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  威風堂々

  　現在滋賀県立安土城考古博物館で開催中の「造形衝動の一万年」展、大好評の内に後期展示を迎えました。そして、いよいよ、今回の展示の注目作品、富山県高岡市の二上射水神社御所蔵の重要文化財　男神坐像（像高121センチ）　が登場します。　　　大好評の展覧会。中学生も神像にビックリ！　堂々とした体躯、厳しい表情、荒ぶる神々を押さえつける威厳に満ちたその造形は、神像彫刻の最高傑作の一つです。その特徴となるのが、面部（顔）に残された「のみ」の痕跡。冠や着衣は、ほぼ平滑に仕上げられているのに対し、まさに、異形の表現となっているのです。特に、造像の中核ともいえる眼球部に「のみ」による「横しま」を形成しているところは、この神像彫刻の神髄とも言い得る表現方法です。薄暗い宮殿の中で揺れる灯火によって表情を変える、この「のみ痕」によって神秘性が見事に表現されているのです。この男神坐像は平安時代（10世紀）の作品と考えられ、「のみ痕」などによって「何か」を表現する鉈彫の成立を考えるうえでも重要な作品となっています。　　重要文化財　男神坐像　（富山県　二上射水神社蔵　藤森武氏撮影）　威風堂々　展示室の中央に鎮座されています。この機会にじっくりとご覧いただきたいと思います。　今回の展覧会では、こうした荒彫・鉈彫と言われる「のみ痕」を残す神像や仏像を多く展示しています。さらに、こうした異端の仏像彫刻の極致とも言い得る円空仏や木喰仏も展示してあります。不思議な信仰の世界をお楽しみください。　なお、常設展示室では、「金箔瓦」のテーマ展や「織田家の人々」の展示を行っています。あわせて、ご覧ください。場所：　滋賀県立安土城考古博物館日時：　平成26年9月20日（土曜日）～11月30日（日曜日）9時～17時（入館は16時30分まで）月曜休館（月曜が祝祭日の場合はその翌日）入館料：大人　890円（680円）高大生　630円（460円）　小中学生　410円（310円）県内高齢者　450円（340円）（　）は20名以上の団体料金お問い合わせ：滋賀県立安土城考古博物館　電話0748-46-2424 ==========================================★滋賀県の情報発信サイトのご紹介★滋賀県公式観光サイト滋賀県facebook 滋賀県twitter滋賀ロケーションオフィスfacebook滋賀県新生美術館整備室facebook滋賀県食のブランド推進課facebook

  2014.10.27

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  エッ！　踊っているのじゃないの？

  　安土城考古博物館秋季特別展「造形衝動の一万年」見所紹介シリーズ　第1弾！　　　　「東京国立博物館蔵（展示はレプリカ）」まずは、ご存知「踊る埴輪」。　誰もが知っている埴輪界のスーパースター「踊る埴輪」。しかし、最近の研究では、この埴輪は「Dancer」を表現したものではなく、実は、馬の手綱を曳く「馬飼人」を表現したものだと言われています。古墳からこのポーズの埴輪が見つかる場合、多くが「馬形埴輪」の前に配置され、また、多くが帽子をかぶり、鎌を持ち、「馬飼人」として相応しい姿をしていることが明らかになってきたのです。この超有名な「踊る埴輪」は、そうした「馬飼人」の姿を極限にまでデフォルメされたことから、「Dancing」と誤解されてしまったのです。よく見れば、鎌を持っていることが確認できます。　　　「鎌江一美「携帯をかけているまさとさん」　社会福祉法人やまなみ会やまなみ工房　蔵」　次に、アール・ブリュットを代表する鎌江一美さんの「まさとさん」シリーズの一つです。彼女の大好きな「まさとさん」の姿を、愛しさをこめて表現した作品で、見る者に「人を愛する優しい気持ち」を届けてくれます。細かく装飾された粘土の粒々が特徴で、そのうねるような表現が彼女の「深い想い」を感じさせてくれます。さらに、全体のフォルムに注目すれば、実に「まろやか」に形成され、モデルとなった「まさとさん」の優しさを感じさせてくれることも特徴です。　そして、この「踊る埴輪」のデフォルメされた表現と、鎌江さんの作品に見られる優しさあふれる表現。この二つの作品を見比べたとき、時や空間に関係なく、人が人を表現する気持ち、そして、人物像に託す「気持ち」の表現方法に、何か相通じるものが存在するのではと感じずにはいられません。その共通する「感じ」こそが「造形衝動」、今回の展覧会のテーマなのです。　皆さまも、是非、その目で展示をご覧になり、「造形衝動」の深く、不思議な世界を体感してください。　　場所：滋賀県立安土城考古博物館　　日時：平成26年9月20日（土曜日）～11月30日（日曜日）　　　　　 9時～17時（入館は16：30まで）　　　　　 月曜休館（月曜が休日の場合はその翌日）　　入館料：大人890円（680円）　高大生630円（460円）　　  　　　　小中学生410円（310円）　県内高齢者450円（340円）　　　  　　　（　）内は20名以上の団体料金　　お問い合わせ：滋賀県立安土城考古博物館　　電話0748-46-2424 ==========================================★滋賀県の情報発信サイトのご紹介★滋賀県公式観光サイト滋賀県facebook 滋賀県twitter滋賀ロケーションオフィスfacebook滋賀県新生美術館整備室facebook滋賀県食のブランド推進課facebook

  2014.10.07

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  びわ湖畔でワニ発見！！

  こんにちは。  お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です 今回は、地名で楽しんでみましょう 堅田の北方あたりには、歴史を学ぶ者（特に古代史）にとっては ものすごく興味深い地名が遺されています【「真野」ですね！！】　　　　　　　　　　【「春日」山ですね！！！】 【「小野」ですね！！！！】　　　　　　　【「和邇」ですね！！！！！】 真野・春日・小野・和邇って．．．．．． 第5代天皇であった孝昭天皇（大王）の第一皇子 天足彦国押人命（あまたらしひこくにおしひとのみこと）の子孫が名乗ったのが 真野・春日・小野・和邇（ほかには柿本・粟田・壬生など）という名なのです。 この一族の中心は奈良盆地にあり、 『日本書紀』によると大王家に后を出しており 古墳時代中～後期に大きな力をふるいました 彼らを総称して ワニ氏 と呼ばれています。 【輪が2つでワニ？　そのまんまのワニ？】 その一族が、堅田周辺にまとまって住んでいたのです。 では何故、堅田周辺だったのでしょうか ご存知のように琵琶湖がくびれたところが堅田。 つまり、行き交う船を管理するには最も適したところですよね。 しかも、琵琶湖は沿海州や朝鮮半島北部と日本を結ぶ国際航路の一部でしたから 王権中枢の人々が直接的に管理していたのでしょう。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 そういえば、琵琶湖から大陸を見据えていた人がいますよね。 第一回遣隋使である小野妹子さんその人です 「小野」出身であり、小野駅近くにある唐臼山古墳は彼の墓であるとする説もあるのです。 【唐臼山古墳】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【小野妹子まつりののぼり】 遙か昔を思い起こさせるよすがが無かったとしても、 地名だけでも十分楽しめますよね～ 琵琶湖畔のワニ 地名巡りしてみませんか （教育委員会　文化財保護課）

  2012.06.22

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  大津袋って何？？？

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。最近では、「お買い物にはエコバック！！」結構定着してきたかなぁと感じます。その中で、「へぇ～、こんなのも出てきたかぁ」と驚いたのがこれ！！「大津袋エコバック」だそうです。【ペットボトル用の大津袋はこんな感じです】エコの上に、滋賀県民としてはほうっておけないネーミング！！大津ってあの大津そう、関係有るんですよね。大アリですでは、大津袋とは何ぞや教科書的にいうと、棗を濃茶の時に用いる場合、仕覆にする袋のことです。【こんな感じ】簡素ではあるけれども、ころんとした棗がコンパクトにおさまっています。結んで飛び出した耳がカワイクないですかこの大津袋、実は茶の世界の超有名人の奥様が考案されたらしいです。そう、利休さんの奥様である宗恩さんです。宗恩さんは、千鳥の香炉をリサイズしたり、新たな袱紗さばきを考案するなど利休さんの新しい茶湯を支えた方としても知られますその宗恩さんが、大津の米袋の美しさに感じて考案したというのがこれ大津袋なんですってあ～、なんともいえず美しい．．．．機能美ってやつですね。米袋を仕覆にするセンスは凄いそれはそうと、どうして大津の米袋が宗恩さんの目に留まったのでしょうか天正10（1582）年以降、天下を握った秀吉さんが整備したのが大津港でした。東日本の年貢米をはじめとした物資の大半が大津港を経由することになりました。江戸時代前期後半（17世紀後半）には大坂が「天下の台所」と呼ばれ米価を決めていましたが、それ以前に米価を決めていたのは．．．．なんと大津だったのです【石場の常夜燈】天正6（1578）年に利休さんと結婚した宗恩さんはほどなく堺から京都へ出てきたのではないかと思われます。大津から京都へ持ち込まれる米袋を頻繁に目にしていたのでしょうねぇ～皆さんも、港町大津ゆかりのおしゃれな大津袋のエコバックしてみます（教育委員会　文化財保護課）

  2012.06.18

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  覚えていますか？　カモシカ系男子

  こんにちは。  お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です 昨年、このびわブロに頻繁に登場していたカモシカ系男子 今年は顔を見ませんよねぇ．．．．．． なんと、 東北の震災復興の支援で岩手県に行っているのです 彼の地で、一生懸命文化財の調査をしているようです。 【カモシカ系男子の担当地区です】 頑張ってもらいたいですね 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  で、先日芭蕉さんのお話をブログに掲載したら 福島駅前に凛々しい芭蕉像があるよ！！ と、カモシカ系男子から画像が送られてきました 【福島駅前の芭蕉像】  こちらは、石山駅前の芭蕉像【石山駅前の芭蕉像】 カモシカ系男子が言うように、 奥の細道を行く芭蕉さんは何だか凛々しい 石山駅の芭蕉さんは悟りを開いているかのような表情．．．． 面白いですねぇ。 カモシカ系男子、ありがと。 また、連絡してきてね～。 （教育委員会　文化財保護課）

  2012.06.07

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  鳥遊ぶ塔【竜王町鏡】

  こんにちは。  お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です今回は、世にも珍しい鳥が遊ぶ塔の話を。 【近江うし丸　顔出し看板】 以前ご紹介した道の駅　竜王かがみの里から２００メートルほどのところかつてあった西光寺というお寺の鎌倉時代後期の宝篋印塔が遺されています（現在は鏡神社に属しています。） 【鏡神社宝篋印塔】 このスタイルの塔は、 呉越王銭弘俶（929～988）が建てた八万四千塔（銭弘俶塔）をルーツにするもので 日本では鎌倉時代中期以降、盛んにつくられるようになりました で、数ある宝篋印塔の中で、非常に珍しいところがここ 塔身に注目【世にも珍しい宝篋印塔のフクロウ】 このフクロウは、宝篋印塔の原形とされる 中国の銭弘俶塔に直接的に由来し、 現存するものとしては 旧妙真寺宝篋印塔（北村美術館）と旧西光寺（鏡神社）くらいなのです．．．．．。 ほ～めっちゃ稀少やん！！！！！！ しかも可愛いし！！！！！！！ ん、なに 重要文化財だそうです．．．．．．． ん～、納得  で、よくよく見てみると基礎にも鳥が．．．．． 【基礎の孔雀文】 孔雀さんが彫り込まれています。 へぇ～　可愛らしいなぁ～  旧西光寺宝篋印塔は、 世にも珍しい、鳥遊ぶ塔なのです おつくりになった方、鳥がお好きだったのでしょうねぇ。 鳥好きの方、必見ですよっ （教育委員会　文化財保護課）

  2012.06.01

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  帰ってきた葱坊主【大津市唐橋町】

  こんにちは。 お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です 今回は、最近話題になっている「橋」の話題を。【瀬田唐橋　2011年2月撮影】 瀬田唐橋をめぐるエピソードは枚挙に暇がありません。 かの武田信玄が臨終の時 「我が旗を唐橋に立てよ」 といったとか言わなかったとか．．．．．。 あるいは 「唐橋を制する者は天下を制する」 な～んて誰かが言ったらしいですね。（歴史的事実かどうかはともかく．．．．）  以前にブログ（その１　その２）にも紹介したとおり 瀬田唐橋は、南京玉すだれの歌詞に出てくるくらい めちゃメジャーな存在 その瀬田唐橋の欄干が塗り替えられるということで いろいろと話題になりましたね～。 【擬宝珠が外された状態　2012年1月撮影】 で、塗り替えも大体終わり、擬宝珠が帰ってきました【完成間近　2012年5月撮影】 お～、まぶしい これが「唐茶色」ってやつですね。 ちょっと違和感があるのは、見慣れていないせいかな   【宇治橋】 おぉ、かっこええ あれ　瀬田唐橋によく似てますが、京都の宇治橋です。 そう、欄干の素材は異なりますが、色はほぼ一緒。 瀬田唐橋の欄干も、風景になじんでくると、意外といい味が出るかも知れませんね    ところで、どうしてこのタイトルと疑問のある方は、こちらをご覧下さいね。 （教育委員会　文化財保護課）

