長州ファイブ
150年前の日本はまだ鎖国状態でした。そんな中、見つかったら死罪を捺して英国に秘密留学した長州藩の若者5人。彼らを人は長州ファイブと呼びます。以前試合で行った時にそういえば萩史料館で、長州ファイブと一緒に写真撮ったことありました。その時は凄い人がいたもんだくらいにしか思いませんでした。5人とも明治維新後の日本で大活躍ですからね。芸者遊びに明け暮れていた5人の田舎侍が決死の覚悟で渡英を決意し、刀を捨てちょんまげを切って1人千両という大金を工面します。英国船に乗せてもらってからは数ヶ月の航海を水夫として働きながら英語を勉強。イギリスに着いて鉄道に驚き、テムズ川を往来する蒸気船に驚き、石造りの巨大な建造物にも驚いて、こんなに進んだ国と戦争をしても日本が勝てるわけないと実感します。『生きた機械となって生還し、日本の役に立つ。』5人とも高い志を持っていました。下宿先の大学教授の奥さんに身なりを整えてもらい、田舎侍からイギリス紳士に変身した所で記念写真。5人の中で一番中心的に描かれていたのは山尾庸三(松田龍平)でした。造船所で働きながら造船技術を学び、その技術を日本に持ち帰ります。悪い奴らに囲まれた女性を助けようとしてボコボコに殴られた彼が、棒切れを持った途端素晴らしい身のこなしを見せた辺りちょっと気分が良かったですね。刀を捨てても日頃鍛練して来た剣術が活かされて、ヒーロー活劇を見ているような爽快感を味わえました。一番誰か分からなかったのが伊藤博文(三浦アキフミ)でした。俊輔という名前で呼ばれていたせいもあるんですが、日本でもイギリスでも女遊びがお盛んで『お札になった偉い人』と結びつかなかったんです。でもこういった身体を売るしかない貧しい人たちから話を聞くことで、資本主義社会で起こりうる二極化という弊害を知るんですね。この映画で描かれている以上に苦労があったのではないかと思いますが、五人とも無事帰還して日本の近代化に力をつくしました。井上馨(初代外務大臣)、遠藤勤助(造幣局長)、山尾庸三(東京大学工学部を創立)、伊藤博文(初代内閣総理大臣)、井上勝(鉄道王)。『長州ファイブ』は、2006年製作の日本映画。五十嵐匠監督作品です。スケールの大きなお話をよく2時間にまとめてあると思います。公式サイトはこちらです。ファイブ(5)って、グループとして収まりのいい数なのかもしれませんね。