わざわざの鎖 (佐野洋)
作者お得意の(?)連作短編集。短編でなぞは解けていくんだけど、そのほかのところで主人公を取り巻く人間関係がつながっている、って言う形式です。今回の主人公は元警察官である「公園探偵」。探偵、っていうのも変かもしれないけど、用は市役所の公園管理課に所属して、公園をパトロールしている、と言う設定なのである。実際にそういう職種の人がいるのかどうかわからないけど(作者はあとがきで、自分で考え付いた、と書いているし)公園やその近くで起きるちょっとした事件(実は重大な事件が隠されていたりする)にまきこまれてゆく、というのは職業的にうまいと思う。表題作は、「盗難車を公園に放置してゆくのに、わざわざ鎖(車止め)をはずして中にいれ、そしてまた鎖をかけてから放置したのは何故か?」という疑問から、事件の真実が…と言う話。うまいんだなこれが。さすが、である。で、ちょこっとお色気(?)ありで、しかし話の品は落とさなくって…うん、お勧めです。「突撃!昨日のばんごはん」・茹でズワイガニ・サラダ・鯵の干物・大根の味噌汁・明太子ネット通販で買った蟹。なかなかおいしかったわ~ん。