  2012.05.29

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  句会を開く墓石【大津市竜ヶ丘】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です今回は県庁から歩いていける所をご紹介します。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 墓は「木曾殿の隣に」という遺言とおり、元禄７（1694）年、大坂にて客死した芭蕉さんは、近江義仲寺にて葬られました。 元禄４（1691）年、近江の門人達と編んだ「猿蓑」に載せられた芭蕉さんの句。　行く春を近江の人と惜しみける　　　【義仲寺の句碑】芭蕉さん、近江の人と、近江という場所を、心から愛していたのだなぁと。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 芭蕉さんと近江の門人達の心温まる話には続きがあります。「猿蓑」の跋文（あとがき）を書いたのは近江の門人である丈艸さん。元禄９（1696）年、仏幻庵を結び、師の追善に日を費やしました。芭蕉さんを弔うためにつくった経塚を中心に、丈艸さんをはじめとした芭蕉門下の人たちの墓があります。さながら車座になって句会を開いているかのようです。【句会を開く墓石　竜ヶ丘俳人墓地】嗚呼、素晴らしい日々を過ごした師弟の愛のかたちなのですね。ただ、かつては、琵琶湖が望めたそうですが、現在は見る影もなく。かつ、国道一号を行き交う車の音。個人的には好きな店なのですが、ラーメン屋さんの看板が静寂を遮ります。ちょっと辛い．．．．心落ち着くこともなく、俳人墓地を離れました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 丈艸さんの句の中で私の好きなものを一つご紹介。　水底を　見て来た顔の　小鴨かな（猿蓑）　　　小鴨が水面に顔を出したときのくるんとした瞳の愛らしさが目に浮かびます。この句ひとつで、丈艸さんが心優しい人だったんだなぁと思ってしまいます。お家に帰って、芭蕉さんと門人達に献じて一服お茶うけは頂き物のたねやさんのお饅頭～【今日はこんな感じで】はぁ～、美味し　美味しいと　感じるだけで　一句も浮かばずおそまつ．．．．（教育委員会　文化財保護課）

  2012.05.25

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  ご存知ですか「近江うし丸」

  こんにちは。 お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です今年の大河ドラマは「平清盛」。なんだか評判が芳しくないようですが、面白いですよねぇ「こ～んなに小さいネタまで拾ってぇ～」と思うことしばしばこりすぎなのかも．．．と思うほどに、制作側の想いが伝わってきます。あれこれ言わず、楽しんで欲しいですねぇ 以前ブログで紹介しましたが、琵琶湖北端の港である塩津と日本海の港である敦賀を運河で結ぼうと平清盛が息子重盛に命じて工事をはじめたとする伝承が遺されているように、近江の地も平安時代の話題には事欠きません。 とりわけ、野洲から竜王にかけては話題が豊富です。 源平合戦に敗れた平家の大将であった平宗盛と息子清宗が鎌倉から京都へ送り返される途中斬られたのが、近江篠原でした。「平宗盛卿終焉之地」と刻まれた石碑と石仏をみることができます。 また、鞍馬を抜け出して奥州に向かう源義朝の息子牛若丸が元服したのが鏡の宿。のちに源義経となり、平家を滅ぼします。鏡神社の近くにある池（元服池）の水を用いて元服したといわれています。 こんな近くに平家を滅ぼさんと元服した義経と宗盛終焉の地がこんなに近くにあるなんて何か深い縁を感じますね。 「行って何がある」という訳ではない所ではありますが、その「場」に立ってこそ感じられるものがあるのです。静かに妄想したい方にはおすすめのスポットです で、「妄想だけではつまらない」とお思いの皆様のためにお腹が膨れてお買い物も楽しめる所をご紹介します宗盛終焉の地と義経元服池のほど近くにあるのが「道の駅竜王　かがみの里」です。近江牛をふんだんに使ったメニュー竜王御膳や一番人気の近江牛ハンバーグがおすすめですで、竜王町の観光大使が「近江うし丸」鏡の宿で元服した源義経の幼名「牛若丸」と、滋賀県の特産品である「近江牛」を関連付け、「近江うし丸」と名付けられたようです。皆さん、 モウご存知でしたか？ よくよく見てみると、「うし丸」の着物の紋は源氏の家紋である「笹竜胆」しかも、「うし丸」だけど元服しているので烏帽子を被っています芸が細かいですねぇ～。 これを機会に皆さんに可愛がっていただけたらと思います お土産物やさんではあれこれ目移りしたのですが、「近江富士どら焼き」を買いました はぁ～、おいし（教育委員会　文化財保護課）

  2012.05.21

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  徳源院に飛ぶ天女【米原市清滝】

  こんにちは。 お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です昨年の大河ドラマで何度も登場した京極家その、歴代墓所が米原市の清滝寺徳源院にあります 春には道誉桜秋には紅葉狩の人たちで溢れかえります。お庭は徳源院庭園として県の指定名勝です。 このお寺は江北の雄、京極家の菩提寺として京極氏信さんが弘安9年（1286年）に創建しましたその後、浅井氏の台頭とともに一時期衰え、寺も荒れてしまったといいますしかし、寛文12年（1672）、京極高豊さんが境内に三重塔（県指定文化財）を建て付近に散在していた墓を一カ所に集めたといいます【道誉桜と三重塔】 四季を通じて楽しめるお寺ですその中でとりわけ厳かな雰囲気を漂わせているのが京極家墓所（国指定史跡）です墓所は上下二段に分かれており、上段は京極道誉さんから高吉さんまで下段は京極家中興の祖である高次さん（浅井三姉妹の次女である初さんの旦那さん）以降、歴代の石塔がずらり。【京極家墓所上段】【京極家墓所下段】 上段と下段は見た目が大きく違います。上段は露天ですが、下段は覆い屋があります。その覆い屋をよく見ると手前のものだけ全面石造りなんですこれは、中興の祖高次さんのものです。やはり、扱いが違うのですね～で、よくよくみてみると、壁面にこんなものが【高次石廟のレリーフ】 雲に乗りながら手に撥を持った二人の天女がトン　トン　トン　トン「奏楽天人」ですねぇ～めちゃ可愛い墓所の厳かさの中に、こんなに可愛らしい奏楽天人が隠れていました。 さがしてみてくださいね（教育委員会　文化財保護課）

  2012.05.14

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  塩津湊にて紫式部を想ふ【長浜市塩津】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です長浜市塩津にて用事があったので行ってきました。さて、塩津といえば….【今に残る港町塩津の面影】江戸時代には日本海側との中継をする琵琶湖最大規模の港でした。近年おこなわれた塩津港遺跡の発掘調査では平安時代の起請文木簡が大量に出土しその内容から、この地が湖上交通で栄えていたことがうかがわれました今は静かな町になっていますが、鉄道や自動車による交通体系が確立されるまではホントに賑やかな町だったそうですで、古代から多くの人々がこの地を訪れていたことが知られています。有名人としては紫式部さんを挙げることができるでしょう。都合のよいことに、紫式部さんはこの地で一首詠んでくれているのです　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　少し、ご紹介しましょう。長徳2年(996)9月紫式部さんは父藤原為時とともに越前へ赴いた時の歌と詞書が「紫式部集」にあります。  　　塩津山といふ道のいと繁きを賎の男のあやしきさまどもして　　『なおからき道なりや』　　　といふを聞きて　　『知りぬらむ往来にならす塩津山世に経る道はからきものぞと』　　と詠んでいます現代風に言いますと塩津山という道に草木が茂り、荷物を運ぶみすぼらしい姿の男たちが『やはりここは難儀な道だなあ』と言うのを聞いて、『お前達もわかったでしょう。　　　　歩き慣れている塩津山も世渡りの道としては辛いものだということが．．．』という意味らしいですなるほど「塩津山」道と「からき道」「からきもの」をかけているのですね。親父ギャグや駄洒落も、ここまでいくと文学になるのですねぇで、厳しい山道を行くことと厳しい世渡りの道をかけているのですねお父さんである藤原為時が越前の国司として家族を伴って赴任することを紫式部さんは「宮仕えって大変　世渡りって大変」と感じたようです。 で、紫式部さんがこの歌を詠んだのは何歳ぐらいだったのかなぁ～ん彼女、生没年不詳ですが、どうみても、結婚前ですよねおいおい、おませさんだなぁ～。正真正銘の文学少女であった若き日の紫式部さん。父の赴任地である越前に着く前にホームシックにかかってしまったのでしょうかきっと文化の香り溢れる平安京を離れ難かったのでしょう。琵琶湖を北上し、塩津湊から塩津山を越えて越前へと向かう道すがらめちゃめちゃブルーになっている紫式部さんの顔が浮かぶようです。そのように思えば、宮仕えの辛さを詠んだわけではなく、お父さんの仕事の都合で平安京から離れなければならないのはいやや～と（文学的に）駄々をこねているように思えますね。結構可愛らしいなこの日の紫式部さんは景色を愛でる余裕はなかったんでしょうねぇ。 【ええ景色】 そんな、彼女を想いつつ一服。 はぁ～、美味し花粉いっぱいでくしゃみが止まらへん春の日でした（教育委員会　文化財保護課）

  2012.05.09

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  モテモテ西行さんの足跡を訪ねて【米原市醒ヶ井】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です皆さん大河ドラマご覧になっていますか？藤木直人さん演じる西行さん。坊さんとは考えられないような漫画のようなモテっぷり「んなあほな～」と画面に向かってつっこんでいる方、たくさんおられると思います。実はデスねぇ、滋賀にもモテモテ西行さんの足跡が残されているのです。ということで、やって参りました米原市醒ヶ井。 ＪＲ醒井駅から徒歩5分ほど。ありますねぇ「西行水」いってみましょう　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ほう、醒ヶ井らしく湧き水スポットがありますね。コンコンと湧いています。なんで「西行水」と言われているのでしょうか？？？看板をみてみると．．．．．西行さんがこの泉のほとりで休んでいたところ、茶店の娘さんが西行さんに一目惚れ（ふんふん、なるほど。）西行さんが飲み残したお茶の泡を飲むと、（えっ、飲み残し飲んだの）不思議にも懐妊（不思議すぎるっちゅうねん）男の子が生まれました。（え～、なんでやね～ん。理解できん．．．．．）西行さんが再び茶店で休んだところ、娘さんから一部始終を聞き「今一滴の泡変じてこれ児となる、もし我が子ならば元の泡に帰れ」と念じ　　　水上は　　　清き流れの醒井に　　　浮世の垢をすすぎてやみんと詠むと、男の子は消えて元の泡になったといいます。（え．．．．．．ミラクルや．．．）で、西行さんはここに石塔を建て、泡子塚と言われたそうです。（ん～、なんだかなぁ～）西行さんがモテモテだったのは分かりましたが、な～んだか共感も感心も納得も出来ず釈然としないまま、帰路に．．．．．。気を取り直して、ＪＲ醒井駅横にある「醒井水の駅」に立ち寄り、醒井のお水を買いました。これでお茶を点てますで、西行さんのモテモテ伝説からお店の名前をとられた「泡子堂」さんの六方焼をお茶うけに一服。はぁ～、おいし醒ヶ井の水、なかなかイケますね（教育委員会　文化財保護課）

  2012.05.01

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  鵜川にて一人茶会【高島市鵜川】

  こんにちは。 お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です 湖西に用事があったので行ってきました。かえり道すがら、ふと鵜川に寄ってみたくなりました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  さて、鵜川のお目当ては....【鵜川四十八体仏です】 どど～んと、高さ１．６ｍにもおよぶ３３体の阿弥陀様が集合壮観です。 この阿弥陀様は、白鬚神社の縁起によると、天文22（1553）年に近江守護六角義賢さんが亡母の追善のため、48体の阿弥陀坐像をつくらせたといわれています で、それはともかく48体の阿弥陀様がなぜか33体しかない．．．．  実は、江戸時代初期に天海僧正によって13体が坂本の慈眼堂へと持って行かれたのです．．．． ということは、48引くことの13は33 あれ、2体足りませんね その2体は、ホントにホントに残念なことに、昭和62年に盗難されてしまったのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  ともあれ四十八体仏、実際には、義賢さん以前につくられているようなので、義賢さんにまつわるエピソードは、少なくとも江戸時代に成立したもののようですが．．．．。 後世に付け加えられた「お話」であるとはいえ、母への想い、といえば「鵜川の四十八体仏」ですね。歴史的事実とは別に、その雰囲気を味わいたいのです。 私事ですが今月は母の命日がめぐってきます。 鵜川の阿弥陀様に心を込めて献茶 合掌。 （教育委員会　文化財保護課）

  2012.04.23

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  深坂峠にて一人茶会【長浜市西浅井町沓掛】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。福井に用事があったので行ってきました。少し雨が降っていたのですが、寒くはなかったですねぇ。やっぱり春かな？この日は、８号線を北上していく道すがら、県境の手前でちょっと寄り道。ここには、紫式部が父に伴われて塩津湊から越前を目指した塩津海道が通っているのです今回は、その行き着く先である深坂峠に行きたかったのです。 【塩津海道】道の行き着く先、峠あるのは深坂地蔵さんです。 【深坂地蔵】このお地蔵さん、またの名を「掘止め地蔵」とも言います。今から800年以上も前、大河ドラマで取り上げられている平清盛が息子重盛に命じ琵琶湖と日本海を結ぶ運河を造ろうとしたのです。これは、第二次世界大戦後も試み続けられた琵琶湖と日本海、伊勢湾と結ぶ「琵琶湖運河計画」の第一号だったのです！！！！ただし、岩が多く、工事が難行した上、大岩を割ると作業員が腹痛になり、お地蔵さんを祀り、計画を断念したのだそうです。清盛の果たせなかった夢のかたちが、このお地蔵さんなのです！！！ともあれ、厳密には、清盛がこのような計画を立て、実行にうつしたかどうかはわからないのですが…深坂地蔵のお話しが、史実であるかどうかはともかく、琵琶湖に思いを馳せた人々がつくりあげた「お話」も地域のことを理解するためには非常に重要な一齣であると思います。琵琶湖に向き合った人々の夢に、一服献じることにしましょう 【お堂を前に一服】はぁ～、美味し（教育委員会　文化財保護課）

