【大学ラグビー2015‐16】法政の大逆転を呼び込んだ谷崎重幸監督の「魔法の言葉」~by今泉清
■大学ラグビー全国選手権は2ndステージを迎えています。昨日(12月20日)は、法政大ー中央大の一戦がありました。同じ関東リーグ同士の戦い。9月のリーグ戦ではダブルスコアで中央が勝利しましたが、この試合も中央はその勢いのままに縦横無尽に走り、そしてトライを重ねます。前半を終わって中央28-5法政。法政はチグハグな拙攻が目立ち、これではワンサイドになるのか? なんて心配しましたが、後半が始まると、法政が突然息を吹き返したように素早い展開を見せ、終わってみればなんと中央28-36法政と、法政の大逆転勝利。アマチュアである以上、予想しないことが起きることはままあることですが、法政の前・後半の動きの違いはいったいどうしたのでしょう? その理由は、ハーフタイムの際の法政・谷崎重幸監督の言葉にあったというのです。■「前半はパスの乱れが目立った。後半は自分たちの足でボールを運び、サポートしてマイボールをキープしよう」。これが谷崎監督が選手に言った言葉でした。ちょっと分かりづらいですね。この言葉の意味を、J-SPORTSの解説者・今泉清さんが補足してくれました。「(法政は)前半はどうやって得点しようとするのか、そのイメージが共有されていませんでした。でも後半になると、2人目、3人目の寄り(サポート)が急に速くなりましたね。そして谷崎監督の言葉どおり、一回ヒットしてもすぐに倒れず前に出る、ボールをつなぐという意識が皆で共有されたようです」。「監督・コーチの言葉というのは、有益にも有害にもなります。ハーフタイム時にダメなところだけをコメントすると、選手にはそれだけがインプットされてしまう。そうではなく今はこうだけど、このプレーに集中したら良くなるね、というポジティブなイメージを持たせるとチームが変わるのです」。「前半と後半の間に法政が修正できたポイントは、谷崎監督のコメントにありました。『前に出る』『足を運ぶ』『キープを続ける』がインプットされて、それを達成するために自分がどんなプレーをすればよいかを選手個々が考えたのです。その結果が大逆転勝利につながりました。要は、監督やコーチのコメント力次第ですね」。■ま、マネジメントの教科書にはよく出てくる表現、と言っては元も子もありませんが、でもラグビーってベンチワークを含めて面白いスポーツだなぁ(^_-)-☆ (写真)法政大・谷崎重幸監督。~J-SPORTSより。(以下も同じ)(写真)解説者の今泉清さん。あの早稲田の今泉、ですね。