夏から夏へ (佐藤多佳子)
あの北京五輪の4継(100M×4人リレー)メンバーの、インタビューを絡めたノンフィクション。子供の部活関連でマジメに陸上競技を見始めたわけだけど(それまではマラソン中継をちらっと見る程度)長距離走であったとしてもトラック競技はほんの一瞬。わずか10秒を、100分の1秒単位で争う競技は瞬きもしないで見ていないと一瞬で通り過ぎてしまう。(実際、1時間かけて競技場まで見に行って、3000Mに出たとしても何分、の世界だ。野球やサッカーなら何時間、の単位だけど)その一瞬、に皆が注目する訳で。月並みだがそこに至るまで数々の思い、協力してくれる人々、走ることに対する考え方などが熱くなりすぎることなく描かれていると思う。もうちょっと熱っぽく語ってもらってもいい気もするが、小説とノンフィクションの違いかも。熱く語られすぎるとかえって醒めるかな?小説で読みたい気もするけど、これを小説化すると「一瞬の風になれ・オリンピック編」みたいになってしまうかも。あと、「夏から夏へ」世界陸上大阪大会から、北京へ、と言う意味なんだろうけどその二度目の夏、北京の方もちょこっと書いてもらいたかったな。夏から夏へ課題図書だったらしいけど、感想文書けそうで書きにくそうな本だなぁ。陸上に興味のない子は読まないかな?