大学は、さまざまな評価がある。強いようで弱い、弱いようで強い、結果、安定しているという不思議なチームだ。贔屓目で見れば、箱根の優勝の可能性もあるし、厳しくみればシード落ちもある。ある意味、目が離せないのである。私自身は、結構高い評価をしているほうだが、今回の結果を見て、ちょっと微妙だなと感じている。予選落ちしてしまった全日本に出られないことが、どのような結果をもたらすのかが鍵になる。調整方法が、出場校とまったく違ってくるからである。どちらにしても、箱根駅伝での活躍に注目したい。