  2012.04.16

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  烏帽子岩で一人茶会【米原市磯】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です先日、江北に用事があったので行ってきました。まだ風が冷たかったのですが、春が来るなぁっていう感じの日でしたちょうどお昼に米原あたりを走っていたので、お弁当を持って磯に．．．．ここは万葉の歌人である高市連黒人も詠んだ景勝の地。　　　磯の崎　　　漕ぎ廻みゆけば　　　近江の海　　　八十の湊に　　　鶴さはに鳴く湖岸に立つ歌碑です。ここには烏帽子岩という岩があるのです。ご存知ですか？この岩は、大小二つの岩が寄りかかるようにして立っているのでそれぞれを「男岩」と「女岩」と呼び総称して「結びの岩」とも呼ばれているそうです。もしかしたら縁結びにいいかも ということで、お弁当も食べたので一服はぁ～、美味し。（教育委員会　文化財保護課）

  2012.04.10

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  今川焼き食べてオリンピックへ！！

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。先日、高島市勝野あたりに用事があったので行ってきました。雪が少し残り、いい感じでした。画像は高島駅近くの乙女が池です。池と呼ばれていますが、琵琶湖の内湖。穏やかな湖面には水鳥たちが集います。冬のおすすめスポットの一つです。景色だけでも魅力のある湖西ですが、湖西路の道中の友を紹介いたしましょう。国道161号、大津市南船路にある「南極堂」さんです。創業は昭和35年だそうです！！！ あんこたっぷりの今川焼き（110円）が評判！すごく美味しいので、お気に入りです。是非、湖西路の友にどうぞ！！ で、なぜタイトルの「今川焼き食べてオリンピックへ！！」という話になるのかというと．．．．年末にテレビを見ていましたら、滋賀県の誇る東レ・アローズのエースであり日本代表のエースでもある木村沙織選手が出演されていました。その中で、「勝負メシ」として東レアローズの練習場から1時間ぐらいの場所にある今川焼きをドライブがてら食べに行くと！！最近では、ワールドカップが始まる前と終わった後に食べに行ったとお話しされていました！！それって、南極堂さんや～ん。木村選手の勝負メシって、あんこたっぷりの今川焼きやったんやぁ～。世界に誇るトップアスリートだから遠い世界の人かなって思っていましたが、同じものを食べていると思うとすごく親近感わきますし何だかうれしいですよね～。ということで、木村選手、「南極堂」さんの今川焼き食べて、オリンピックに行ってくださいねっ！！応援しますよ～っ！！（教育委員会　文化財保護課）

  2012.03.16

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  堅田といえば落雁

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。先日、文化財保護課の「探訪　近江水の宝　浮御堂と今堅田を歩く」のスタッフとして堅田を歩いてきました。堅田では何度も探訪イベントしているのですが、何度行っても「あれっ、こんな所があったのかぁ」と発見することが多いですね。私にとっては魅力溢れるまちです。琵琶湖大橋から堅田の町をのぞむ今回はスタッフとして参加しているので、あんまりウロウロと楽しんでばかりはいれません。そこで、お店の見学をさせていただいた「金時堂」さんのご紹介を！堅田の和菓子屋さんとして有名な「金時堂」さん最近では「いちご大福」が評判です。が、やっぱり堅田らしい和菓子をおすすめします。４色味セットの「落雁」や香ばしいはったい粉を使ったあん入り落雁もあるのです。滋賀県民ならご存知でしょうが、堅田といえば、近江八景の「堅田の落雁」として知られています。中国湖南省の洞庭湖周辺の水の情景を集めて描いた「瀟湘八景図」に見立てて琵琶湖周辺の水の情景を取り上げたのが「近江八景」ですよね。その中の一つ「堅田落雁」は秋の雁が鍵になって干潟に舞い降りてくる風景である「平沙落雁（へいさ らくがん）」を見立てたもので、浮御堂という名所とドッキングしてつくりあげられたものです。江戸時代以降、雁が列をなして優雅に舞い降り、湖に浮かぶ浮御堂というのが「堅田落雁」のお決まりの構図です。で、お菓子の「落雁」とは．．．．糯米を炒って粉末とし、それに砂糖や水飴を加え、花や鳥などの型に入れて固めていろいろな形にし、乾かしてつくるらしい。その名のいわれは諸説あるのですが．．．説１明朝の時代に「軟落甘（なんらくかん）」というものがありその軟を略して落甘とした。 説２『類聚名物考』に「もと近江八景の平砂の落雁より出し名なり。白き砕米に、黒胡麻を、村々とかけ入れたり。そのさま雁に似たればなり」とあります。 白地に黒ごまの斑点が雁の群れのようだと．．．．えぇ～っ、まじで？！「堅田の落雁」って干菓子の「落雁」の名前の由来なん！？すごすぎ～ということで、金時堂さんで落雁を購入！浮御堂が象られていますね。綺麗やわ。食べるの勿体ない。けど食べるのだ！はぁ～、おいし。暖かくなったら湖岸で点ててみよ～。（文化財保護課）

  2012.03.02

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  大近江展 ☆ 江戸日本橋高島屋 ☆

   浅井QP長政でござる。たまたま江戸へ出かけたら、日本橋の高島屋で、第２４回大近江展が開催されておった。旭日に輝く大近江展じゃ。主催はびわこビジターズビューローで、滋賀県の後援という。近江のおいしいものや伝統工芸品が盛りだくさん出店され（食品４４社、工芸品１６社）、多くの人でにぎわっておった。大盛況じゃ。ワシはいつも小谷城跡（長浜市）から国見しておるが、琵琶湖を中心とした豊かな自然のなかで、すぐれた歴史や文化をはぐくんできた近江の地には、全国に誇れる個性的なよいものが、いくらでもあるのう、と改めて感じたもんじゃ。これをきっかけに、たくさんの人に実際に近江に来て欲しいなと思っておったら、ちゃんと観光コーナーが用意されておった。これだけの観光パンフレットが集まる機会は、そうはないくらいに充実しておった。お客さんが、たずねれば、なんでも親切に教えてくれるところが、またよかったのう。そのなかで、文化財保護課の職員さんが、近江の城跡や近江水の宝をあれやこれやと案内しておった。近江水の宝は、琵琶湖や水にかかわる文化遺産のなかでも、とくに優れたもの６４件を滋賀県教育委員会が選定したものじゃ。これをまとめた水の宝マップを示して、いろいろ説明しておった。写真を趣味にしているお客さんが、「これはいい」と喜んでおったのう。「よかった、よかった。」第２４回大近江展は2月24日（金）から3月1日（木）までの１週間で、会期中、いろいろなプレゼントやイベントもあるようじゃから、お近くの方は、是非いちいど訪ねてもらいたいものじゃ。詳しくは今すぐここをクリック（文化財保護課） 

  2012.02.28

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  「韓国における海外日本古美術展」報告記（その４）

  Ａｌｉです。韓国出張編第４弾として、韓国の博物館施設の報告をします戦争記念館の次に訪ねたのは、地下鉄で３駅目にあるサムスン美術館Leeumです。サムスン美術館Leeumは、韓国を代表する企業サムスングループのサムスン文化財団によって２００４年にオープンしました。展示は韓国の古美術品を常設展示するMUSEUM１と、韓国と外国の現代美術を常設展示するMUSEUM２に分かれています。いずれも斬新な建築で、MUSEUM１の建物はスイスの建築家マリオ・ボッタが韓国の陶磁器からインスピレーションを受けて設計され、MUSEUM２の建物はフランスの建築家ジャン・ヌーヴェルによって設計されました。公式ホームページ（韓国語、英語のみ）↓　http://www.leeum.org/html/main.aspサムスン美術館Leeum外観中央がMUSEUM１、向って右がMYSEUM２入り口MUSEM１は４階建てで、最上階までエレベータで上がり、らせん状の階段を下っていきます。展示される韓国古美術のコレクションは国内トップクラスで、先史時代から朝鮮時代までの文化遺産を収集しています。書画、陶磁器、金属工芸、仏教美術など、韓国美術史を代表する著名な作品を多く所蔵し、国宝に指定されているものもあります。こちらもゆっくり鑑賞すると１日では足りないので、陶磁器と金属工芸を集中的に鑑賞しました。MUSEM１（パンフレットより）MUSEM２（パンフレットより）サムスン美術館にはMUSEM１、MUSEUM２に加え、オランダの建築家レム・コールハースによって設計されたサムスン児童教育文化センターがあります。ここでは各分野の専門家が研究、展示、保存および教育活動を実施しており、最先端技術も取り入れた企画展示と美術館プログラムが運営されています。私が訪ねた折は、企画展「The Court Painters of Joseon Dynasty」（朝鮮画員大展）が開催されていました（会期は１月２９日まで）。「画員」とは朝鮮王朝の宮廷画家のことで、宮廷の図画署に属しながら国家や知識人の求めに応じ、書画を制作していました。本展では画員画家たちによる代表作や、画員の広範囲にわたる活躍を示すさまざまなジャンルの作品が展示されていました。人物画や花鳥画、山水画、仏画など、朝鮮時代の宮廷画家による秀作の数々が展示されており、限られた時間ながらも興味深く鑑賞することができました。特に、王族の輿の行列を描いた「動駕班次図」（作者不詳、１９世紀）は、各人の装束や旗、武器などが細密に描かれており、見飽きることがありません。作品の前にはタッチパネルが設置されており、観覧者はパネルを操作しながら任意の場面を拡大し、細部を鑑賞することができます。サムスン美術館ならではの演出といえます。展示品のなかには、大和文華館所蔵「雲山図」（李長孫ほか、１５世紀）のように日本に渡った作品も出品されていました。企画展「The Court Painters of Joseon Dynasty」（朝鮮画員大展）のパンフレット企画展の出口付近には、なにやら暗い一室があります。子どもは入室禁止とのこと。入ってみると朝鮮時代の春画が展示されていました。のぞき窓から見られるよう、粋な工夫がなされておりました。日本の美術館も採用してみては如何でしょうか。サムスン美術館の展示品の素晴らしさは言うに及びませんが、展示品を演出する建物の設計や展示ケース、照明など、万事に行き届いています。ミュージアムショップも洒落ており、何度でも訪ねたくなります。韓国訪問の折はぜひとも足をお運びください。 （つづく）【文化財保護課】

  2012.02.22

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  「韓国における海外日本古美術展」報告記（その３）

  Ａｌｉです。韓国出張編の第３弾を報告いたします。　出張３日目となる１月１６日（月）も、国立中央博物館にて展示ケースや温湿度等、展示環境の調整をおこなうのですが、当日は開館日のため、作業は閉館後になります。　午前中は国立中央博物館にて、常設展示を見学しました。国立博物館の常設展示は１階から３階まで、約４０室以上におよび、展示品を時代別、分野別、地域別に区分して陳列しています。　常設展示室を落ち着いて鑑賞しようとすれば２～３日はかかるので、国宝の半跏思惟像や青磁・白磁、仏具（鐘、舎利荘厳具など）など、興味のある分野に絞って鑑賞したのですが、それでも時間は足りませんでした。　午後は、韓国の博物館施設について学ぶべく、まずはじめに戦争記念館を訪れました。戦争記念館は、国立中央博物館から地下鉄で２駅目、大韓民国国防部の正面に立地します。記念館正面の巨大な造形物が目を引きます「兄弟の像」「韓国戦争モニュメント」案内パンフレットによると、戦争記念館の目的は　◆戦争・軍事を主題に先祖が命をかけて戦った各種の記録と遺物、資料を総合的に収集・保存・研究・展示　　◆戦争の教訓と護国尚武精神を学ぶ生きた教育の場としての役割　　◆先烈および戦争英雄の護国偉勲を追慕・継承とされます。公式ホームページ（日本語）↓　http://www.warmemo.or.kr/jp_2010/intro/message/message.jsp戦争記念館の建物　展示は、屋内展示と屋外展示に区分されています。３階建ての建物内にある屋内展示室は、護国追慕室、戦争歴史室、韓国戦争室、海外派兵室、国軍発展室、大型装備室など６つの展示室で構成されています。三国時代から現代までの戦争の資料と国のために献身した人々の勲功などが、実物・ジオラマ・複製品・記録画・映像などの多様な方法によって展示されています。特に朝鮮戦争（韓国での呼称は「韓国戦争」あるいは「６・２５戦争」）に大きくスペースを割り当てています。　※屋内展示については写真掲載を控えておきます。　屋外展示場には、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争などで使用された車両、戦車、野砲、航空機、装甲車、艦砲、潜水艦、レーダーなどが展示されています。戦争記念館の屋外展示↓戦争記念館の屋外展示↑　こちらの館も広大なうえに展示品も数多く陳列されているため、１日ではとても観覧できません。取り急ぎ駆け足で展示室を回り、戦争記念館を後にしました。（つづく）（文化財保護課）

