カネタタキ
毎年、この季節になると部屋の中でチッチッチと虫がなく。小さな灰色の虫でキッチンから聞こえてきたかと思うとテーブルや窓の片隅から聞こえてくる。「秋の虫 鳴き声、チッチッチッ」で検索したら「カネタタキ」という名でコオロギの仲間らしい。 あっという間に空気がひんやりして秋になった。夏らしい空と雲は少なかった。空はいつも荒れていてそのまま秋雨になってしまった。昨日のこと。夫を送り出すまではなんともなかったが洗濯物を干そうとしたところで体が重くこめかみがズキズキと痛くなつた。ちょっと横になれば回復するだろうと横になった。気がつくとお昼を越して3時が過ぎていた。体も気持ちも疲れていたのだと思う。横になっている間、意識は浅く夢と現実をいったりきたりしていた。過去のあれこれが後悔となって意識の中を流れていって。あぁ、大切な一日ををこんな惨めな気持ちで過ごしたくないと夢の中で思いながら先日テレビで見た「俳句甲子園」で女の子が言っていた「夜は自己嫌悪で忙しい」という言葉を思い出す。私は今、自己嫌悪と自己憐憫で忙しくしているんだなぁ・・・と思ったら、いっそのこと今日の一日は自己嫌悪と自己憐憫にドップリ浸かろうと思った。そしてしっかり浸った。充分に浸った。そして起きた。化粧をして外に出て歩いた。ふっきれた。久しぶりに書店に行った。背表紙を見ていくと目に付いた小さな「日本国憲法 付 教育基本法 英訳日本国憲法」の本。童話屋という出版社。童話と言えば子小さい子供けの本を出版しているはずなのに、どうして日本国憲法の本なのだろうと手に取ってみた。 子どもたち、この新しい世紀のはじめに、「日本国憲法」を読みなさい。なぜいのちや一個人というものが尊いのか、なぜ自由や平等が大切であるのかを、深く考え、話しあってほしい。ーーーーそして、ともに遠くの未来を見つめよう。千年後の子どもたちに遺すものーーー青い星、地球。そしてページをめくる。童話屋編集子による「まえがき」を読んだ。素晴らしい出会い!!!。自己嫌悪と自己憐憫ではじまった一日が、ずっと先の未来が開けてきたように思えていい一日になった。日本国憲法と教育基本法をじっくり読んだ今日の一日。できれば教会のみんなと一緒に読みたい。