いったん嫌われると
自民党が大敗した。「自民党というだけで話も聞いてもらえない」と嘆いていた候補者もいた。自民党に限らず、いったん嫌われてしまうと、取り戻すのは容易なことではない。同じような例は、世の中、ゴロゴロ転がっている。例えば、学校の先生。学校の先生が、すべて悪いというわけではないのに、父兄の方に嫌われてしまっている。今回の自民党と同じような立場だ。学校の先生というだけで、すべて否定されてしまったという例をたくさん知っている。20年近く前、私は塾の先生になった。入社1日目に、授業研修のために、ある教室に詰めていたときのこと。その教室に通う生徒の父兄が尋ねてきた。そして、学校の先生への不満をとくとくと語ったのである。私は、転職だったので、塾業界については、右も左も分からない超初心者だったが、塾の先生というだけで、何の疑問もなく、信頼して話してくれた。どうして、ここまで信頼してくれるんだと戸惑ったものだった。今回の選挙を見て、そのときを思い出した。自民でなければ、実績がなかろうが初心者だろうがいい。自民よりはマシだという、あの感じに似ていた。今後、自民党は、大きく変わらなければならない。それも劇的に変わらなければならない。嫌われたままでは、何をやっても受け入れられないことを知るべきであろう。自民が健全野党になり、信頼を取り戻したとき、真の2大政党になると考える。