  2012.02.20

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  おいでやす！　講座　「縄文人の祈りと造形」

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。平成22年に愛知川上流の相谷熊原遺跡で日本最古級の土偶が出土しましたねぇ。湖国では、この土偶をはじめとして豊かな縄文文化が華開いていたのです。個人的には学問として縄文時代を研究するというよりアートとしてみることが多いですね。これは大津市粟津湖底遺跡から出土した縄文時代中期の土器です。まるでプレデターの髪の毛のような管が渦巻いています。なんだかゾクゾクッとしますね。縄文土器の荒々しい、不協和な形態、紋様に心構えなしにふれると誰でもがドキッとする。と語ったのは岡本太郎さん。なるほど～これは守山市赤野井浜遺跡から出土した縄文時代晩期の土偶です。大きく口を開いて何を叫んでいるのでしょうねぇ。歓喜の歌か、それとも悲鳴か．．．．願わくは前者であってほしいですね。これは近江八幡市上出Ａ遺跡から出土した黒曜石の石鏃です。めっちゃかっこいいですね。機能美っていうんでしょうか．．．．柳宗悦さんによると、用途に徹して無心につくられたものは、無駄な要素がすべて削ぎ落とされ、すべからく美しいのだといいます。「用の美」っていうやつですね。これは大津市粟津湖底遺跡から出土した縄文時代中期の琥珀のカケラです。岩手県久慈で採掘（採集）されたと考えられる琥珀。遠い琵琶湖の湖畔まで旅をして、誰かの身を飾ったのでしょう。私と同じように、今から4000年以上前の人もこの琥珀をみて「美しいな」と思ったのでしょうね。4000年以上の時間を隔てて同じことを感じるなんてミラクルやなぁ～ということで「大地の遺産活用事業　講座　縄文人の祈りと造形」のご案内です。「縄文人の祈りと造形」に光をあて魅力を大いに発信したいと考えております。で、講座第一弾は平成24年2月18日（土）東近江市埋蔵文化財センター（定員100名）を会場に13:30から開始いたします。講座第二弾は平成24年2月25日（土）伊吹山文化資料館（定員50名）を会場に13:30から開始いたします。講座の詳細はこちらをご覧下さい。で、参加者にはテキストとして『縄文人の祈りと造形』を配布いたします。是非是非、おいでくださいね～（教育委員会　文化財保護課） 

  2012.02.16

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  寒いときには「かしわ鍋」

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。今年の湖北は雪が多いですねぇ。ま、盆梅展のときには雪があった方が風情があるように思えます。ということで、行ってきました長浜！で、その日はちょうど大雪だったのです！！いつもは賑わっている大通寺門前も今日はさすがに静かです。北国街道沿いの安藤家の前も雪だらけ春になれば公開されるようですよ！！かの北大路魯山人が「福田大観」と名乗っていた頃、身を寄せ、後に華開く芸術の芽を伸ばしていたのが長浜だったのです！！！！めっちゃ楽しみですね！！！！春になると「長浜戦国大河ふるさと博」も開催されますね！春の長浜は楽しみやなぁ～というのはすべて前振り。今回の長浜旅の目的は．．．．ここですわ、ここ！！皆さんご存知でしょうか？長浜駅前通りの「鳥喜多」さん親子丼とかしわ鍋が絶品なのですよねぇ。最近は行列が出来て、諦めて帰ってしまうことがあるのです。ですから、こんな大雪のひと気の無いときはチャンス！！みるからに美味しそうでしょ！！鶏肉の甘みがギュと出る親子丼も美味しいのですが、冬は特にかしわ鍋がおすすめ。レンゲに乗っているショウガを入れると身体中ポッカポカです。この日は、幸せな気分で過ごしました～。そうそう、長浜に住んでるＱＰ長政は何故か鳥喜多さん行ったことないねんなぁ？こんど一緒に行こ～（教育委員会　文化財保護課）

  2012.02.11

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  「韓国における海外日本古美術展」報告記（その２）

  　Ａｌｉです。前回に引き続き、韓国ソウルの国立中央博物館で開催されている「日本　仏教美術―琵琶湖周辺の仏教信仰―」について、報告いたします。１月１６日（月）は博物館の休館日です。展示替えはこの休館中に行います。明洞の宿泊地から博物館までは地下鉄で６駅、約２０分で到着します。博物館の外観敷地内の池（鏡池）は凍っていました国立中央博物館は、１９０８年に朝鮮皇室博物館として設置され、日本敗戦後の１９４５年に国立博物館となり、１９７２年に国立中央博物館と改称しています。１９８６年に旧中央庁（旧朝鮮総督府庁舎）に移転し、２００５年に現在地に新しい博物館を建設・移転しました。所蔵品は１３万点あまりで、約９万２千坪の敷地をもち、地下１階・地上６階と世界有数の規模を誇ります。２０１０年は約３０７万人の来場者が訪れ、入館者数ランキングではアジア第１位となっています。　「日本　仏教美術―琵琶湖周辺の仏教信仰―」は平常展示館１階の特別展示室で開催されています。韓国国立中央博物館　公式ページ（日本語）博物館の入り口（メインホール）平常展示館一階の通路展示室を一巡した後、国立中央博物館のスタッフとともに展示替え作業に取り掛かりました。琵琶湖文化館などで何度となく目にし、なじみのある文化財ですが、展示場所が変われば印象も変わります。韓国でもその存在感を充分に発揮していました。　展示ケースを開け、作品の状態をチェック後に撤収します。そして、収蔵庫から新たに展示する作品を搬出して、ケース内に陳列します。絵画作品については全点入れ替えで、大掛かりな作業となりましたが、韓国側スタッフ、日本通運スタッフ等の御尽力により、作業も滞りなく終了しました。後期から展示される「叡山図　曾我蕭白筆」　　滋賀県所有（滋賀県立琵琶湖文化館保管）特別展示室前のホール比叡山や竹生島など、滋賀県の代表的な風景写真を並べています。館内各所に設置された、展覧会のサイン 　今回の出張の目的である展示替えについて、詳細な内容や作業風景、展示作品等をみなさんに紹介したかったのですが、博物館にとって展示替え作業は非常にデリケートで、公開することが叶いません。これは万国共通ですので、なにとぞ御了承ください。ただ、国立中央博物館スタッフの御配慮、日本通運スタッフの技術はすばらしいの一言で、この点を重ねて強調しておきます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）文化財保護課

  2012.02.06

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  「韓国における海外日本古美術展」報告記（その１）

  Ｃｌａｙです。昨年１０月以来、久しぶりの登場となります。突然ですが、年も改まりましたので、気分一新、Ａｌｉと改名します。今回は、現在開催中の展覧会（しかも海外！）のお知らせをします。　現在、滋賀県の仏教美術を紹介する展覧会が大韓民国国立中央博物館（ソウル）にて開催されています。日本文化の理解と国際親善の推進に寄与することを目的として、毎年海外で開催している日本古美術展として開催されます。この展覧会では、滋賀県の優れた仏教美術の中から、国宝４件、重要文化財３１件を含む５９件を公開しております。県庁内にもポスターが掲示されているので、御承知の方も多いと思います。【展覧会の概要】１．名称　　「日本　仏教美術―琵琶湖周辺の仏教信仰―」２．会期　　平成２３年１２月２０日（火）～平成２４年２月１９日（日）３．会場　　大韓民国　国立中央博物館（ソウル特別市龍山区龍山洞）４．主催 文化庁・滋賀県・九州国立博物館・大韓民国国立中央博物館さて、この展覧会は会期が２か月と長いため、絹や紙でできた文化財（絵画、書跡・典籍など）については、文化財保護の観点から半期で展示替えがなされます。実は私、この展示替え作業のため、１月１５日（日）から１月１８日（水）まで、韓国に出張してまいりました。今回はその報告をさせていただきます　私にとって韓国訪問は２度目ですが、前回の訪問は約２０年前のことです。しかもソウルは初めてですので、出発前から気分が高揚していました。関空から13:40のフライトわずか２時間ほどで… 仁川国際空港に到着です（デカイ）空港鉄道Ａ'ＲＥＸに乗りソウル駅に到着しました。地下鉄で宿泊地の明洞へホテルに到着しました１５階の窓からは明洞大聖堂が見えます　京都の自宅からソウルのホテルまで、束の間の移動でした。ホテルに到着すると、早速、主催者の文化庁職員、九州国立博物館職員、作業を担当する日本通運職員と合流し、明日の展示替えの打ち合わせをおこないました。困難な作業も予想されますが、それ以上に博物館の展示替えに久しぶりに携われることで、期待感も否応なく高まります。（つづく）文化財保護課

  2012.02.06

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  お江戸で琵琶湖？！

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。先日、東京国立博物館に用事があったので行ってきました。早く着きすぎたので渋谷にて途中下車岡本太郎さんの《明日の神話》を見に行きました。人によって好き嫌いもあるでしょうが、圧倒的な存在感。相変わらず、渋谷の太郎さんは元気です。で、雑踏の中、じろじろと見ていたものの、半時間ほどで移動。お昼ご飯も食べたいので、上野に向かいました。で、早めのお昼ご飯を食べてもまだまだ時間があるので、上野公園をお散歩。私的な上野公園のイメージとしては．．．．．まずはパンダの上野動物園つぎは、お世話になることが多い東京国立博物館それから寛永寺さん上野動物園に立ち寄ると楽しみすぎて約束の時間に間に合わないといけないので寛永寺さんのまわりを散策しようかなと．．．．そも寛永寺とは東京都台東区上野桜木一丁目にある天台宗関東総本山のお寺さん。山号は東叡山（とうえいざん）。開基は徳川家光さん、開山は慈眼大師・天海さん寛永２年（1625）に開かれました。本尊は薬師如来です。徳川将軍家の祈祷所・菩提寺で、歴代将軍のうち６人が眠っています。これって察しのよい方ならばピンとくるでしょうねぇ。京の都の鬼門（北東）を守る比叡山に対して「東の比叡山」という意味で山号を「東叡山」とし、創建時の元号をとった「延暦寺」に対して「寛永寺」としたのですよね～。さらにさらに寛永寺開山の慈眼大師・天海さんは不忍池を琵琶湖に見立て竹生島になぞらえて、弁天島（中之島）を築かせ、弁天堂を作った。えぇ～、上野に琵琶湖や竹生島もあるんやぁ～行ってみよ～ということで、上野公園の琵琶湖を見てみることに！！！蓮池は今のシーズン枯れ枯れやね．．．弁天堂は賑わっていました！！比叡山や竹生島や琵琶湖と比べると、なんかちゃうよなぁ～と思いつつも戦国に終止符を打ち、幕府が安定の兆しを見せ始めていた頃天海さんの想いが表現されたものと考えると．．．．．大いに「アリ」なんでしょうねぇ。今回は、「お江戸で琵琶湖？」というお話しでした。 （教育委員会　文化財保護課）

  2012.02.06

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  船のふるさと★今堅田★

  ご無沙汰しています。かもしか系男子です。子供のころ、「地下鉄の電車は、どっから入れたんでしょうねぇ。それ考えると一晩中眠られなくなっちゃう！」という漫才がありましたが、電車と同じく、琵琶湖の大型船は、どこから入れたかご存じですか？　竣工当時、アメリカミシガン湖からやってきた豪華船と宣伝されていた「ミシガン」を見て、ミシガン（琵琶湖汽船）全長59ｍ・総トン数921.13ｔ素朴に、どうやって琵琶湖に入れたのだろう？と疑問に思ったものです……大阪湾から淀川を遡って来たの？でも、天ヶ瀬ダムと瀬田川洗堰は絶対に船が越えられないはず！！水路がムリなら陸上輸送か？ばらして、道路で運んだ！！　それもムリそう……。まさか、空輸！！答えは、「琵琶湖で造りました」です。ミシガンを始め、琵琶湖の船の多くは、大津市今堅田にある杢兵衛造船所で建造されたものなのです。株式会社　杢兵衛造船所堅田は古くより、琵琶湖の水運・漁業の中心地！！琵琶湖に浮かぶように見える堅田の町並み堅田の船は、戦国時代には、織田軍の一翼を担う水軍だった！！江戸時代には、堅田の丸子船が琵琶湖水運を支えました。現存する数少ない丸子船（北淡海・丸子船の館〔長浜市西浅井町大浦〕）また、今堅田は、船を建造・修理する船大工の町でもありました。今堅田に残る当時の港（船入）杢兵衛造船所もそうした船大工の系譜を引く企業なのです。見学に訪れた日には、琵琶湖汽船のビアンカがリニューアルためにドックに入港していました。豪華客船「ビアンカ」　ただ今、ペンキ塗り中！！その横では、新しい船も建造されていました。名前は「杢兵衛造船所」と古風ですが、平成21年には軽合金製の船「Megumi」が「シップ・オブ・ザ・イヤー2008」を受賞するなど、技術と船のデザインには定評があります。堅田は古い伝統と今が同居する町なのです。町中で見つけた和菓子屋さんも…金時堂の「堅田名菓　らくがん」伝統的な和菓子の隣にかわいいクマさんキャンデーが！！いつもお世話になっている薺さんやアルバイトの皆さんにお土産として買って帰りました。（文化財保護課）

  2012.02.02

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  【探訪】大溝城と城下町をゆく★みなさん、ご参加ください★

