大ぼけ四人家族物語
その家は、屋根裏に潜むネズミに悩まされていた… ある日、母がネズミ取りを買って帰った。それを見た娘が言った。「あっ!お母さん、ネズミ取り買ってきたんだ!」すると母は慌てて、「しっ…ネズミに聞こえるっ…」娘・「あっ…ごめん」 聞こえてもネズミには何のことか解らない。謝る娘もどうかしている。 すかさず、側にいた息子が言った。「大丈夫だよ、それくらいの声じゃネズミに聞こえないから…」 だから…そういう問題ではない。 翌朝のこと…父が廊下で大きな悲鳴をあげている。娘が近寄って見てみると、なんと仕掛けたネズミ取りを誤って踏んでしまった父の足に、それがしっかりと絡み付いているではないか… 娘・「お母さん、大変!お父さんがネズミ取りに引っ掛かってる!」母・「あっ、そうかい…ちょうどいいや…それ、一番いらないものだから、そのままにしときな」 え~っ!…世の父親は、こうも肩身が狭いのか…トホホ … その日を境に、不思議と屋根裏のネズミの足音がしなくなった。娘は、納得したようにこう思った。「そうか…屋根裏を走り回っていたのは、お父さんだったんだ!」 おいおいっ…