マイアミ、アトランタに行く その3 エバーグレーズ国立公園
12月28日のキーウェストに続いてマイアミ・アトランタ旅行の第3弾。フロリダ滞在3日目の目的地はエバーグレーズ国立公園(Everglades National Park)である。これはフロリダ半島の南端に広がる広大な湿地帯で、野生生物の宝庫である。自称(笑)園芸研究家としてはぜひとも訪れてみたい場所であった。 上の地図の緑色に塗られた部分が湿地帯となっており、ホームステッド(Homestead)がその国立公園の玄関口となる。そして、地図の色が白から緑に変わった境界線を過ぎたあたりに料金所があり、ここで入場料を払って湿地帯を実に60kmもひた走り、最南端にあるフラミンゴ・ビジター・センター(Flamingo Visitor Center)へ向かう。 料金所を抜けるとそこはもう別世界である。360度見渡す限り広大な湿原が広がり、今までにまったく見たことのない光景に心が躍った。道路は交通量もまばらで、青空の下を風を切りながら実に快適なドライブを楽しんだ。この湿原が海まで続いているため、ここの海抜はほぼ0メートルに近い。ちなみに、フロリダ州は山がほとんどなく、州全体で標高が最も高いところでわずか105mしかないらしい。 そしてフラミンゴ・ビジター・センターに着くや否や、早速目に入ってきたのが野生のマナティだ。3,4頭はいただろうか、確かにあのマナティだが、水が濁っている上になかなか浮上してこないので、全体像を撮ることができなかった。私は、マナティは澄んだ水に生息するものだと思っていたのだが、現実を見てちょっとイメージが崩れた(笑)。これでは日本の田舎にある溜め池と変わらない(笑)。まあ、今回は場所が悪かったかも。 と、すぐ近くのマングローブの茂みを見ると、なんとワニがいるではないか。フロリダに生息するワニは、クロコダイルとアリゲーターの2種類いるらしいが、この画像ものはクロコダイルの方。すぐそばには水面を泳いでいる個体もいた。またそのすぐそばで大勢の観光客がカヌーを楽しんいるという、なんだか不思議な光景を見た(笑)。うっかり水に落ちたらたまったものではない。 こんなところには鳥が巣を作っていた。何の鳥か分からなかったが、すぐそばを大勢の観光客が通るのだが、よくぞこんなところに立派な巣を作ったものである。ちなみに、日本は真冬だがこちらは夏である。ノースリーブにハーフパンツという、完全に夏用の服装でも暑く感じるほどの気温だ。一通り近辺を見て回った後、ビジターセンターで昼食を摂り、次の目的地であるマイアミ市内のラン専門業者へと向かった。 ところが、ビジターセンターを後にしてしばらく走っていたところ、交通量が少ないはずの道で渋滞が発生。前方には何やら人だかりがある。もしや事故でもあったのかと胸騒ぎがしたが、私がそこで見たものは・・・ ぬゎんと、野生のワニである。それもかなりデカイ。口を大きく開けたまま、まるで作り物のように微動だにしない。次々と観光客が集まり、みな大はしゃぎで写真を撮っていた。交通整理をしているのは国立公園の職員と思われる。先ほどビジターセンターで野生のワニを見たばかりなのに、まさかこんな間近にも見られるとは思っていなかった。こちらもクロコダイルである。もしもこれがアリゲーターだったら、「こんな間近でアリゲーターを見られるなんて、なんとありげてぇ」というギャグの一発でも言えたのだが(笑)。後でマイアミ在住の人に聞いたのだが、この一帯ではワニが出没することはよくあることで、マイアミの市街地の川でも見られるとか。 そして、実はこの国立公園でもっとも見てみたいと思っていた植物がこれ。ランの仲間のEncyclia tampensis(エンシクリア・タンペンシス)である。カトレアに近い仲間で、カトレアとの交配種もある。この国立公園に自生しているという情報は事前に知っていたが、詳しい場所までは分からず、自称(笑)園芸研究家としての勘を頼りに探したところ、めでたく見つけることができた。開花期ではなかったが、自生する姿を間近に見ることができて感激もひとしおである。本当にはるばるやって来た甲斐があった。なお、後日、「蘭、洋蘭」のカテゴリーで別個に紹介する予定。 この後、マイアミ市内のとあるラン専門業者を訪問し、オーナーの奥様とランの話に花を咲かせた。扱っているのは大半がカトレアだが、やはりマイアミでは温室なしで栽培されている。むしろ、温度を下げるためにいろいろと工夫しているらしい。冬の低温に悩まされる日本の洋蘭愛好家には実にうらやましい話だ。ともかく、この日は今までに見たことのない大自然の中で現実逃避を楽しみ、マイアミのラン園でのおしゃべりを楽しみ、本当に充実した一日であった。翌日はフロリダ半島を一気に北上し、ジョージア州へ向かった。