であいもん
和菓子は日本の四季を映す宝石のようなスイーツです。あんこが苦手な私ですが、昔、短い間ですがお茶を習っていたことがあり、出される和菓子の美しさに感銘を受けたものでした。今日ご紹介する物語は、京都の和菓子屋を舞台とした日常系アニメです。納野和(いりの なごむ)は、実家の和菓子屋・緑松(りょくしょう)の後継ぎとして期待されていた一人息子でしたが、ミュージシャンを志してを家を飛び出し、東京でバンド活動をしていました。10年続けたバンドが陽の目を見ぬまま解散し、そのタイミングで店の主人だった父親が入院。実家の和菓子の味が大好きだった和は、店を継ぐ決意と共に京都に帰ります。帰ってみると雪平一果(ゆきひら いつか)という小学生の居候がいて、両親の信頼も厚く、和をライバル視します。彼女の母親は海外で仕事をしていて、父親はミュージシャンらしいのですが彼女を店に預けたまま行方不明になっていました。一から和菓子づくりの修行を始めたお調子者の和と、なんでも自分でこなそうと頑張るしっかり者の一果。初めはなかなか歯車が噛み合いませんでした。和が東京で同棲していた元カノの佳乃子(かのこ)も京都にやって来たり、店のアルバイトの女子高生みつるちゃんに片想いされたり、和は人当たりがいいので結構モテるみたい。春夏秋冬と季節が移りゆく中、その時ならではの美しい和菓子が登場して、味は想像できませんが目にも心にも優しい物語でした。『であいもん』は浅野りん原作の漫画作品で、2022年にアニメが放送されました。京都出身の大将もよく知っている風景を目に留めて懐かしんでいましたが、『京都弁がちょっと違う』とも言ってましたね。私にはその微細なニュアンスの違いは分かりかねましたが。であいもんというのは、フランス語のマリアージュみたいな意味でしょうか。『料理をつくるとき、ある材料とある材料を一緒に組み合わせると、材料同士が個々の素材の味以上に持ち味や深みを引き出し合い、料理がおいしくなることをいう。 あるいは、どちらの材料の味も引き立たせるような取り合わせのよい食材のことをさす。』という京言葉だそうです。