<第137話> 裸足のシンデレラ(その3)
C級戦ラテン、出場組数103組。靴を貸して下さったNさんも、同じC級戦に出場していました。種目は、チャチャチャとルンバです。一次予選では、約40組が落とされます。私はいつも8センチヒールの靴を履いていました。お借りしたのは7センチヒール。たった1センチ違うだけでしたが、足が床をとらえる面積がとても大きく感じられました。人の靴なのに、すごく踊りやすく、安定しています。フロアをA, B二つに分けて、競技は同時並行で進んでいき、嬉しいことに靴を貸して下さったNさんとはフロアが違って、直接対決しなくてすみました。私たちは一次予選を突破しました。Nさんもアップしたようです。二次予選では、一次を通過した64組から、22組が落とされます。Nさんはここで敗退してしまいました。靴をお借りしている自分たちだけ勝ち残って、なんだか気まずい感じでした。しかし、Nさんたちは、午後のスタンダードがメインなので、体力温存です。合気道の友達は、ずっと二階席からビデオを撮ってくれていました。最初、審判の立っている側から撮ってくれていて、もどってきた彼女が、「何でこっちむかないの?」といっていました。審判には、顔より背番号見て欲しいから、反対むいて踊るんだ、というと、次からは反対側から撮ってくれました。三次予選。残った42組から24組が選ばれて、四次予選に進みます。撮ってもらったビデオを見てみると、なんだかやけに、お借りしている白い靴が目立ちます。いつも足と同じようなベージュの靴を履いているので、気にしたことがありませんでした。そういえば、フィギュア・スケートも、以前は白い靴が主流でしたが、最近はベージュの靴カバーを履いている選手が多いです。「靴に目がいく」ということは、それだけ足下をきれいに踊らないと、審判にも見られているということです。四次予選、これが最終予選です。さらに半分の12組がピックアップされ、ここで勝ち残れば、いよいよ準決勝に進みます。最終予選では、特に、足下を丁寧に踊りました。大会のお手伝いに来られていた先生も、仕事の合間に声をかけて下さり、「いいね。頭だけ、ちょっと気をつけて。」一反木綿系のグニャグニャ踊りから、ようやく脱皮しそうになっていたころです。まだ、よほど注意していないと、妖怪踊りになってしまうので、先生の言葉に「はっ」としました。私達は、最終予選を制し、準決勝に進みました。北関東のC級戦ラテンでは、いままで最高はこのベスト12で、決勝に進めば、自己最高になります。準決勝のフロアには、茨城の大会でよく見かける「上手な」選手が、あちらにも、こちらにも。1週間前に千葉の大会で優勝したKさんたちの姿もありました。しかし、日々進化し続ける私達は1週間前の私達ではありません。私達の心には、何の迷いもありませんでした。(つづく)高級クリスタルガラス細工ガラスの靴パーティーにピッタリ☆シンデレラパンプスイヤリング シルバーモダンダンスシューズ シンデレラシンデレラ " Cenerentola"