   大溝城は天正６年（１５７８）に、織田信澄が内湖（乙女ヶ池）畔に築いた水城です。信澄は信長の弟の子（甥）で、新庄城主（高島市新旭町）磯野員昌の養子となって当地に移り、 新庄や南市（高島市安曇川町）などから、商人らを移住させて城下町をつくりました。【大溝城天守台跡】西近江路と大溝港が出会う水陸交通の要衝に位置することから、江戸時代以降も分部氏２万石の陣屋がおかれ、 高島地域唯一の城下町として繁栄し、今なお城下町の風情を色濃く残しています。【大溝城下町　道路の中央に水路がある】今回の探訪では、高島市教育委員会や県の文化財専門職員が 高島町観光ボランティア協会のみなさんとともに同行案内し、大溝城と城下町を詳しく訪ねます。主催は滋賀県教育委員会・高島市教育委員会で高島町観光ボランティア協会にご協力いただきます。開催日は平成２４年３月１０日（土）13:00から受付で、13:30に出発、16:00頃に解散の予定です。参加費２００円（保険料など）が必要です。定員は申し込み先着順で６０名までです。１．氏名、２．電話番号、３．ファックス番号、４．電子メールアドレス、５．居住する市町村名、６．この探訪イベントを、なにで知ったかを、 添えて下記までお申し込みください。滋賀県教育委員会事務局文化財保護課　記念物担当Tel：077-528-4674　　Fax：077-528-4956E-mail：ma07@pref.shiga.lg.jp（電子メールでの申し込みを推奨します）多くのみなさまの参加をお待ちしております。詳しくは↓チラシをご覧ください。【試飲する地酒】【注意】行程中に地酒の試飲、酒粕の試食がありますが、　　　未成年者および当日中に自動車の運転予定がある参加者の　　 試飲はできません。

  2012.02.01

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  五郎平さんのサツマイモ

  浅井QP長政でこざる。さて、今回の話題の舞台は伊吹山の南麓、米原市弥高でござる。今日は、興味深いお話を一席いたしましょう。さてさて、この弥高の集落は、典型的な扇状地上に立地するから、ほとんど田んぼがない。本来は畑作以外と山仕事で生計をたてるほかない寒村であった。江戸時代も終わりの頃、この村に松本五郎平さんという人が生まれた。朴直で忍耐つよく、篤農の念が厚い人だったという。長じて以降、弥高の土地にふさわしい農作物はないかと、いろいろと探し求め、自分の畑に桃、栗、リンゴなどを試作しては、ことごとく失敗、しだいに財産を食いつぶしていった。村人はこの様子を見て嘲笑したが、五郎平さんはまったく意に介せず、ますます盛んに、ふさわしい農作物を求めて、あちこち探し歩いた。こうして安政年間（1854～1859）に至って、 五郎平さんは、ようやくこれぞ有望という農作物に巡り会えた。尾張（愛知県）から持ち帰った甘薯（サツマイモ）の種苗がそれである。五郎平さんは、このサツマイモの栽培方法を研究し、かつ村人に広く教えたので、サツマイモは弥高の特産品として、遠近に聞こえるほど有名になった。そして、弥高の人々はそのサツマイモの収入で、他集落で水田を購入していったから、弥高は古来の寒村を脱して富裕の村となったという。五郎平さんは弥高の英雄であり、村の鎮守の平野神社の社務所横に碑が建てられている。【弥高の平野神社】【松本五郎平さんの碑】

  2012.01.27

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  悲しき法界坊

  またも登場！浅井QP長政でござる。今回は、少ししんみりと語るといたしましょう。さて、近江鉄道の鳥居本駅（彦根市）のちかくに、上品寺（じょうぼんじ）というお寺がある。このお寺の鐘楼（しょうろう）には、世にも珍しい梵鐘（ぼんしょう）が吊されている。そして、表面のいたるところに、ぎっしりと文字がきざまれている。記されているのは、布施者（寄進者）の戒名月日。その主は、江戸吉原の花魁（おいらん）花扇・花里姉妹を中心とする人たちである。【中央の右寄りに法海・花扇とある】ときは江戸時代のこと。法界坊は荒れ果てた上品寺をたてなおそうと、江戸に出て勧進をおこなっていた。あるとき、才色兼備で知られた花里が、法界坊の法話に感激し、法界坊に梵鐘の寄進を発願（ほつがん）したという。しかし、悲しいかな、花里はこころざしなかばで、まもなく病死した。そこで姉の花扇が妹の遺志をついで、この梵鐘を鋳造し、法界坊に寄進した。法界坊はこの鐘を荷車に積んで、はるばる江戸から持ち帰り、鳥居本の上品寺に安置したという。明和６年（１７６９）のことである。法界坊は、文政１２年（１８２９）に７９歳で亡くなっているから、１９歳でこのことをなしとげたことになる。ところで、歌舞伎狂言に『隅田川続俤』（すみだがわ ごにちの おもかげ）という演目がある。これは、法界坊のさきの実話に取材したものだが、この歌舞伎狂言では、法界坊は梵鐘寄進の勧進をネタにして、その浄財で暮らす好色の悪党として描かれる。１９歳の若き僧侶と、色才兼備の花魁姉妹、そして梵鐘寄進という異色の組み合わせが当時、スキャンダラスな憶測をよんだのか。この歌舞伎狂言の初演は天明４年(１７８４)。「ひどいじゃないか」このとき３４歳の法界坊は、きっと大いに悲しんだことでありましょう。

  2012.01.27

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  マスマスおいしい

  久々の登場！浅井QP長政でござる。さて、さて。ついこのまえ、マス（鱒）を買ってきて、刺身とアラ汁にして食べたぞ。このマスじゃ。1.8kgあって、ちょっと値段は高かったが、山盛りの刺身ができた。「美味でござる！」といって、また、食べ過ぎたし、飲み過ぎたぞ。マスは夏のものというが、このマスは４月くらいまでの方がうまい気がする。ところで、最近、『東浅井郡志』巻四をぺらぺらと見ていたら、浅井長政さんの祖父にあたる浅井亮政さんが、弓削与三郎さんから鱒（マス）五尾をもらって、お礼をいっている手紙が載っておったぞ（P１５８）。これじゃ！鱒五送給候。賞翫無究候。毎度御懇情、難申尽候。客来之時分、一入祝着候。旁期面拝候。恐々謹言。　　六月十二日　　　　　　　　　亮政　　　　弓削与三郎殿　　　　　　　　御宿所「賞翫究（きわみ）なく候。毎度御懇情、申し尽し難く候」と、たいそうなよろこびようじゃが、それもそのはずこのマス（鱒）はビワマスじゃ。【ビワマス】（夏に撮影）ワシが食べた上述のマスは養殖物のニジマスで、亮政さんの在世中には、まだ日本にはおらんかったから、ビワマスにちがいないということじゃ。ビワマスは琵琶湖の固有種で、味は絶品。浅井亮政さんが６月１２日にお礼の手紙を出しているように、夏が旬じゃな。天然物の流通量が限られておるが、醒ヶ井養鱒場のおかげで、最近はいよいよ養殖が本格化してきたようじゃ。滋賀のおいしいコレクションも開設されたことじゃし、まぁ、みなさん。一度、このホームページを見てみてくだされ。

  2012.01.27

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  賤ヶ岳攻防戦　玄蕃尾城をゆく

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。先日、福井県の一乗谷（いまやソフトバンクのCMで有名ですね）に行った帰りについついお気に入りの玄蕃尾城に行きたくなったので立ち寄りました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　玄蕃尾城は近江と越前の国境にある山城。「かかれ柴田」柴田勝家と「木綿藤吉」羽柴秀吉が雌雄を決した賎ヶ岳合戦において、勝家の本陣が置かれた城なのです。山上の主郭（本丸）を中心に、南北方向に巧みに連結された６つの郭（平坦面）と、東西の張出郭・腰郭からなり、およそ、東西１５０ｍ、南北２５０ｍの範囲にわたります。これら６つの郭群が効果的に連結されており、侵入しようとする敵軍に対し、側面から攻撃（横矢掛り）しつつ迷路のように何度も屈曲を繰り返させ、さらに、道が太くなったり細くなったり行き止まりになったりと多勢の侵入を防ぐ構造になっているのです。 このお城中世から近世への過渡期に当たる城郭築城術を探るうえで重要織田軍団築城術の到達点保存状態が良好手入れが行き届いている素晴らし～いなどなど絶賛の嵐！！こ～んなに皆さんに絶賛される強固なはずの玄蕃尾城ですが、勝家軍はこれら強固な陣に拠って戦うことは一度もなく、余呉湖畔で敗北そして越前に向けて敗走．．．．もったいない！！！！！！！！！！！！！っていうか逃げるんなら守り固めても意味ないし！！！はぁ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そんな玄蕃尾城には、車ならばお手軽に行けちゃうのです。滋賀県側から行くと、365号から柳ヶ瀬トンネルを抜けてすぐに右側の林道に入ります。 そこから林道を10分ほど走ります突き当たりは広くなっており駐車場に（８台くらいはとめられるかな～）。さらには便所まで～（いいとこ押さえてますねぇ）そこからゆっくりゆっくり歩いて10分ほど え～もう峠やん～らくちん～もう少し歩くと山頂部 案内看板ですここで呼吸を整えて、玄蕃尾城の見学にはいります。 道はぐねぐね曲がったり太くなったり細くなったり、まるで迷路のよう。すんなりと虎口には入らせてもらえません。 主郭のまわりには大きな空堀と土塁が築かれています。主郭に入るには土橋を渡るしかありませんが、そこには城兵がひかえているのでしょうね。 主郭は広々としています。おそらく本陣はここつまり、勝家は間違いなくここで采配をふるっていたのでしょうねぇ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　公共交通機関では行くのが難しいのですが、車で行くと超楽ちん駐車場から徒歩10分ちょっとで、日本屈指の山城を見ることができるのです。おすすめですよ～（教育委員会　文化財保護課）

  2011.12.08

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  近江は☆福の神☆のふるさと！！　【招き猫】

  こんにちは！かもしか系男子です。この秋の文化財保護課はお城散策イベントのシーズン真っ盛り最近は、ＱＰ信長さまの命を受け、土日も観城軒さんたちの与力を頑張っていますこういう時ほど、人の頑張りに気づくものですね街中で頑張っている猫を見つけました お客さんを呼び込んでいる道の駅の招き猫さん－塩津海道あぢかまの里－（長浜市西浅井町塩津浜）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ところで、全国各地で見かける招き猫さんですが、実は、滋賀県ととても深い繋がりがあります。招き猫が最初に福を招いたとされる人物は、近江国の関係者！！なのです（※招き猫の逸話には異説もあります。）その逸話は、東京都世田谷区にある豪徳寺とお殿様にまつわるものです。江戸時代の初め、急な夕立に足止めされたお殿様が大木の下で雨宿りをしていると、目の前の豪徳寺で猫が手招きしました。不思議に思ったお殿様が猫に誘われて門内に入ると、それまで彼が雨宿りをしていた大木に雷が落ち、お殿様は猫によって九死に一生を得ました。また、別の逸話では、夕立の最中、お殿様が猫により門内に招き入れられたことから、豪徳寺の住職の法談を聞くことができ、人生の師を得たとも伝わっています。どちらのお話が本当だったのかは、今となっては知るすべもありませんが、招き猫に最初に福をもらったこのお殿様は、井伊直孝　彦根藩２代藩主です。また、豪徳寺は井伊直孝によって、井伊家の菩提寺となりました。　 【国宝彦根城天守】彦根城は井伊直孝が城主であった元和八年（1622）に完成しました。現在の彦根の繁栄は井伊直孝のおかげといえます。福の神「招き猫」に愛された街　彦根！！そういえば、最近、彦根には有名な猫がいますね☆ひこにゃん☆実は「ひこにゃん」、井伊直孝の招き猫の逸話がモデルなのです平成19年に「ひこにゃん」が彦根城に住み始めて以来、彦根を訪れる観光客は大きく増えました。ひこにゃん関連グッズの売り上げは年間約8億円ともいわれています。現代の招き猫「ひこにゃん」は日々、彦根へ福を招き入れています。（文化財保護課）

  2011.12.02

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  木之本ぶらりぶらり

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。先日、カモシカ系男子と木之本を訪れました。早めに用事が済んだので昼ご飯を買いに「つるやパン」さんに！ 皆さんご存知かと思いますが、コッペパンの中身にタクワン漬けが入っているという地元で絶大な人気を誇るこのパン最近は色んなメディアに登場して全国区になりましたよねぇ。で、買いに行ったところ．．．． なんとちょっと早めというのが裏目に出ました次の用事があるので、もう移動しなければなりません。後ろ髪を引かれる思いでつるやパンさんを後にしました．．．．泣く泣く店を出ると、右手に見慣れないものがごろり．．．．． よくよくみてみると．．．． 信長没後の後継をめぐって豊臣秀吉と柴田勝家が雌雄を決した賤ヶ岳合戦の七本槍にちなんで命名された「七本槍」で有名な冨田酒造さんの店先に杉玉がごろり。そして真新しい杉玉が下げられていました。造り酒屋さんは、緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる役割を果たしているのです。あ～今年もそんな季節なんだなぁとあらためて感じました　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そういえば、去年は歴史好きの仲間のお別れ会の時に七本槍を買ってきて大宴会をしましたねぇ～。今年も七本槍大宴会やろうかな（教育委員会　文化財保護課）

