駒込大観音/光源寺
こんにちは。TOSです 久しぶりに東京の話題をお届けします。 先日、埼玉滋賀県人会の山田正会長と、文京区にある浄土宗の名刹「光源寺」を訪れました。  開山は1589年。江戸幕府の都市計画により1648年に現在地に移ったそうで、夏目漱石の小説「三四郎」にも登場します。 春は梅と桜、秋には紅葉がきれいで、毎年7月9日、10日には観音様の御利益を46,000日分頂ける「四万六千日(しまんろくせんにち)の縁日」が開催され、「ほおづき市」で賑わうといいます。 ここには、なんと身の丈6メートルの十一面観音立像がお祀りされていることから、別名「駒込大観音」と呼ばれ、親しまれています。  ちなみにこの観音様、元禄年間に建立された当時は、約8メートルあったそうですが、昭和20年の東京大空襲で焼失、現在の観音様は平成5年に再興されたものです。 「十一面観音は、その名のとおりその時々によって様々なお顔で私たちに接し、苦しみ、悩み、悲しみ、怒り、願い、喜びを持つあらゆる境遇の人に宇宙の生命力を感じさせて下さる菩薩です」と住職の島田さん。 境内の一角にある共同墓地にひっそりと建つ『供養塔』 側面にはそれぞれ「在京近江人法話會」「北里校友会東京支部」と刻まれています。 裏面には「昭和十六年四月建之」の文字。 すでに70年以上経っており、建之の経緯は定かでないそうで「関東大震災で亡くなられた三百余名の滋賀県人を供養するためではなかったか」と山田会長。 いつの頃からか供養する人もいなくなった供養塔の事を伝え聞かれた山田さんが、「首都圏在住の滋賀県出身者で供養できないものか」と供養塔に刻まれる「在京近江人法話会」の復活を思い立たれました。 この話に共感され、即座に賛同されたのが、供養塔に刻まれる北里小学校(近江八幡市)の卒業生の大東明雄さん。 大東さんは上京間もない頃、同郷の先輩に連れられお参りされたことを覚えてはおられましたが、50年も前のことでもあり場所などが思い出せず、気に掛けておられたのでした。 今では賛同者も十数人となり、この7月10日には同寺で第一回の発起人会を企画されています。 大都会での暮らしの中で、ややもすると薄れがちな同郷人の絆。 古き良き時代の近江人気質に触れた思いの、ちょっといい話題でした。★浄土宗 天昌山 光源寺(文京区向丘2-38-22) 地下鉄南北線「本駒込」から徒歩5分