ポールのライヴ~最終追記~
こうして、ポールのステージは、大きな感動に包まれながら幕を下ろした。この大阪公演が、ジャパンツアーの皮切りだったが、ポールは、これに準備体操をして臨んだわけではない。すでに6ヵ国を廻り、日本が7番目の遠征先だった。あの全開のパフォーマンスも、タフなポールにとっては、ただの1ページに過ぎない。71歳にして、それほどの強靭な体力と精神力を兼ね備えているのだ。音楽をしていなかったら、私の人生はいったいどうなっていたんだろうか…まったく想像がつかない。人にはそれぞれ、夢中になるものがある。私の場合、それが音楽だった。音楽がこんなにも人の心を潤し、躍動させ、幸福へといざなう力を宿しているのかと、今更ながら思う。そう…音楽は時として、人の一生を180度変えてしまうこともあるのだ。それを教えてくれたのが、ビートルズであり、今なお現役で走り続けるポール・マッカートニー、その人である。まさか、このブログを書き終えるまでに、ポールの再来日が決まるとは夢にも思っていなかった。こんなにも早く、またあのステージが日本で…あれが最後ではなかったんだ。今年の日本公演は、東京と大阪の2都市で行われる。大阪では今月の24日、長居のヤンマースタジアムで。しかし私は、あえてチケットの申し込みをしなかった。あれからまだ半年しか経っていないから、ステージの内容はそれとあまり変わらないと思うし、何より私の中には、去年のツアーがまだ続いているような想いがあるからだ。あのライヴを振り返るブログを長々と書いていることが、そうさせるのだろうか…それに、この感じなら、ポールはこれからも繰り返し日本に来てくれそうな気がする。間もなく72歳になるポールだが、まだまだ頑張ってくれるのではないか…だから、もう少し時が過ぎてからの、また違うポールを観てみたいんだ。前回、チケットが取れなかった人に、ポールのステージを楽しんでもらいたい…そんな想いもあるから、私は離れたところで、今回のライヴを見守ることにした。 ともあれ、ポールの勇姿はこの胸にしっかりと焼きつけた。たとえそれが最初で最後になったとしても、悔いはない。憧れのポールに、確かに逢えたんだ。ビートルズを愛し続けて40数年…願いはついに叶った。2013年11月11日は、私にとって最高の思い出の日になるだろう。最後に、永遠のスーパー・ヒーロー、ポール・マッカートニーに最大の敬意を表して、今回の連載を終わりたい。おつき合い、ありがとうございました。