  2011.12.02

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  働き者のお猿さん　　日吉大社

  こんにちは！！かもしか系男子です。そろそろ紅葉のシーズンですね！この時期、私のオススメは大津市坂本にある日吉大社！神社の参道を彩るカエデの紅葉は絶品です11月11日～30日の期間には夜間ライトアップも！詳しくは日吉大社のホームページを御覧下さい。ところで、テレビドラマに出てくる豊臣秀吉。子供の頃は、「日吉丸」と呼ばれていますね。これは江戸時代に書かれた豊臣秀吉の伝記「絵本太閤記」に出てくる話が元となっています。（残念ながら本当にその名前だったかは不明なのですが…）なぜ、「日吉丸」なのか日吉大社　神の使いはお猿さん（神猿　「まさる」と読みます）！！サル顔の秀吉≒偉いサル≒日吉大社の神猿という連想からとする説もあります。実際、秀吉は日吉大社を崇敬し、天正年間には参道の橋（日吉三橋）を寄進しました。 大宮橋（重要文化財）石造り橋にかかる紅葉はとっても綺麗だよ～現在の日吉三橋は寛文9年（1669）に再建されたものです。そして、参道を西本宮に向かって進むと、なにやら檻があります。そうです。神馬舎の隣には、神猿さま！ 現役の神猿さまところで、日吉大社には、現役の神猿さま以外にも、たくさんのお猿さんがいるのです。例えば、西本宮楼門。一見すると普通の楼門ですが、よく見ると… 【日吉大社西本宮楼門（重要文化財）天正14年（1586）再建】軒下に何かいますね　拡大すると.... あ　木彫りのお猿さんだこちらを窺っています。 中には、400年以上も屋根を支えているがんばり屋さんもいます！次に、西本宮本殿で参拝を済ませて、　ふと、目を横に向けると社務所の前にはおみくじ！！そこには おみくじの神猿さん達が大勢でお出迎えどの子にするかとても迷いました。さらに坂本の町なかには、和菓子屋さん「鶴屋益光」の前で 獅子舞といっしょにお猿の最中が組み体操をしています本当に働き者のお猿さん達ですね！その日の夜は、 買ってきた最中「銘菓　比叡のお猿さん」を食べながら、おみくじを開けて運試し 神猿　おみくじむふふ…明日も良いことありそうです（文化財保護課）

  2011.11.25

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  国の華を訪ねて　【甲賀市信楽町】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。先日、大仏さんをつくろうとした甲賀寺を訪れました。甲賀寺は、天平１７年（７４５）に頻発した地震や山火事の影響で、造像作業を止め、聖武天皇ともども平城京へと戻ります。世に言う“平城還都”です。 【復元された平城宮大極殿　去年の平城遷都1300年は楽しかった】ということで、聖武天皇の大仏造像プロジェクトは、甲賀寺から東大寺へとバトンタッチされました．．．．．【現在の東大寺】わずか２年ほどの造営期間でしたから、建物らしいものはなかったとみられます。つまり、大仏さんをつくろうとしたときの痕跡はほとんど残されていないのでしょうね～。 “その後の甲賀寺はどうなったんだ～”“今、甲賀寺と呼んでいる礎石の跡は何なんだ～”という声が聞こえてきそうですね。どうやら国分寺になったようなのです。遺されている礎石は、近江国分寺のものと考えられます。“国分寺”といえば、今でも全国あちこちに地名を残していますね。 【中央線なのだ】大仏造像プロジェクトに先立つ天平１３年（７４１）に、聖武天皇が国の安寧をはかるために各国に国分僧寺と国分尼寺を建て、七重塔に天皇が写したお経を納めるよう命じたのです。これを“国分寺建立の詔”といいます。ただ、建築ははかどっていなかったようで、近江国においてもおそらくは着手されていなかったのではないでしょうか。そこで、大仏造像プロジェクトが頓挫した甲賀寺（の跡地）において、近江国分寺を造営しよう、ということになったのでしょう。さて、聖武天皇は、どの様な場所に国分寺をつくらせようとしたのでしょうか。国分寺建立の詔をみてみましょう。　　国の華であり、必ずよい場所を選んで真に永久たらんとしなくてはならない。　　人家に近くて悪臭が及ぶのは良くないし、遠くては集まる人々が疲れるので良くない。と詔にみえます。ベストロケーションを選び抜いて国分寺造営の地としたのですねぇ。加えて国分寺は「国の華」だと述べられています。文化・信仰の中心地であり、当時最先端の技術でつくられた大規模建造物が建ち並んだのです。 【塔跡です】目の前には礎石があるのみ．．．往時の姿を思い描くには、瞼を閉じて想念するしかありませんね～でも、「国の華」と呼ばしめた麗しい空気感は１２５０年という歳月を経てもきっと変わらないと信じて．．．．　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうそう、話はかわりますが信楽のMIHOミュージアムでの「神仏います近江　天台仏教への道」ご覧になりましたか？ お釈迦さん入滅から最澄さんが開いた天台仏教の確立までの流れをみていくものです。信仰の対象ではあるものの、それを超えた美しさにおののきます。展示の方法も工夫されているなぁと感心。展示は１２月１１日まで。是非足をお運び下さいね！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　で、本展の主人公でもある、日本の天台を確立したのが近江国滋賀郡（現在の大津市）出身の最澄さん。その最澄さんがお坊さんになるために修行したのが紫香楽の近江国分寺。そして修行中の僧侶達が起居した僧房がこちら．．． 【近江国分寺（甲賀寺）の僧坊】ということはえぇ～最澄さんここにいてはった～ん？！MIHOの展示見て、ついでに見に行こ！！！（教育委員会　文化財保護課）

  2011.11.16

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  六角さんに会いに行く？！【近江八幡市安土町石寺】

  どーも観城軒でございます。またまたＱＰ信長公が、取って返したように来ておられますぞ。 【やっぱりここが気持ちいいのう！】いや、先日はうろたえてしまってな。　　例のブックレットを頂戴するのを忘れてしもうたわ。 【「まるごと水口城」で配布しました！】だめですよ！　　ブックレットは当日来ていただいた皆様にお配りするものですからね。　　勝手に持っていかないでくださいね。そうなのか、それは残念。　　おや、別のブックレットもあるじゃないか。【観音寺城跡のブックレットです】それもだめですよ！　　そっちは11月26日に繖山山上の観音寺城跡での史跡案内でお配りする分です！ 【繖山遠景】ほほぅ、観音寺城か。　　安土城の直ぐ隣、わしが追っ払った六角氏の城だな。 【観音寺城跡の大石垣】観音寺城は国の史跡に指定され、日本最大の山城として有名です。　　安土城に先駆けて大量の石垣を使った城です。そうそう、でかい城なんだが、わしが攻めた時は中はもぬけの空だったぞ。　　だいたい、六角氏はなんであんな風に城を構えておるんだ？　　あれでは防備がなっておらんぞ？！　　ワシの安土城とは雲泥の差じゃ！それが諸説紛々、謎になっているんです。　　私ども滋賀県教育委員会でも発掘調査を行いましたが、　　新たに判明したことが出てきまして、　　検討し直さなければならないことも多い城なんです。なにを面倒なことやっておるんだ！　　そんなことなら城主の六角承禎にさっさと聞けばよいではないか！それができれば悩まずに済んでます！　　それに、さっき｢追っ払った｣て、言ってませんでしたか？　　ＱＰ信長公！あ！そ、そうであったな…。　　文書もいっぱい焼いちゃったかも…。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　当日は文化財保護課担当職員が現地をご案内します！皆様ぜひご参加ください！場　　所：史跡観音寺城跡（東近江市・近江八幡市）日　　時：平成23年11月26日（土）9時45分～16時　※雨天決行 集合場所：観光案内所ぷらざ三方よし（旧生き活き館、東近江市五個荘塚本町）前　　　　　午前9時から 当日のコース　　ぷらざ三方よし→川並道→伝布施淡路丸→大土塁→伝本丸上方郭群→伝本丸→伝平井丸→　　伝池田丸→伝池田丸下方郭群→観音正寺→伝目加田丸→川並道→ぷらざ三方よし・解散全行程約10km 定　　員：100名（先着順）　　参 加 費：30円（保険料） 参加方法：参加希望の方は、氏名・住所・連絡先を明記の上、 電話・ＦＡＸ・Ｅメールで下記まで事前にお申し込みください。 申込締切：11月25日（金）12時必着 お問い合わせ・申込先 滋賀県教育委員会事務局 文化財保護課 城郭調査事務所 電話：0748－46－6144 　　ＦＡＸ：0748－46－6145 　E-mail:ma16@pref.shiga.lg.jpその他 参加いただいた方にはブックレット『観音寺城跡－江南の雄　六角氏－』（滋賀県教育委員会発行Ａ5版29頁）を当日配布します。 　弁当・水筒を持参の上、山城歩きに適した服装・履き物でご参加ください。 　なお、弁当の斡旋をいたします。ご希望の方は参加申込の際に弁当希望の旨と個数をお申し　出下さい。　※1個500円　お支払は当日、弁当と引き換えでお願いします。　　参加費は当日受付でいただきます。釣銭の要らないよう、ご協力をお願いします。 　負傷による救急受診に備えて、各自保険証を持参してご参加ください。 主催：滋賀県教育委員会 協力：近江八幡市・安土町観光協会・安土町商工会・東近江市観光協会（教育委員会文化財保護課）

  2011.11.16

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  Taroの信楽－太陽の塔－

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。11月から陶芸の森産業展示館で開催されている「岡本太郎と信楽展」の見所紹介です！！なんとなんと、オープンから半月で入館者が一万人を超えました。すごいすご～い 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　で、岡本太郎さんの数ある作品の中で最も有名なものは．．．．．やはり“太陽の塔”ですよねぇ～。太陽の塔の背面で睨みをきかせている“黒い太陽”は信楽で制作されたものなのです【黒い太陽】1970年（昭和45年）に開催された大阪万博のテーマは「人類の進歩と調和」太郎さんがテーマ館のプロデューサーとして創り上げたのが太陽の塔でした。近未来的なパビリオンがひしめく中で、原初的な力が漲らせた太陽の塔は、ひときわ目を惹く存在でした 【太陽の塔　背面の黒い太陽】また、太陽の塔の地下に人類の発展に寄与した偉人の写真を並べる予定だったのに対し、「世界を支えているのは、無名の人たち」であるとし、世界中の人々の写真や民具を並べるように進言したのだといいます。太陽の塔は、高さ70m、基底部の直径20m、腕の長さは25m。未来を表す上部の黄金の顔（直径11m、目の直径2m）、現在を表す正面胴体部の顔（直径12m）、過去を表す背面に描かれた黒い顔の3つの顔を持ちます。太陽の塔の内部には、生命を支えるエネルギーの象徴である高さ45mの『生命の樹』があり、単細胞生物から人類が誕生するまでを、下から順に＜原生類時代＞＜三葉虫時代＞＜魚類時代＞＜両生類時代＞＜爬虫類時代＞＜哺乳類時代＞にわけて、その年代ごとに代表的な生物の模型によって表していました 【太陽の塔内部の「生命の樹」】太郎さんは、信楽で制作された“黒い太陽”についてこのように語っています。　　一見静かに沈んだ顔に見えるが、　　この世の不調和、矛盾などすべてに憤りを表している。　　顔の周囲に11本の緑の稲妻を付けた「黒い太陽」で　　各国の元首を迎える儀式場をにらんでいる。　　（『読売新聞・滋賀版』1969年10月12日）太郎さんが万博によせる思いの大きな部分が、“黒い太陽”に表現されているのですね。実際に万博公園に行って“黒い太陽”と対面すると、やはり威圧感を感じます 【信楽にて黒い太陽を制作しているところ】 【完成記者会見in信楽】この2つの画像、まさに信楽で“黒い太陽”がつくられていたことを示すものです。完成記者会見では、非常に面白いエピソードが残されていますのでご紹介しましょう。上の画像のように、記者が居並ぶ前に綺麗に並べられた“黒い太陽”。そこに太郎さん「ビールもってこい～！！」なんと、“黒い太陽”の口にビールを注いだのです。これには記者達も大喜びして、会場がにわかに大盛り上がりしたと言いますこういったエピソードを聞くと、芸術家っていうよりも、「岡本太郎」という“表現者”なのだなぁと感じます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ということで、数回にわたって「岡本太郎と信楽展」の見所をご紹介して参りました。本邦初公開の資料もありますし、岡本太郎さんと信楽のかかわりのあった“ご当地”ならではの作品もたくさん。太郎さんグッズの販売もあります。「へぇ～、太郎さんって」「へぇ～、信楽って」という声が聞こえてくるような展示です。生誕100年の今年是非とも「岡本太郎と信楽展」をご覧下さいね。展示期間は平成23年11月1日～12月18日入場料は無料！！です！！で、好評につき、ギャラリートークの回数を増やすことにしました。11月20日（日）11月23日（祝）12月４日（日）12月11日（日）12月18日（日）です。いずれも11:00・13:00・15:00から20分ほどです。トークの後は、ご質問などもお受けいたします～是非是非、足を運んでくださいね～（教育委員会　文化財保護課）

