【東京六大学2014秋】42年前、1シーズン121イニングを投げ抜いた投手がいた~慶応大・藤原真
■立教大・澤田圭佑(2年、大阪桐蔭)は今季も登板回数が多かった。調べてみたところ、今季は65イニングを投げておりダントツのリーグ1位。同じく2位の法政大・石田健大(4年、広島工)が40イニングだから、その差は歴然。澤田の疲労度は相当なはず。最近では、斎藤佑樹(現・日本ハム、早稲田大)が2年生の秋季に、澤田と同じ65イニングを投げており、この数字は斎藤自身、4年間を通じて最高の数字。アマチュア時代の「投げ過ぎ」は昨今の議論になっているけれど、斎藤の「今」を見ると、澤田のプロ入団後について多少の不安を覚える・・・。■ちなみに、東京六大学野球連盟のHPを見ると、連盟の最高イニング記録は慶応大・藤原真投手(西脇)の121イニングだという(昭和47年春)。ん、121?通常、5つのカードを各々1試合(9イニング)ずつ投げた場合は、計45イニングにしかならない。1つのカードあたり2試合ずつ投げても計90イニング。いったいどうやったら、1シーズンに121イニングも投げられるのか? そんな疑問が湧いた。残念ながら、この藤原投手について詳しく書かれたデータが少ない。わずかに記載があったのは『東京六大学野球80年史』(ベースボール・マガジン社)。以下に引用(写真も)。「(昭和47年春季リーグ戦において)慶大は15試合を戦う消耗戦になったが、藤原は13試合に登板して11完投、優勝した慶大9勝の内、8勝を挙げる奮闘。プロの投手の1シーズンの規定投球回数に近い121回を投げ抜いた。ハイライトは法大3回戦の延長15回4時間43分の死闘(2対2の引き分け)。藤原と法大の2年生・山中正竹の投げ合いは見事だった・・・」15試合中13試合に登板して11完投 ー なるほど。そんな過酷な登板であれば、121イニングもu頷ける。この登板頻度は「神様仏様」の稲尾和久と同等か、むしろ上回っているかもしれない!?■さて、その後の藤原投手はどうなったか?慶大卒業後、ノンプロ(1年間)を経てヤクルトアトムズに入団。1年目に9勝(8敗)を挙げるも、翌年からは怪我に泣いて毎年1勝か2勝程度に終わり、結局プロ通算23勝(48敗)で、8年間の現役生活を終えた(wikipedia)、らしい。大学時代の八面六臂の活躍ぶりから見ると、あまりに寂しい結末。アマチュア時代の「投げ過ぎ」は、将来に負の影響を及ぼすものなんだろうか?(写真)慶応・藤原真投手