<第151話> ショーダンス選手権
ダンス競技会を主催する団体は実に複雑です。ここ最近だけなのかもしれませんが、私たちが競技に参加してから、随分いろいろ変わりました。以前は、アマチュアの団体であるJADA(日本アマチュアダンス協会)が主催する競技会の名前をよく耳にしました。映画「Shall we ダンス?」の中で、竹中直人が役所広司に仕組みを説明しているシーンがあり、そこにもこの名前が登場します。このほかに、プロが主催する競技会があって、JBDF(日本ボールルームダンス連盟、財団法人なので、財団とも呼ばれています)、JDC(日本ダンス議会)、JCF(日本プロフェッショナルダンス競技連盟)がありました。JADAは、JDSF(日本ダンススポーツ連盟)と名前を変えて、2002年の段階では、JDC、JCFの主催する試合にも出られて、JBDFだけは、別に独自級を持っていました。翌年、2003年からは、JCFが二つに分裂し、JDSFと互換性のあるJPBDAと、独自級を始めたJCFになります。今日のお話は、その分裂する前、2002年11月17日、東京のホテルイースト21で開催されたショーダンス選手権の様子です。普通の競技会とは違い、ショーダンスは、アイスダンスのように一組ずつがテーマを決めて踊る形式です。音楽も衣装も振り付けも、それぞれのカップル独自のもので、この日は、ショーダンス世界選手権に出場するプロダンサーの日本代表を選ぶ重要な大会でした。他に前座として、アマチュアC級戦もありましたので、見るだけよりは出場して、さらに見るほうがお得。この大会にエントリーしました。51組出場で、ラテン4種目を競うものでした。試合結果は、準決勝まででしたが、この日のお目当ては別にあったので、そそくさと着替えて、いい席に座りました。通常の競技会は、JBDF, JDC, JCFがそれぞれ不可侵の状態で、各競技団体ごとの日本一を決めますが、このショーダンス選手権は、団体の境界を越えて、本当の日本代表を選ぶので、とても見ごたえがあります。<第48話>巨大なビデオカメラでご紹介した、関西の山本組(JDC)や、関東の大村・和田組(JBDF)、市川・児玉組(JBDF)、矢部組(JCF)といった、今を時めくキラ星のようなトップ選手達が、いったいどんなストーリーを見せてくれるのか、楽しみでなりませんでした。いつも応援に来て下さるY家の方々にも、お勧めしたところ、一番いい席でご覧になっていて、まるで、どこかの有名なダンスの先生と、そのお供達みたいな構図になってしまいましたが、予想たがわず、大変見ごたえのある試合でした。優勝は、やはり「東洋の真珠」といわれる関西の山本組でした。「こんなこと普通出来ないだろう」というような技の連発で、元ボリショイバレーにいらしたパートナーが、柔軟性を十分に発揮したすばらいショーダンスでした。私も本当は、たくさんの選手がおなじフロアでごちゃごちゃ踊って競う競技より、このアイスダンスのような形式の一組ずつ踊る方をやってみたいのですが、アマチュアにはこういった競技会はいまのところありません。ショーダンス世界選手権の様子は、ケーブルテレビのスポーツチャンネルで放送することがありますので、機会がありましたら、ご覧になってみてください。