9月に読んだ本 まとめ1
絵小説絵も物語りも美しく実に好み。仄暗く甘く濃密な空気に包まれ幻想的な海にたゆたう。詩片から絵→小説の順に生み出された世界はあくまでも妖しく美しく魅惑する。壊れた蝋人形、幾度となくめぐりあうひと、リュートの音色。海辺に異教徒はつるされ穴に姉は眠る。魅せられた幼子は湖へ向かい黒い静かな湯の中に幻を見る。ゆらゆらと流され惑わせられてわたしはその甘やかな「海」に取り残されてしまうのだ。魅力的で蠱惑的なその海の中へ。読了日:09月10日 著者:皆川 博子こいしりおかしいと思ったら続編、2作目だったのか。前作を読まないと微妙な三角関係っぽい仄めかしが全く伝わってこなくてなんじゃこりゃ?という印象。のんびりのほほんとした雰囲気は良し。時間がゆっくりと流れているような気がする。このまままた続くんですかね?畠中さん、「しゃばけ」を筆頭に題名によくわからない用語を使って「?」と思わせることが多いけど、それはしゃばけシリーズだけにしてもらえるとうれしいなぁ。検索リストで名前だけ見てるとしゃばけシリーズが出たのかと思ってしまう。読了日:09月09日 著者:畠中 恵平台がおまちかね (創元クライム・クラブ)出版社関係でもやっぱり営業の人っているんだな、というか何故か本は売り込みとかそういうの関係なく出版→販売されているような気がしていました。そんなはずないのに。最近書店独自のPOPとか「書店員推薦!」みたいな売り方も多いけど、本を愛し皆に読んでもらいたいと思う心は共通ですね。井辻くんの本にのめりこんじゃう気持ちはよくわかる!世界観に入り込んじゃうとそういう感覚でモノを考えちゃうことってあるかも。そういうのめり込み本にめぐり合えたら幸せ、ですよね。とりあえず本屋、行こう。読了日:09月08日 著者:大崎 梢風の大陸〈外伝 3〉虹の時間(とき) (富士見ファンタジア文庫)期待して(何を?)読んだわりに不完全燃焼な短編。主役3人(ともう一人)が出会う前の挿話なのだがティーエ編は本編の補完的で本編中に入れておいても良かったのでは?説明が二重になるのは本編読んだ人にはダブるんだよね。描き足りなかったから書かれたものかな?ボイス編はなんじゃこれ?(笑)でもやっぱり朴念仁「何が何だかわからなかったが、嫌な感じはしなかった」18歳の健康な男子がこれかい!だからアンタはもう…!!ラクシ編は兄君との描写が良かった。兄ちゃんいい人だな~。確かにこのとき彼女虫平気だわな(笑)読了日:09月07日 著者:竹河 聖風の大陸〈外伝 2〉レキサントラの女戦士 (富士見ファンタジア文庫)現在と4年前と交互に語る形式で、ややこしいから別々の話にすりゃいいのに…と思っていたらやはりそれは必然だった。終わり方も綺麗。自由への憧れとか悪に惹かれるが所詮悪には徹しきれないというところは現実にもありそう。本編で圧倒的に強すぎる術師を読んだ後では狼憑き君の得手不得手のある術の使いっぷりが逆にリアルでいい。このキャラ再登場しないかしら?読了日:09月06日 著者:竹河 聖風の大陸〈外伝 1〉レキサントラの自由戦士 (富士見ファンタジア文庫)本編のほんの始まり部分にち4年前の話をボイスの思い出という形ではさみこんだ形式。ボイス、バリカイとマンレイドの出会いの挿話なので本編途中で読んだ方が良かったかな?娘子軍のノリは結構好きです(笑)娘子軍は戦いのみならず他の教養も身につけているので云々の描写があったので後の「マンレイドお母さん状態(笑)」の料理他家事一切万能ぶり、納得(笑)もっと猛々しくてもいいような気もするぞ、軍隊なんだし。読了日:09月06日 著者:竹河 聖イレギュラー (角川文庫)図書館で二回借りて文庫化されて購入、読了実は四回目。ストーリーも全てわかっているのにまたじんわり泣いてしまった。全然泣かせる話じゃないのに。「せつな系」「のぞみちゃんひかりちゃん」と、笑いをちりばめながらも「イレギュラーはボールデッドにならない」深いです。今まで読んだ青春野球小説の中の、マイベストであることは確か。読了日:09月05日 著者:三羽 省吾薬学女子「のだめ」とか理系でも「もやしもん」とか「動物のお医者さん」を想像してはいけません。どちらかというと学園祭で売っている漫研の同人誌レベルの、仲間受けするレベルの内容で残念。伝えたいことはわかるんだけど、大多数である「薬学にまったく関係ないもんね」な人々の興味を引くかというとちと疑問だし。ネタ的に面白い所もあるけど、ストーリーというよりも2,3ページの単発漫画なので人間関係とか考えるの面倒な感じなのに、同じキャラがご存知でしょうとばかりに何度も…ユニークな先生とか特化して描けばもうちょっと面白かったかも。読了日:09月05日 著者:北乃 ブンコ風の大陸 最終章 祈り (富士見ファンタジア文庫)美しい正統派ファンタジー大河小説でありました。大災害から千年、人々がそれを忘れても、大地はゆらぎ河は枯れ果て凶星は日々近づく。神々の怒りを恐れる人々はつかの間の祭りに酔いしれる。清らかなるオーラを持つ青年は使命を果たすため運命と相対するのだ。「祈り」の副題の通り一人ひとりの想いは一つとなり大陸の命運さえも変える力となる。最高潮に達した後すっ、と纏め上げられ読者はまたしても作者に翻弄され「風の大陸」の世界観に浸るのである。…以下コメントにてネタバレ、叫びなどを少々。読了日:09月04日 著者:竹河 聖