  2011.11.16

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  近江と美濃の国境　のろしを上げろ～【米原市上平寺】

  文化財保護課から、歴史探訪イベントのお知らせです。今回の探訪先は、米原市の上平寺館跡・上平寺城跡・弥高寺跡です。開催日時は１１月２３日（祝）。朝９時３０分までに伊吹薬草の里文化センター（ジョイいぶき）駐車場に集合です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　さて、上平寺館跡・上平寺城跡・弥高寺跡は鎌倉時代～戦国時代に、北近江を支配した名族京極氏にかかわる遺跡として史跡指定されています（史跡京極氏遺跡）上平寺跡は大永年間(1521～1527)以前の京極氏の本拠で、庭園跡のある京極氏館跡を中心に一族や重臣の屋敷跡群がひろがっています。【上平寺館跡　庭園跡】上平寺城跡はその背後の伊吹山南麓尾根上にあります。京極氏が寺院上平寺を改修して城郭化した後、京極氏の家臣から成長した浅井氏が元亀元(1570)年の姉川合戦直前に、信長の近江侵攻に備えて越前朝倉氏とともに改修したことが知られています。弥高寺跡は上平寺遺跡の西側尾根上に位置する寺院跡で、天文５年（1536）には４０坊以上があったと記録されます。竪堀等もみられることから、京極氏によって上平寺とともに城郭として改修されたようです。【弥高寺跡　伝大門跡】今回の探訪では、県と市の文化財専門職員の同行案内のもと、濃尾平野から近江一帯にかけての絶景を眼下に楽しみながら、これらの遺跡を詳しく訪ねます。【弥高寺跡から琵琶湖を眺望　　沖島はもちろん比叡山まで見通せる。　　　　振り向けば、濃尾平野も一望できる】あわせて、近江中世城跡保存団体連絡会が、弥高寺遺跡で実施する第１０回近江中世城跡琵琶湖一周のろし駅伝ののろし上げを見学し、昼食時には弥高さつま会によるさつま汁を食します。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　★定員★事前申し込みが必要です★お申し込みは文化財保護課E-mail：ma07@pref.shiga.lg.jpへ多くのみなさまの参加をお待ちしております。詳しくはこちらチラシはこちら↓ （教育委員会　文化財保護課）

  2011.11.16

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  芸術の秋・食欲の秋【祈りの国近江の仏像みて、公設市場でランチ】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。秋ですねぇ～秋と言えば、“芸術”“食欲”“スポーツ”ですね。これを一挙にやってしまおうというご案内です“芸術”“食欲”“スポーツ”を一度に出来るところってあるんやろうか．．．．．あるのです！！！瀬田なのです！！！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まずは、文化ゾーンに行きましょう！！！文化財保護課イチオシの展覧会滋賀県立近代美術館で「祈りの国、近江の仏像」をみましょう！！ぷりんとしたほっぺたが愛らしい湖南市正福寺の重要文化財木造十一面観音立像、悪いことをしていなくても「すいません」と謝ってしまいたくなるほど人の心を見透かすような目をした大津市石山寺の重要文化財木造大日如来坐像〈快慶作〉をはじめとして名だたるほとけさまがずらり．．．．．この展覧会を企画された学芸員さんは、“この展覧会だけで近江の仏像は語れない”と展示冒頭の箇所で述べられています。この学芸員さん、近江の仏像研究の第一人者でいらっしゃいます。その彼をして、そう言わしめる近江の仏像って．．．．．“この展覧会だけで近江の仏像は語れない”から行く必要がないのではなくて、“近江の仏像を知るためには、この展示をみなければ始まらない”ということなのです。会期は11月20日までです。急げ～。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ということで、た～くさんの仏さまに囲まれて、いろんなこと感じたり考えたりするとお腹減りますよね．．．．ということで、お昼ご飯食べに行きましょう！！向かうのは、大津市公設地方卸売市場です。　　お昼ともなると、卸売市場は静かです．．．．が、一箇所だけ盛り上がっているところがあります。それが、ここ市場食堂いっしん太助さんです！！！！ここのバイキング、値打ちですよ～　 おばちゃんと取り合いですわ．．．．闘いに敗れても、お店の人がすぐに補充してくれるので安心なのですけどね。ということで、まぁ調子に乗って食べた食べた。しばらく動けへん。ちなみにバイキングは11時30分から2時まで日曜祝日はお休みです。中学生以上945円です～。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ようやく動けるようになったので、ちょいと体を動かしてみようとあたりをキョロキョロ。するとこんなポスターが！！！ 「スケートに行こう」誘われているじゃないですか～。滋賀県立アイスアリーナすぐ近くやから、行こ行こ～実は、学生時代アイススケート部に所属していたのです久しぶりなので楽しみ～ えぇ～、マジで．．．．時々休みやねんな．．．．ホームページをチェックしておいで下さいね。てなことで、今日はスポーツの秋を実践することなく、観て、食べて．．．．あぁ、食べ過ぎたなぁ。秋だから、天高く太ってしまうのかな．．．（教育委員会　文化財保護課）

  2011.11.09

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  ビックレイクで水の宝発見！！【守山市服部町】

  こんにちわ「へちかん」です。先日の休日、全国高校サッカー選手権の県予選（高校総体）の見学に、「ビックレイク」（通称）まで行ってきました。 【アップの最中ですね】守山市服部地先に2005年に開業したサッカー場で、サッカーをする環境としては、県外にも誇れるすばらしい施設です。施設の正式名称は、実は「野洲川歴史公園サッカー場」なんですね。え、「歴史公園」？そう、ここは歴史公園なのです。周囲の野洲川沿いには弥生時代の集落跡で有名な服部遺跡が広がっていて、守山市立埋蔵文化財センターが近くにあります。 【守山市埋蔵文化財センターです】 【服部遺跡です】野洲川の改修･保全事業が完成することを記念して建設されたのがこのサッカー場なんです試合の合間に、へちかんがうろうろしていると、公園内で面白い記念物を発見しました【野洲川改修事業完成記念碑．．．ですね】それがこれです。これは何でしょう？ 古墳の石室のように見えるこれは、琵琶湖に注ぐ川、幸津川の平地化工事中（平成５年）に発見された樋門（桑之木樋門）でした 【樋門です】記録によると、長さ４ｍの花崗岩の板石を２面建て、小さな板石をはめて、箱形に組み通してある棒の上げ下げで水を通したそうな。移設された樋門の横には立派な解説板があり、詳しい歴史と樋門の仕組みを知ることが出来ました。【解説板です】 うむー。これも「近江水の宝」であったか・・・と感心しました。皆さまもサッカー見学のついでに、見学していただけると幸いです。（教育委員会　文化財保護課）

  2011.11.07

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  Taroの信楽－坐ることを拒否する椅子－

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。11月1日からオープンした陶芸の森産業展示館で開催されている「岡本太郎と信楽展」の見所紹介です！！ 岡本太郎さんは多種多様な大きさの作品をつくられていますが、人間に比較的近いサイズのものは1963年に制作され、信楽の工房から世に出て行った「坐ることを拒否する椅子」でしょうね～。椅子なのに、坐ることを拒否するなんて．．．そもそも理解不能ですよね。ありえへんし～では百聞は一見にしかずということなので見てみましょう。　　　　あかんや～ん！！坐ってもらう気ゼロじゃないですかぁ！！！ギロリと眼をむき、坐られることなど念頭にないような椅子。これは、人々を挑発して止まない太郎さんの芸術的あり方を端的に示す作品であると評価されています。では太郎さん自身の言葉をみてみましょう私はグッド・デザイン式の椅子、あのお尻の雌型のような、いかにも坐ってちょうだいと媚態をつくっている不潔さがキライだ！おやおや。激しいですねぇ～生活のなかに生命感のあふれる遊びがない。それが現代の空虚だ。私は素朴な合理主義や機能主義をのり越えて、いちだんと激しい生活感、イマジネーションをうち出したかったのだ。そこで、椅子でありながら、精神的にも、肉体的にも、人間と「対等づら」する、こいつらを作った。生活の中の創造的な笑いである。深いわ．．．深すぎるわ．．．一見コミカルな表情ではあるけれど、私たちに挑戦してくる椅子なのですね。安息に流れることを拒み、新たに行動を起こすことを強くうながしています．．．．。追記当時、制作にあたった信楽の人達は「やっぱり坐れへんわ～」と言いながらつくっていたらしいです。売れっ子のお笑い芸人さんオードリーの若林さんは売れない時にこの椅子に座ったら、ケツが痛くなってきて、感動して泣いた。こういう笑いを作ろうと思った。とおっしゃってたようです。【坐ることを拒否する椅子のミニチュア】※海洋堂さん造形企画制作の岡本太郎生誕100年記念「岡本太郎アートピースコレクション」の一つです～私のデスクの上で「色んな事」を拒否しています．．．．ちなみに、11月13日と12月4日の11:00・13:00・15:00から展示担当者によるギャラリートークがあります。”ココだけの話”満載です。12日から展示する●●も必見です！！（詳しくは新聞報道をお楽しみに！！）お楽しみに～（無料です）（教育委員会　文化財保護課）

  2011.11.02

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  大願を発す【甲賀市信楽町甲賀寺】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。11月9日ってなんの日かご存知ですか？甲賀市信楽町にあった甲賀寺において聖武天皇が「大仏造顕の詔」（大仏さんをつくりましょう宣言）を出したのが天平15年（743）10月15日。10月15日は旧暦ですので、現在のグレゴリオ暦に換算すると、11月9日になるのです。そう、聖武天皇が詔を出したのは10月半ばではなく、信楽では霜がおりはじめる11月上旬の出来事だったのです。【甲賀寺のある丘を見上げて】 ここに天平十五年歳次癸未十月十五日を以て、菩薩の大願を発して、廬舎那仏の金銅像一躰を造り奉る。国銅を尽して象を溶し、大山を削りて以て堂を構へ、広く法界に及ぼして朕が知識と為し、遂に同じく利益を蒙らしめ、共に菩提を致さしめむ。それ天下の富を有（たも）つ者は朕なり。天下の勢を有つ者も朕なり。この富勢を以て、この尊像を造る。事や成り易き、心や至り難き。もし更に、人情（こころ）に一枝の草、一把（すくい）の土を持ちて像を助け造らむと願ふ者有らば、恣（ほしいまま）に聴（ゆる）せ。（『続日本紀』より）このように、国家の力のみではなく、民衆もこの造像に協力したいものがあれば参加してもかまわないと．．．．。甲賀寺での大仏造像は天平17年に頓挫し、プロジェクトそのものは、東大寺へと引き継がれます。これを、専制君主の夢を民衆に押しつけた馬鹿げた話だと一蹴される方もおられます。確かにそういった側面があったことは否めません。ただ、平安時代末と戦国時代末に大仏が焼亡してもなお、列島全域を巻き込んだ民衆の力によって再興されたことを考え合わせると、天平の大仏造像は、無意味なことではなかったのだと感じることがあります。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　さて、今年も、11月上旬の信楽を感じにやってきました。近年は看板やお手洗いも準備され、おもてなしの気持を十分に感じることが出来ます。 【案内看板】【綺麗なお手洗い】寺院跡のある丘を登っていくと点々と据えられた礎石（建物の柱の土台）をみることができます。足下には古代の瓦が．．．（持って帰ってはいけませんよ！！　文化財保護法および遺失物法に抵触します！） 深呼吸して信楽の11月の空気をめいっぱい感じます。ここから軽く妄想タイム。そして、落ち着く礎石に腰掛けて未完の紫香楽大仏に献じつつ．．．．．．はぁ～、おいし（教育委員会　文化財保護課）

  2011.11.02

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  近江の水郷【近江八幡市安土】

  へちかんです。野洲の銅鐸博物館での「近江の水郷」話の続きです。信長が安土城を築城した頃、安土山は、琵琶湖の内湖に突き出た三方を湖に囲まれた半島でした。 【現在の安土山です】この地形は、古くは縄文時代から続いており、安土山の周囲には、縄文時代や弥生時代の遺跡がたくさんあります。安土山の先端には、琵琶湖と内湖とを境する「砂たい」とよばれる砂丘状の浜に、近江で初めて水稲耕作が始められた頃の遺跡「史跡大中の湖南遺跡」がありました。 【大中の湖南遺跡です～】昭和27年、戦後の食糧難を補うために干拓され、広大な農地が広がっており、史跡も埋没しています．．．．．というような、お話しをしながら干拓前の図面や写真（絵はがき）を見ていただくと。 【画像ほぼ中央の山が明治の頃の安土山です】 【湖に浮かぶ安土山（安土城）絵はがき】「ほほー」という反応が返つてきます。さらにこの絵はがき、千円もしたのですよというと「ほほー、ほほー、ほほー」と。この安土山の絵はがきは、いつも講演で使っていますので、今回は特別に、おまけでみなさまに福島弁財天の写真をご披露します。 【かつての福島弁財天】どうです。ちゃぷちゃぷと内湖に浮かぶ福島弁財天の姿は。ここは太古は縄文時代の有名な「弁天島遺跡」のあった場所でもあります。また皆様も一度訪ねてみてください。今は船でなく歩いていけますから。 【現在の福島弁財天】へちかんは、趣味で城グッズだけではなく、絵はがき集めもしているのです！！今回は、絵はがき使ってお仕事してみました。ほら、仕事（？）してるでしょ？薺さん（教育委員会　文化財保護課）

