Q&A 5~DTM上級者への道・その5~
2 コードを知る~1話~ コードとは、例えて言うなら「道」のようなもの。それに対して、メロディはその道を走る「車」に相当する。 コードという名の道は、車1台が走行できる車線を何本か備えている。その車線を自由に選びながら、メロディという名の車が目的地に向かって走るのだ。 車が走った軌跡はそのまま主旋律となり、音作りの根幹を形成する。一方、道は車を誘導すると同時に、車が快適に走行できるようにサポートする役割を担っている。それは、メロディに対するコードの役割そのものでもあるのだ。 例えば、その道の車線が3本あるとする。先にも述べたように、車はその時々によって車線を自由に変更する。言うまでもなく、車が通過する軌道は1本だ。しかし、車が走る道は、それがどの車線を走ろうが常に3本のルートを確保している。 ということは、しかるべきタイミングで起用されるコードにも、3種類のパターンが存在すると考えることができる。ひとつのメロディに対して、使用できるコードの種類や進行は、ひとつとは限らない。 これが5車線の道だったら、コードの選択肢も5種類に増えるというように、いくらでもあてはめることができる。 それによって、曲のイメージが劇的に変わってしまうのは、よくあること。だから…この道は、曲作りにとって、とても重要なファクターなのだ。 では、どのコードを選ぶのか… それは作り手のセンスひとつにかかっている。単に車線の多い道を持っているだけでは、理屈好きの頭デッカチという他はなく、自慢にもならない。 その道の中から、どんな進行を決定していくのか…コード・アレンジの真価は、その一点に集約される。