  2011.11.01

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  のぶブロ【まるごと水口城】

  どーも観城軒でございます。ようやく秋たけなわのこの頃ですが、安土では時期はずれの桜の開花なんかもありました。（こちらでご紹介中） 【久しぶりじゃ！皆の者！】季節はずれの桜を見に来たついでに事務所に寄らせてもらうぞ。　　そうそう、貴殿ら「まるごとなんとか」とか言って、いくつかの城を囲んでいるそうだな。ちょっとちょっと！今はそんな物騒な時代ではないですよ、ＱＰ信長公　　城攻めではなく皆様を城跡にご案内しているのです。　　で、次は11月12日に「まるごと水口城」で岡山城と水口城をご案内します。　　水口岡山城は豊臣秀吉公の命を受け中村一氏が築城した城ですよ。 【水口岡山城の石垣】豊臣？さては新手の大名か　　なにかえらく仰々しい名前だが、わしよりすごいのか羽柴筑前守秀吉殿のことです。　　後に改姓されたのですよ。　　今の人は大抵「豊臣秀吉」と呼んでいるんです。なんだ藤吉郎のことか。　　びっくりさせおって。　　あやつは木下、羽柴と姓を変えるし、ややこしいのう水口城は京都への上洛のため、徳川家康が築城を命じた城です。 【水口城の復元出丸】二人とも交通の要衝に城を築くとは、　　わしを見習って感心、とでもいっておいてやろう当日のご案内のために水口岡山城のブックレットをまたもや作成しておりますよ。　　徳川氏の水口城や水口の街もあわせて紹介しています。うむ、これこれ　　このブックレットは分かりやすくまとめられていて便利だぞ 　　サイズもほら、手頃な大きさ、ワシと比べても……って、しまった！　　　ワシもちっちゃいことがばれてしもうた！！ 　　　ＱＰ長政に知られると大変じゃ！ひとまず退散！ う～ん、なにもそんなにうろたえなくてもいいんじゃないですか？ＱＰ信長公。　　だいたい「ＱＰ○○」と名乗っている時点で皆さん気づいていると思うんですがね～ 【ワシらも気づいておるぞ、なあQPお市　ｂｙQP長政】そんなＱＰ信長公はさておき、歴史の街水口を体験できる「まるごと水口城」にぜひ皆様お越しを！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　場所：甲賀市水口町　水口岡山城跡・水口岡山城城下町跡（旧東海道水口宿）日時：平成23年11月12日（土）10時30分～16時　※雨天決行 受付場所：近江鉄道水口駅前　午前10時から 当日のコース：水口駅→水口岡山城跡→水口岡山城城下町跡（旧東海道水口宿）→水口城資料館・解散※全行程約６km　水口城資料館、水口歴史民俗資料館は自由見学 とします。参加方法：参加希望の方は、下記まで氏名・住所・連絡先を電話・ＦＡＸ・Ｅメールで事前にお申し込みください。 定員：100名（先着順）参加費：300円（入館料・保険料等）申込締切：11月11日（金）12時必着 お問い合わせ・申込先 滋賀県教育委員会事務局 文化財保護課 城郭調査事務所電話：0748－46－6144　　ＦＡＸ：0748－46－6145E-mail:ma16@pref.shiga.lg.jpその他：参加いただいた方にはブックレット『水口岡山城跡－秀吉政権要の城－』（滋賀県教育委員会発行Ａ５版２１頁）を当日配布します。 弁当・水筒を持参の上、山城歩きに適した服装・履き物でご参加ください。 駐車場がありませんので、公共交通機関を利用してご参加ください。 参加費は当日受付でいただきます。釣銭の要らないよう、ご協力をお願いします。 負傷による救急受診に備えて、各自保険証を持参してご参加ください。 主催：滋賀県教育委員会 甲賀市教育委員会協力：近江鉄道株式会社・甲賀市観光協会・みなくち観光ボランティアガイド協会

  2011.11.01

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  白鬚神社と豚汁！【高島市鵜川】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。先日は用事そっちのけでマキノ高原にて栗拾いに燃えてしまいました　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その帰り道、近江水の宝でもある白鬚神社に立ち寄ることにしました。景色のよいところで休憩したかったというのもあるのですが、実はお腹が減っていたのでついつい白ひげ食堂さんに．．．．． 【白ひげ食堂です】豚汁とおでんが美味しいのです。豚汁とうどんの見事なまでのコラボレーション！！！「豚汁うどん」は秋から冬にかけての湖西路の風物詩といえるでしょう（独断です）。 【メニューです】結局、そんなに寒くなかったので豚汁とおでん（厚揚げ・卵・ごぼ天）とライス中を頼み、満腹になりました。幸せや～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ということで、白鬚神社へ。 今日はキラキラでした（教育委員会　文化財保護課）

  2011.10.26

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  Taroの信楽－太郎さんの陶板レリーフ－

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。１１月１日から陶芸の森産業展示館で開催される「岡本太郎と信楽展」の見所紹介です！！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 岡本太郎さんは多種多様な素材で作品をつくられていますが、信楽とのかかわりで言えば陶板レリーフですよね。たとえば～ 【新幹線岡山駅にある「躍進」】この原型が信楽に残されているのです！！これっ！！【「躍進」原型です！！】展示されます！！必見です！！！！ 【ちゃんと「TARO72」とサインもあります！！】この他には 【大塚製薬ハイゼットタワー「いのち躍る」】 【信楽にてチェック中】実は、この画像の奥には岡本太郎さんがおられるのですよ．．．．現在、渋谷駅で見ることのできる「明日の神話」もそうなのですが、太郎さんの表現方法ってパブリックアートが多いですよね～ 【明日の神話】ちょっとそのあたりの事情をみてみましょう。太郎さんは、コレクターを対象とする美術市場を拒み、誰でも見られるパブリックアートを数多く制作しました。パブリックアートは、“芸術はひらかれたものであり大衆のためのものである”という自身の考えを具現化するものであり、露出展示にこだわったのでした。太郎さんが本格的に壁画や野外彫刻などといったパブリックアートを手がけるようになったのは1950年代から。1956年の東京都庁、1964年の東京オリンピック（国立代々木競技場）、同年に開業した東海道新幹線（新幹線岡山駅）などの壁画がそれなのです。当時の日本はまさしく「躍進」を遂げていました。その頃、太郎さんの手による“破格の造形”が日本列島を席巻しはじめたのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして60年代以降、太郎さんとタッグを組んで多くの壁画を世に送り出したのが「信楽」だったのです　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 最後に、太郎さんのパブリックアートに関する言葉を紹介しましょう。「一定のコレクショナーにかわいがられる絵ではなく、パブリックな場所で自分の問題をぶつけ、大衆と対決したい」「絵画と建築の協力について」『別冊みづゑ』17号「現代の壁画」、1957年10月　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「切られて何が悪い！切られたらオレがつないでやる。それでいいだろう。／こどもが彫刻に乗りたいといったら乗せてやれ。それでモゲたらオレがまたつけてやる。だから触らせてやれ」川崎市岡本太郎美術館設計時のコメント　平野暁臣『岡本太郎「太陽の塔」と最後の闘い』より 　　（教育委員会　文化財保護課）

  2011.10.26

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  いかがですか「近江の名宝探訪ツアー」第３弾！！　西明寺編

  またまた今回も「近江の名宝探訪ツアー」についてご案内いたします。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　このツアーは、滋賀県内の国宝、重要文化財などの所有者団体である滋賀県文化財保護連盟が実施している「近江の名宝魅力発信モデル事業」として、県内の文化財を探訪する「近江の名宝探訪ツアー」の企画を旅行会社から募集し、その内容を委員会で検討して決定しました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　で、今回、紹介するのは、西明寺（甲良町）の国宝三重塔探訪を中心とするツアーです。湖東三山のひとつ西明寺は数多くの文化財があることでも知られている古刹です。紅葉の季節には必ずといってよいほど名が挙がるあまりにも有名なお寺さんですよね数ある西明寺の文化財の中で多くのファンを持っているのが国宝三重塔純和風の塔で、各部ともよく整い全体の調和が優れています。第一級の建築であるといっても過言ではないでしょう 【西明寺の国宝三重塔】この塔では今、檜皮葺の葺き替え修理工事を行っています。見学通路を用意していただいているので、１階屋根については間近でご覧いただけますよ～ 【めっちゃレアな檜皮葺の作業】さらには、檜皮葺体験もしていただけますよっ！！！（めちゃめちゃレア体験ですよっ）西明寺では、国宝三重塔をはじめ国宝本堂、重要文化財不動明王像と釈迦如来像、県指定文化財の十二神将像をはじめ、大河ドラマ「江」にも登場した弁才天も文化財専門職員の解説の下、じっくりとご覧いただきます。 コースでは近江の魅力たっぷりの多賀大社、五個荘近江商人屋敷なども訪れます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「近江の名宝探訪ツアー」の日程や費用、コース等の詳細と申し込みについては、近江屋ツアーセンター　ホームページをご参照ください。（教育委員会文化財保護課）

  2011.10.25

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  食欲の秋、マキノ高原の秋【高島市マキノ高原】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です今回は高島市マキノ資料館にちょっぴり用事があったので高島市マキノへ。 【冬のソナタに出てきそうな並木道】で、ついつい立ち寄ったのがマキノ高原です。空気がめちゃ清々しいです。で、道路から目を転じると．．．． 【ん？】 【よきかな～】これはもう居ても立ってもいられません栗園に突入です～栗で何を作って食べようか．．．．．．思案している時間も楽しい「栗拾い」です頭上からイガイガが落ちてくることもなく無事にゲットしました。ちょっぴり喉が渇いたので、路傍でお薄を点ててゴクリと一服 【今日はこんな感じで】はぁ、おいし用事よりもこっちがメインになってしもた．．．．（教育委員会　文化財保護課）

  2011.10.21

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  よきかな彦根城！【彦根市彦根城開国記念館】

  こんにちは。お茶好き＆歴史好き＆焼物好きの薺（なずな）です。今回は彦根に旅してきました～駅前の「ちゃんぽん亭」は帰りに寄るとして駅からてくてく彦根城方面に護国神社を突っ切り、佐和口からお城に向かいます。 【お堀に映る石垣】 【佐和口多聞櫓もお堀に映っています】風がないのでお堀には石垣が綺麗に映っています。 【威圧感ありありです】櫓の上から狙い撃たれたら一撃やなぁ～などと21世紀においてはあり得ない妄想をしつつ通過。すると、右手に可愛い物体が 【ひこにゃんっ】ご丁寧に「WELCOME」とおっしゃっているのでついつい階段を上ります 【ん？】階段を上ると、向こうに何かいる 【あらま～】また、ひこにゃんやんか～このポーズ「待ちくたびれたぞっ」と言われているような気がしますね～ひこにゃんが寝そべっていたのは「開国記念館」の入り口。元気なスタッフの方から「無料ですからどうぞ！」とうながしていただいたので、ずいずいと中の方へ。すると、後方から尋常ならざる視線　を感じます．．．．【めちゃリアルな直弼さん】 カモ～ン大老ではないですか本気でビビリました．．．．気を取り直して周囲を見てみると、 【井伊と真田の赤備えコラボです】色んなものが展示してあります。撮影できなかったのですが「城のまち　彦根のあゆみ」や「わたしの町の戦国」というテーマでの展示がありました。なかなかしっかりした展示です。ほほ～っと、見入っている間にどんどん時が過ぎていきます。がっつりと一時間は見てましたね．．．．あっ、こんなことでは今日のメインテーマに行き着かないではないですか早くお城の中に入って行かなければ～今回のお目当てはこれ天秤櫓特別展～甲冑でみる武将（おとこ）たちの関ヶ原～ 【こんな感じらしい！！】天秤櫓までダッシュだ～っ　（教育委員会　文化財保護課）

  2011.10.19

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  近江の水郷【東近江市伊庭】

  お久しぶりです。「へちかん」です。「毎日、仕事していて、思うところはないのですか～。ブログ書いてくださいよー」と言う薺（なずな）さん。「ない！」「心に余裕がありませぬ～」と、むげな返事もなんだなーとということで、10月６日に野洲市の銅鐸博物館の友の会講座で「近江水の宝」と「近江の中世集落」でさせてもらったお話しから．．．． 【銅鐸博物館といえばこれが目印　そして「どうたくくん」】　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　近江の中世の村は、水をたたえた堀で囲われていたのです。さながらベニスのようでしたと。環濠集落とか、水郷とか呼ばれるような姿だったのです。近江の真ん中に琵琶湖があり、川の水は琵琶湖に注いでいるので、その豊富な水を人々は有効に利用した結果なのです。だから中世の集落と水とは深い関わりがあります。人々は稲作に水を利用し、物資の運搬や人々の往来としても水運を利用していました。今もその姿をうかがい知れる集落があります。それが「近江水の宝」にも選定されている東近江市の「伊庭」集落です。 【空から見た伊庭】「伊庭」に行くと集落の中に、今も中世に造られた掘割りがきれいに残っています。【水路がめぐる伊庭のまち】でも、かつての堀は埋められて幅を狭められ道路となっています。ほんとうは集落内のほぼ全てが堀だったのです。　　【埋められ、道路になった水路　埋められ、半分になった橋】そう！近代化による車社会の影響で、水運はすたれ陸運に移行した結果なのです。こうして、次第に歴史的な景観が変化しながら、人々の暮らしはうつりかわっていくのです。【水路で今夜のおかずをとっているところ】こんな風な、昔ながらのライフスタイルもみることはできます....　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【近江水の宝マップです】伊庭をはじめとした琵琶湖と水が織りなす文化財を紹介する「近江水の宝マップ」は県教育委員会文化財保護課および当課が実施するイベントなどで配布しております。お問い合わせはこちらまで～滋賀県教育委員会事務局　文化財保護課記念物担当　電話　　　 077－528－4674　Fax　　　　077－528－4956　E-mail　　ma07@pref.shiga.lg.jp（教育委員会　文化財保護課）

  2011.10.19

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